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初心者必見!夏にご注意!水槽の水に使う水道水の塩素について!

お魚を飼育する上で色々調べたりすることもあると思いますが、その上で一番多いのが塩素についてだと思います。

どの入門書を読んでも水を用いる時に水道水の塩素(カルキ)は中和するように解説されているのではないでしょうか?

その理由は塩素が魚の血液に入ると窒息死に至るからです。

水道法により蛇口から出る水道水に含まれる塩素(残留塩素)は 0.1mg/ℓ(0.1ppm)以上と決められているため浄水場では 1mg/ℓ以下の塩素を注入しています。

原水の状態などにより塩素の添加量は季節ごとにも変化しています。たとえば雑菌は水温が高い夏などは繁殖力が活発になったりするため夏は最低基準の 0.1mg/ℓ(0.1ppm)よりも倍以上の残留塩素があってもおかしくないのです。

このためビルやマンション等、ひとくちに水道水といっても残留する塩素は一定ではありません。

塩素による窒息死

魚はエラを通して呼吸をしています。エラに水が通るときに水に含まれている酸素と血液中の赤血球が結びつき呼吸をしています。

赤血球のなかで具体的に酸素と結びつくのがヘモグロビンというたんぱく質、これは塩素に出会うと例外なく結合してしまいます。

ヘモグロビンが一度塩素と結合すると塩化ヘモグロビンになり元に戻ることができなくなり、エラに帰ってきたとしても、もう二度と酸素や二酸化炭素を運ぶことができなくなってしまうのです。

金魚すくいで手に入った金魚たちをいきなり中和していない水道水にお魚を入れると息苦しい仕草(水面パクパク)をするのはこの為なのです。

塩素を除去するために・・・くみ置き

金魚すくいなどで手に入れた金魚を飼育するにも塩素を中和する道具はすぐにそろえることができずにそのまま中和していない水道水に入れたバケツなどの容器に入れていることもあると思います。

水槽のセットなどがあれば必ず付属で中和剤が入っていますが近くにホームセンターなどがない場合はすぐにはそろえることが出来ません。

上記に該当する人には家の周りに水を溜めておける容器があればくみ置きをしておきましょう。

みなさんも一日バケツに水をくみ置けばいいと聞いたことがあるのではないでしょうか。

塩素はもともと水に溶け込みにくい物質なので長期間そのままの状態で水中に存在できないので空気中へどんどん気散していき、気温が20度で12時間程汲み置いていた水は塩素がなくなります!

塩素を除去するために・・・中和剤を使用する

金魚、熱帯魚飼育セットに塩素中和剤などの名前で袋に入っています。

中和剤の成分はチオ酸化ナトリウムで水槽やバケツに溜めた水道水に入れて、多少かき混ぜた程度でもすぐに塩素と結合し、お魚に無害な食塩(塩化ナトリウム)になります。

塩が出来てしまって、淡水域に生息する魚に使ってもよいのかと不安になるかもしれませんがもし水道水に0.1mg/ℓ(0.1ppm)の塩素があったとして、中和することによって出現する食塩は0.00001%に過ぎませんので塩水になる心配はありません!

ただし水の量に対して中和剤を規定量(たとえば水20ℓに対して中和剤は約4ml)より入れすぎた場合、水槽内に硫酸化合物を繰り返し入れることになります。

極めて害は低いですがコケが発生する原因にもなるのでおススメしません。

最後に

お魚を飼育している方の中では家の魚は中和剤と使っていなくても飼育できているという方もいると思います。

多くのお魚を水道水に入れた場合、何匹か死んでも数匹生き残ったというもあります。

これはエラから塩素が取り込まれて塩化ヘモグロビンになった結果、中和剤を入れたような状態になったためです。たまたま呼吸の量が少ないじっとしていたお魚が塩素の影響を極力受けなかっただけなのです。

お魚を飼育する際は必ず塩素を中和してあげましょう