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金魚のカープくんとは・話題!エサ用から大出世

高知県『わんぱーくこうちアニマルランド』の、ある“出世魚”が話題を呼んでいます。

それが、金魚のカープくんです!

体長30cmの大柄な金魚ですが、その経歴はハードで、幾つもの死線をかいくぐってきた凄い金魚なんです!

厳しい環境でもどうしてそんなに大きくなれたのか?その理由を探ります!

金魚のカープくんとは?

金魚のカープくんは、もともとアニマルランドで飼育されている動物の『餌用金魚』として誕生しました。もちろん、はじめは名前などありませんでした。

鳥の餌として放たれましたが、仲間が次々と食べられていく中で、数匹の金魚と共に生き残りました。

やがて少し成長すると今度はジャガーの餌になることに。しかしそこでも生き残りオオサンショウウオの展示水槽へと放たれました。

目立つサイズに育っていたため、オオサンショウウオの故郷である広島県をもとに、『カープくん』と名付けられました。

展示水槽でもカープくんは強運でした。食べかけられたことはあるものの、見事に逃れ続けて、逆に捕食者であるオオサンショウウオが死亡
あまりの強運に驚いたアニマルランドは、オオサンショウウオの展示水槽をカープくんが住みやすい金魚水槽に変更し、現在では主役として注目を浴びています。

この経歴だけで、ただ者でないことがわかりますね!

天性の回避技術があるに違いありません!

金魚のカープくんの生態

カープくんは餌用金魚(通称・エサ金)でしたので、種類は和金です。

お祭りの金魚すくいで良く見るタイプの朱い金魚です。

最初は本当に小さかったと想像されますが、現在の大きさはなんと約30cm!

体高もあり、立派な風格ある金魚に成長しています。

すこし白い模様が入っており、目つきが何とも愛嬌のある可愛らしい金魚です。

強運なだけでなく、人気者になるのもうなずけますね。

どうしてそんなに大きくなったの?

常に餌になる危険があったのに皮肉ですが、生息環境が非常に良かったと言えます。

その理由を3つあげてみます。

カープくんが大きくなった理由1:水量

第1の理由は『豊富な水量』です。

金魚は水を汚す魚です。良く食べよく糞をするから、水槽の飼育水は汚れがちです。また、意外とすぐ酸欠を起こしますので、エアレーション(ぶくぶく)も必要です。

こまめなメンテナンス(お掃除、水換え、ぶくぶくを設置)で対処するのですが、カープくんが住んでいる場所は動物園です。

生息スペース(この場合、飼育スペースともいえる)は一般の水槽と比べるまでもなく広大です。

よく、○○cm水槽なら何匹まで、というような目安がありますよね。広大な環境ですので、カープくんが必要とする水の新鮮さ・酸素量・遊泳(逃避)スペースが十二分に確保できていた、ということになります。

カープくんが大きくなった理由2:食事

第2の理由は『良質なタンパク源』です。

カープくんは餌になる運命でしたから、当然自分は餌をもらっていません。では、どうして成長できたのか?

アニマルランドによると、オオサンショウウオの水槽に来てからは、オオサンショウウオの抜け殻を食べていたそうです。抜け殻は元・皮膚ですから、タンパク質の塊です。鱗のツヤを良くする効果もあります!

(※写真はヘビの抜け殻です。)
それ以前も、きっとコケやプランクトンなど豊富な水量に含まれている栄養素を取り入れていたに違いありません。

さらに、それらの餌は好きな時に少しづつ食べられます。

金魚は体を大きく育てたければ、少量の餌をこまめに上げることが重要です。

カープくんは、自然とその条件をクリアした食事を行っていたのですね。

カープくんが大きくなった理由3:日光

金魚も動物ですから、骨があります。カルシウムの形成も大きな体になるのに必要です。

魚類も人間と同じく、太陽の光に当たることでカルシウムの吸収効率を高め、骨を強化することができます。

日光が当たると通常は、水温が上昇しすぎたりして金魚には逆に悪影響を及ぼすこともありますが、広大な飼育環境の場合、水の量が多いためそれほど水温上昇は気になりません。

しかも、日光が当たることで金魚が好む植物性プランクトンが増えます

他の動物(ジャガーやオオサンショウウオ)のためにも健康維持に必要な紫外線は十分確保されていました。

まさに、大きくなるにはうってつけの環境だったわけですね。

現在のカープくん

今年で約6歳になります!

カープくんはアニマルランドきっての強運の持ち主ということで『出世魚』として展示されています。水槽内にはランチュウや同じ和金などの仲間も飼育され、にぎやかな金魚水槽で主役として生活を送っています。

水温も金魚に最適な22度に調整されるなど、至れり尽くせり!

もちろんご飯も毎日もらえます。

まとめ:餌用金魚だって、大きくなれる!

カープくんは、もとは観賞用ですらない和金だったことを最初のほうで書きました。

このように、“弱い”とされる飼育用でない金魚でも、大きく丈夫に長生きすることが可能なのです。

金魚すくいはコツを掴めば初心者でも金魚を捕まえることができます。 また、連れ帰った後のケアや飼育する環境を早急に整えることで長期飼育が可能です。 ここでは、金魚すくいで上手に掬うコツと家に連れ帰った後の飼育方法を解説します。

金魚は飼育環境が整えば、長くお付き合いできる魚です!

カープくんのように30cmまで成長させるのは大変ですが、金魚をこれから飼う方、もう既に飼っている方は、どんどん可愛がってあげてくださいね!