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日光と上手に付き合う!屋外で金魚やメダカを飼うためのポイント

金魚やメダカは、古くから人々の身近な観賞魚として親しまれてきました。
とても丈夫で、初心者でも飼育しやすいとされている金魚やメダカ。
屋内の水槽や金魚鉢で飼育するイメージがありますが、実は屋外でも飼育が可能な魚ということはご存知でしょうか。

屋外というと初心者には手を出しづらいと敬遠されがち。
しかし本格的な池などのビオトープは難しくても、容器を使った飼育なら、初心者でも手軽に始められますよ。

今回は、金魚やメダカを屋外で飼うための、日光との上手な付き合い方やポイントを解説します。

▼屋外飼育に関してはこちらもご参考にしてください。


屋外飼育のポイントを動画で解説!

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屋外でメダカや金魚を飼育するポイントを音声付きでわかりやすく解説しています!

屋外で金魚やメダカを飼うためのポイント!日光と上手に付き合う!

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屋外飼育の条件と注意点

屋外で金魚やメダカを飼育するには、室内とはまた違ったアプローチが要求されます。
屋外で飼育するときの条件や注意点を確認してきましょう。

1.直射日光に強い飼育容器を手に入れる!

飼育容器と聞いて、皆さんが真っ先に思い浮かべるものは水槽だと思います。

水槽にも、ガラス製、アクリル製、プラスチック製などの種類がありますが、そのどれもが実は直射日光には弱い傾向にあり、屋外飼育には不向きです。

ガラス製はガラスをつなぐ、シリコンが紫外線に弱く、劣化してしまいます。
アクリル水槽は温度変化に弱く、クラックが入ってしまいますし、紫外線によって黄ばんだりします。
プラスチックも日光に当たると劣化してしまいます。

屋外で飼育するときには、紫外線や日光に強い素材の飼育容器を用意する必要があるのです。
では、屋外飼育に向いている飼育容器にはどのようなものがあるのでしょうか。
屋外での飼育におススメの飼育容器をご紹介します。

▼こちらもご参考にしてください。

おススメの屋外用飼育容器

鉢(陶器やガラス製)

信楽焼 13号灰釉流し千段 すいれん鉢 メダカ鉢 睡蓮鉢 スイレン鉢 金魚鉢 水鉢 陶器 su-0176 (幅410×高さ250mm)

民家の玄関や庭先などで、水鉢を目にしたことはないでしょうか?

陶器製の器(睡蓮鉢・金魚鉢)やガラスの鉢は、屋外で金魚やメダカを飼育するときによく使用される器です。

陶器やガラスの器は、日光でも劣化しにくく、開口部が広いので、光をよく通すことができます。
ガラス製でもシリコンで接着されていない器ならば、屋外の直射日光にも耐えることができるのです。

形や柄などの種類も豊富なので、お好みのものを選ぶこともでき、屋外での飼育におすすめです。

FRP水槽

FRP水槽 小

ショッピングサイトを選べます

日光に強い素材に、『FRP』があります。
プラスチックにガラス繊維を混ぜた、繊維強化プラスチックのことで、プラスチックよりも飛躍的な耐久性を持っています。

軽量で持ち運びや設置も容易です。見た目は不透明なプラスチックと相違ありません。

高価なのと、透明な物がないのが難点ですが、ベランダなどの強い紫外線の当たる場所でも、設置が可能です。

また、金魚やメダカの良質な餌となる緑コケが付きやすい点もおすすめポイントです。

発泡スチロール

スドー メダカの発泡鉢 大

簡易的な睡蓮鉢として、よく使用されているのが発泡スチロール製の鉢です。
メダカ飼育用に専用のものも販売されています。

発泡スチロール製の鉢の大きな特徴は、軽くて持ち運びがしやすいことと、保温性に優れていることの2点があげられます。

常に外気にさらされ、水温が変化しやすい屋外飼育で、保温性が高いことは大きな利点です。

しかし、発泡スチロールは耐久性にはやや乏しく、長年使用しているとひび割れて水漏れしてしまうことも少なくありません。
劣化してきたら定期的に容器を交換する必要がありますので、ややコストと手間がかかるでしょう。

2.エアレーション・濾過の工夫

魚が生活していると、水にはアンモニアなどの有害物質が溜まっていきます。

屋内飼育の場合ろ過装置を設置し、定期的な水換えを行うことで汚れを除去し、魚の暮らしやすい環境を整えています。
しかし、屋外で飼育するとなると、睡蓮鉢のような器には大掛かりなろ過装置は設置できないため、ろ過やエアレーションに工夫が必要になります。

エアレーションが無くてもメダカなどの小型魚の飼育は可能ですが、たくさん飼育している場合には対策をしておくと安心です。

基本的には水換えで対応するのですが、投げ込み式フィルターを入れておくと飼育環境を整えやすくなります。

投げ込み式フィルターは、水の中に沈めて使用するフィルターなので、睡蓮鉢のようなろ過装置が設置できない器でも使用することができます。
また、ろ過と同時に酸欠を防ぐためのエアレーションの対策もできるので、屋外飼育にはぴったりのフィルターです。

▼に関してはこちらもご参考にしてください。


3.水温の維持

屋外飼育で厄介なのが、水温の変化です。

あまり日差しの強すぎる場所に水槽を置いてしまうと、昼間は水温が上がり、夜には冷え切ってしまうなど水温が一日の中で激しく変動してしまうことも。

夏場などは水温が高くなりすぎて、魚の命を危険にさらしてしまいます。

暑い季節は、すだれなどで適度な影を作ってやり、できる限り風通しの良いところで飼うのが良いでしょう。

また、雨水が大量に入る場所への設置は、水温が急激に下がってしまう原因になりますので、絶対に避けましょう。

▼水温管理に関してはこちらもご参考にしてください。

4.猫などに狙われないようにする!

屋外飼育で危険なのは、水温だけではありません。
猫や鳥、アライグマやハクビシンなどの動物たちは、狩猟本能から金魚やメダカを捕まえてしまうことがあります。

対策としてはネットをかける、高い位置に設置する、人間の出入りの多い場所に置く、などが考えられるでしょうか。

ネットの目は、粗いものだと魚を食べてしまう昆虫のヤゴ(トンボの幼虫)が発生してしまう可能性もありますので、季節に応じて目を細かいものにするなどの工夫をするとよいでしょう。

▼こちらもご参考にしてください。

5.安定感のある場所に設置する!

設置場所にも注意したいポイントがあります。

日の良く当たるの石材の上や、室外機など、水温が変わりやすいものの傍には設置してはいけません。
また、不安定な架台や、薄い木の台などに置くと、台が壊れて水槽が落下してしまう危険があります。

水がこぼれても平気な場所や、そのまま排水可能な場所に設置するのが好ましいです。

屋外飼育の水換え方法

水換えのタイミングは?

屋外で飼育している場合、自然に近いサイクルが水槽内に出来上がり、水質を維持できるため水換えが不要になるという話もありますが、実際のところ屋外飼育でも水換えは必要です。

といっても、屋内飼育のような定期的な水換えは不要です。

屋外での飼育では、日光の働きにより有用なバクテリアの働きが活発になり、水が汚れづらくなります。
そのため、屋内飼育ほど頻繁な水換えは必要ありませんが、水槽という狭い環境の中では、このサイクルも完ぺきではありません。

水の汚れや水質をチェックし、適宜水換えを行いましょう。

水換え方法

水換えの方法は、屋内での飼育と大きな違いはありません。

飼育している金魚やメダカを、別の器に移し、水槽やフィルターを掃除してから、水を1/3程度交換します。
新しい水を入れるときには、水温に注意し、元の飼育水と水温を合わせてから注水します。

元通り、生き物を戻したら水換えは完了です。

水が緑に!青水とは

青水とはどんな現象?

屋外で飼育していると、飼育水が緑色に変化することがあります。

コケの大量発生!?水の汚れ!?と慌ててしまいそうですが、そうではありません。
この現象はグリーンウォーターや青水といわれる現象で、植物プランクトンが増殖することで起こります。

そしてこの青水、実は金魚やメダカの飼育にとても適した最高の飼育水なのです。

まず、植物プランクトンは、金魚やメダカの大好物で恰好の餌となります。

また、植物には、水の汚れの原因となる、生き物の糞が分解された後に発生する硝酸を肥料として吸収してくれる性質があるのですが、植物プランクトンにも同様の性質があり、水が汚れるのを防ぐ効果が期待できるのです。

▼青水に関してはこちらもご参考にしてください。


飼育水に最適なよい青水とは?

青水と間違いやすい現象にアオコの発生があります。

アオコは浮遊性のラン藻類が繁茂した状態で、繁茂し過ぎると、水面を覆ってしまい、日光を遮る原因となります。
放っておくと魚が死んでしまうこともあるので、注意したい現象です。

青水とアオコの見分け方ですが、アオコはかなり独特の嫌なにおいがするので、わかっていれば見分けることは容易です。

一方、よい青水は、

  • 緑茶のような薄い茶色~薄い緑色をしている
  • 嫌な臭いがしない
  • 濁っていない
  • 水がドロドロしていない

ことが条件として挙げられますので、青水かどうかをよく見分け、間違えないように注意しましょう。

屋外飼育の醍醐味とは?

気を付けることの多い屋外飼育ですが、屋外でしか味わえない醍醐味があります。

環境との共生

屋外飼育の醍醐味の一つが環境との共生です。

スイレンやホテイソウなどの水生植物だけでなく、周りに植木を配置することで、アクアテラリウムのような一つの世界を作り上げることができます。

四季を感じて魚を飼育することができる

屋内飼育では、どうしても乏しくなってしまう四季の移ろいも、屋外飼育では、余すところなく感じることができます。

金魚やメダカたちも、季節の移ろいを感じると体調をその都度変化させ、健康的に成長していくでしょう。

まとめ:日光と上手に付き合う!屋外で金魚やメダカを飼うためのポイント

日光と上手に付き合いながら、屋外で金魚やメダカを飼育するポイントをご紹介しました。

魚を飼育していると直射日光を避けがちですが、本来生き物が生きていく上で、太陽の光はとても大切な要素です。

日光は生き物にとっては必要なエネルギーを与えてくれる存在であり、また、その殺菌効果により、病気にもかかりにくくなります。

本来の自然のサイクルを味わうことのできる屋外飼育は、自然を学ぶことにも繋がります。
子供たちと一緒に自然を感じながら、屋外飼育を楽しむのも良いですね!

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コメント

  1. アイス より:

    ずっと暗い場所で金魚を育てることは、よくないことですか。

    • 中島 より:

      日照や照明が足りないと、退色する原因になります。
      赤い金魚が白っぽくなったり、黒い金魚が薄オレンジになったりすることがあります。
      また、体長も控えめになると感じています。
      無くても飼育は可能ですが、あまりに暗い場合は、照明をつけてあげると良いですね。