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熱帯魚水槽レイアウトテクニック!アクアリウム初心者にプロが教えます!

熱帯魚専門店や水草に強いアクアリウムショップへ行くと、水草でレイアウトした美しい水槽がいくつも並んでいます。
そんな美しいレイアウト水槽を間近で見て、「よし! 自分の水槽のレイアウトにも取り込んでみよう♪」と感じ、スマホで写真を撮る方も多いかと思います。

しかし、いざ帰宅してから写真とにらめっこして真似してみるものの……
なかなか満足できる水槽レイアウトが出来ず、悩んだり諦めたりしてしまう場合も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、誰でも簡単に美しいレイアウトができるプロのテクニックをお伝えしたいと思います。
このテクニックを押さえるだけで、すっきりとした水槽のレイアウトを作ることができるようになりますよ。

水槽レイアウトとは

水槽レイアウトとは、誤解を恐れずにざっくりというなら「水槽を美しく見せる構図」のことです。水槽レイアウト構図ともいい、主に3つの構図があります。

  • 三角構図
  • 凸型構図
  • 凹型構図

何となく、名前を聞くだけでもどんな構図がイメージができそうですよね。
それでは、各構図の特徴を写真付きで紹介していきます。

三角構図

写真の通り、水槽の中でレイアウトが三角形になるように、水草や流木、石などを配置した構図です。右寄せでも左寄せでも大丈夫です。

3つある構図の中で、最も簡単にできる水槽レイアウトと言われています。そのため、一番初めに水槽レイアウトへ挑戦する人は三角構図をオススメします。

なお、この水槽レイアウトのコツは「レイアウトの高い部分と低い部分を極端にすること」です。一番高い部分は水面ギリギリまた高くし、一番低い部分は底砂すれすれまで低くします。前景草でも特に背が高くならない水草を選定して配置しましょう。

そうすることで、美しい水槽三角構図レイアウトが完成します。

凸型構図


凸型構図は、3つの中で一番観賞する機会が少ない、つまりこのレイアウトを実施する人が少ないレイアウトです。その理由は簡単で、最も難しいレイアウトと言われているからです。

真ん中を高く際立たせる必要があるため、こまめに水草をトリミングしなければなりませんし、給排水パイプなどの人工物を隠すのも少し厄介だったりします。また、トリミングを怠ると水槽背面全てに高さが出てしまい、レイアウトのバランスが悪くなってしまう難しさもあります。

なので、手を抜くことができないレイアウトとも言えます。それだけ、凸型構図を採用している美しい水槽は、管理者の手間がかかっている水槽という捉え方ができます。

なお、水槽とは関係ないですが……富士山は凸型構図ですよね。(黄金比などの難しい話は、後に回すとして)富士山が美しい理由が分かる気がしませんか?

凹型構図


筆者が最もオススメなレイアウト構図、それが凹型構図です。これは、水槽の両端に水草を植栽し水槽中央には何も植栽しないレイアウト、または植栽しても前景草の背が高くならないレイアウトです。

この凹型構図のポイントは2点。

  1. 水槽両端と中央の差にメリハリをつける。
  2. 左右のボリュームバランスは、6:4(黄金比/正確には1.618:1)にする。

――以上を守ることです。

水槽両端にボリュームを付けることは、奥行き感を演出してくれます。また、水槽両端のボリュームバランスを6:4にすることで、水槽のレイアウトに深みが出てくれます。

ちなみに黄金比とは、自然物だとしても人工物だとしても、この比率になることで「最も美しく見える構図」だと言われています。植物の葉っぱ(葉脈)の成長の仕方や幾何学模様などにもよく出てくる他、正五角形や五芒星も黄金比が見られます。写真の構図にもよく使われており、三分割構図とか黄金分割点などという概念があります。

この黄金比は「人間が本能的に美しいと感じるレイアウトの比率」なので、水槽レイアウトに迷ったら凹構図をオススメします!

構図のまとめ

ここで紹介した3つの構図がきっちり守られているレイアウトは、そのどれもがプロらしいレイアウトに見えます。この構図を押さえることで、水槽レイアウトの骨格の作り方もスムーズに行うことができるはずです。

また、水槽のレイアウトは、写真で使われる構図も参考になります。どちらも同じ「横長の四角の中で世界を表現する趣味」になりますので。(余談ですが、写真の構図の取り方が上手い人は、水草のレイアウトの構図も上手です!)

ここまでを踏まえて、ぜひ、3つの構図にチャレンジしてみて下さい。

水槽内の配色について


構図が決まったら、次は水槽内の配色について考えていきたいと思います。

水槽内の配色は、水槽を美しく演出するためにはとても重要です。なお、水草水槽における配色には大きく分けて2つあります。

  1. 緑色系水草だけの明暗による配色
  2. 緑色と赤色を混ぜ合わせた配色

そして、これらの配色に「流木や石の色」がアクセントとして加わります。

流木だけでも「白色、茶色、焦げ茶色、黒色」がありますし、石の色については「白、灰色、茶色、赤茶色、青っぽい灰色、黄色etc……」石の種類(砂岩、溶岩、木化石、その他)によって無数の表現があります。

このことを考えると、水草レイアウト水槽の色の配色は、無限の可能性と美しさを秘めていると言えるでしょう。

緑色系水草だけの明暗配色

それでは、話を水草に戻して考えていきます。

水草の主色は緑色です。しかし、同じ緑色の中でも「明るい緑」や「深い緑」があることに、水草を見ていると気付けます。

たとえば、ウィローモスという水草は深緑色と暗い色をしておりますが、ハイグロフィラ・ポリスペルマという水草は明るい黄緑色をしています。

ウィローモス(暗い色)

ハイグロフィラ・ポリスペルマ(明るい色)

このことを活かして、「明暗がはっきりある水草を隣同士並べる」または「水槽を半分に分けて左は暗い水草、右手は明るい水草と分ける」ことで、緑系水草だけでも見栄えのある美しい水草レイアウト水槽を作り上げることができます

緑色と赤色を混ぜ合わせた配色

なお、こっちは応用編になるのですが――緑色が主色となる中に赤系の水草を入れることで、より華やかで美しい水草レイアウト水槽を作ることが可能になります。

赤系水草の代表的な種類のレインキー

しかし、華やかになるからといって赤系を多用すると、配色バランスが崩れてしまい逆効果となってしまいますので注意が必要です。我々プロでも赤色水草を使用する時は、使用量に気を付けます

では、どのくらいの割合が適切なのでしょうか?

それは、水草全体の30パーセント程度を、赤色で配色することが最も配色バランスが良いとされています。まずは慣れるまで、配色割合を守って水草選定をしてみましょう。

なお、水槽中央の重心がかかる位置に赤色を差し込むとバランスが取れます。赤色をどこに植栽するかで、水槽のバランスに良し悪しの変化が起こりますから、注意が必要です。水草の配色はとても大切で繊細なのです。

(↓こちらの記事も参考にしてみて下さい)

レイアウトを引き締める石や流木の選び方

石や流木は色々な種類があります

石ならば――木化石や橙層石、清流石、溶岩石、雲霧石、川で拾える色々な色の石まで。流木ならば――白い色の流木やマングローブの茶色の流木、黒に限りなく近い色の流木もあります。

基本的に1つの水槽に対し、複数の流木や石を使用することが多いのですが、ここで大事なポイントがあります。それは、複数の素材を使用する時には、色味や種類を統一することです。つまり、原則として同じ種類で同色ものを使用してください。それにより統一感が生まれ、水槽内のレイアウトが一気に引き締まります。

また、石や流木を複数選ぶ時の形状は、大小様々な種類を使用することをオススメします。それにより水槽内に立体感が生まれ、より自然なレイアウトを演出することが可能になります。

(↓こちらの記事も参考にしてみて下さい)

奥行きの演出方法について


最初の方の構図の話では、「水槽中央を吹き抜けにすることで奥行きを演出できる」と紹介しました。ここで、もう1つ奥行き感を演出する技がありますので、紹介したいと思います。

その技とは砂に傾斜をつけることです。具体的には、前面を低くし背面に向かい傾斜をつけて高くするだけで奥行き感を作ることが出来ます。

「……たったこれだけ?」

と、思うかもしれませんが、これだけです。でも、非常に簡単かつ効果的な技ですので、是非、実践してみて下さい。

また、応用技として「中央だけ凹状にする」「凸凹を付ける」という方法を使うことで、水槽内のレイアウトに変化を付けることができます。色々と試してみて下さいね。

水槽内の人工物について

水槽内には、人工物であるろ過機やヒーターなど、水槽運用に必要な機材をどうしても複数設置する必要があります。当然ですが、自然界を再現するにあたり、人工物が見えるだけで一気に不自然に見えてしまう問題が発生してしまいます。

そのため、我々プロも含めて美しいレイアウト水槽を作る人間は、意図的に人工物が極力見えない様に工夫します。なぜなら、水槽のレイアウトが上手な人は、人工物が見えないだけで一気に水槽レイアウトが美しく見えることを知っているからです。

まずは、↓こちらの写真を見てみて下さい。人工物が思いっきり見えていますよね?

↓次に、こちら。水槽内の人工物を極力隠した写真を見てみて下さい。

比較すると良く分かりますよね。左奥のヒーターやストレーナーが隠れています。

このように、人工物を隠すだけで水槽のレイアウトは格段に良く見えるのです。水槽内の人工物は左右のどちらかに寄せて、しっかり隠しましょう!

※余談ですが、ADAなどが主催している水草のレイアウトコンテストに写真を出品する場合には、水槽内の人工物(給排水パイプやヒーターなど)は完全に取り出してから写真の撮影をします。これらの人工物が写りこんでいるだけで減点対象になりますから、いつか水草レイアウトのコンテストに出品してみたい方は、ぜひ覚えておきましょう!

基本を押さえつつ、個性を活かして水槽のレイアウトを作る!

ここまで、水槽のレイアウトの基本について紹介しました。

ここで振り返りという意味で、熱帯魚の専門店などで美しいと感じる水槽レイアウトを思い出してみて下さい。きっと、今回紹介した水槽レイアウトのポイントが守られていることが発見できると思います。

そして、基本に忠実な水槽のレイアウトが出来るようになったら、今度は自分自身の個性を取り込んだ水槽レイアウトを作ってみて下さい。

個性を出すとは?

ネイチャーアクアリウムとは

さて、ここで個性を出すとはどんなことなのか考えてみたいと思います。

  • ごちゃごちゃ混ぜるだけの構図は、個性と言うでしょうか?
  • 規則性がある中で、少し崩すのは個性と言うでしょうか?
  • テンプレ的な定番のレイアウトは個性と言えるでしょうか?
  • 人工物を使った表現は、個性と言えるでしょうか?

色々と考えると(かなり、私の主観が入りますが)――

  1. 基礎となるルールを守った上で、
  2. 「自分がこうしたい」という意図を持って、
  3. オリジナルの表現にチャレンジしてみること。
    ――が、個性を出すということなのかなと感じます。

もちろん、「どこまで基礎を残すか?」という課題が、この考え方には付きまといます。

完全に基礎から外れた「例えるならば前衛芸術みたいな表現」も有りですし、逆に「ガチガチになるくらい、基礎に忠実すぎる古典的とも言える表現」すらも、突き詰めるとオリジナリティーが見えてくると言えますから。

いずれにしても、水槽のレイアウトを悩む時間は苦しくもありつつ、とても楽しいひと時なのは間違いありません。本当に、ADAを創った故・天野尚氏の「自然を作るのは究極のぜいたく」という言葉には、深く共感してしまいます。

参考にするのは、自然の風景

自然の中に行くことで、「自然の配置」というものが見えてきます。

川沿いを歩けば水の流れを感じられますし、大雨などで運搬された石や岩の配置を知ることも出来ます。水の中を覗けば、大小様々な石の配置を学ぶことができますし、水草の自然な生え方も知ることができるでしょう。

他にも、水槽の中に苔むした森を再現したい場合には、岩場の苔の生え方を学ぶことが欠かせませんし、山を眺めるだけでも自然の中の配色を学ぶことができます。

ぜひ、休日は自然の中に出かけてみて下さい。

日本人らしい、わびさびの心も取り入れよう

わびさびという言葉は、日本人の文化として、心の中に息づいています。

身近な神社やお寺、古い建物などを見て回るだけでも、枯れた美しさを感じることができます。

水槽の中に枯山水を再現するのも楽しいですが、その概念である「空間を楽しむ」「足りないことを楽しむ」という考え方を活かしてみるのも、個性を出すには有効だと私は思います。

ポップなレイアウトはいけないの?

一方で、カラフルな人工物を水槽のレイアウトの前面に出すことは「個性がある」と言えるのでしょうか? 少し前までは、私は水槽内の人工物には批判的な考え方を持っていたのですが――最近では、「それも1つの表現として、有り」だと思うようになりました。

↓下の写真を見てみて下さい。

いかがでしょうか? これはコレとして個性的で綺麗だと思いませんか? 1つの表現方法として、これからもどんどん発展していって欲しいなと、私は感じます。

おわりに/構図と素材を使い分ければ、水槽のレイアウトは無限大

最後にまとめです。「美しい水槽のレイアウトには、センスが必要」という言葉は間違っていません。(正直、私もセンスが欲しいなと思う人間です)

しかし、センスがないという言葉で立ち止まってしまったら、そこで試合は終了(?)です。

誰かが言っていましたが「センスは磨くもの」です。基本を押さえながら、他の人の上手なレイアウトも参考にしつつ、失敗を恐れずに自分の個性も混ぜてみる――最初は「混ぜるな危険」の臭いがプンプンするかもしれませんが、失敗する中で振り返りつつ、経験値を積むことで自分らしさを表現できるようになります

水草の種類、中に入れる生き物、流木や石といった素材まで。水槽のレイアウトでは、無限の組み合わせがあなたを待っていますよ♪

(↓水槽のレイアウトをもっと沢山見たい&知りたい方はこちらも見てみて下さい)

熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
よろしくお願いいたします!

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