金魚は、ホームセンターやお祭りの金魚すくいなどでも手に入るとても身近な生き物です。
飼育している人も多いですが、しかし、金魚以外の生き物と一緒に飼育しているという方は案外少なかったりします。実はそれには理由があるのです。
丈夫でのんびりとしているように見える金魚は、他の生き物と一緒に飼うことも簡単そうに思えるかもしれません。
しかし、金魚は食欲旺盛な雑食性で体が大きく成長する上に、力も強いため混泳には注意する必要があるのです。
金魚と混泳ができる生き物は主に4種類。
- ドジョウ
- ヤマトヌマエビ
- 石巻貝
- 一部の熱帯魚
が挙げられます。
今回は、金魚と混泳できる生き物について、混泳する際の注意点などを交えて解説していきます。金魚同士の混泳についても触れていますので、金魚と混泳をしてみたい方は是非参考にしてみてください。
金魚と混泳できる生き物を動画で見る!
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金魚は他の生き物と混泳できるの?
金魚は丈夫で温和な性格なので混泳も成功しやすいと思われる方もいるでしょう。
同じ種類の金魚同士ならば混泳は十分可能ですが、しかし、他の生き物との混泳となると話が変わります。金魚は、実はとても混泳の難しい魚といわれているのです。
理由はいくつかあります。
まず、金魚はとても食欲旺盛な魚で、しかも雑食性のため口に入る物ならば何でも食べてしまう傾向にあります。その食欲は、砂や小石についたコケを食べるために、それらを口に入れてしまうこともあるほど。
とりあえず口に入る物は一回入れてみる!という性格の魚なので、メダカなどの小さな魚やエビはもちろん、ときには硬い殻に覆われた貝なども器用につついて食べてしまうのです。
また、よく食べるのと同時に糞をたくさんするため、水を汚しやすいのも他の生き物との混泳を難しくしている原因の一つと考えられます。
そしてもう一点、金魚はとても大きく成長します。
飼育を始めたときは小さな金魚鉢の中をスイスイ泳いでいた金魚が、あっという間に鯉と見間違うくらいのサイズになっていた!なんてことも少なくありません。
金魚が小さなうちは混泳がうまくいっていたとしても、金魚が大きくなるに従い難しくなっていくことも多いのです。
金魚と混泳させたい!成功のコツは?
こうやって聞くと混泳できない魚と思われるかもしれませんね。しかし、まったく混泳できないというわけではありません。
金魚との混泳を成功させるコツは、住処と大きさにあります。
まず、金魚との混泳相手を選ぶ際には住処に注目しましょう。
金魚は上層~中層を住処としその空間を泳ぎ回る魚です。そのため、水槽の低層を住処とする生き物とならば、居住域が被らずに混泳がうまくいくケースが多いです。低層を泳ぐ生き物の中には砂の中などを掃除してくれる生き物もいますから、水を汚しやすい金魚の水槽をお掃除してくれる係としても期待ができますね。
また、金魚は自分の口より小さな生き物は食べてしまいますが、逆をいえば大きな物は食べることができません。肉食性でなく金魚のストレスにならない程度に大きな生き物とであれば、混泳することができるでしょう。
いずれにしても混泳させるときには、仲良く暮らせているか水槽の中の様子をよく観察し、異変があったらすぐに水槽を分けるなどの対策を行ってください。
金魚と一緒に飼える生き物には何がいる?
それでは具体的に金魚と一緒に飼える生き物をご紹介していきましょう!
金魚の混泳についてはコチラの記事も参考にしてください。
日本の川にいる生き物
金魚は元々はフナの改良品種ですので、日本の川に生息している生き物ならば金魚と生息環境が似ており、特にヒーターなどを使わなくても金魚と同じ水槽で飼育することができます。
熱帯魚などの外国の魚と比べると金魚と混泳させるハードルは低めですので、初めて金魚と混泳させるときなどにおすすめです。
ドジョウ
金魚と混泳できる生き物として、まずおすすめしたいのがドジョウです!
そんな、いかにもダサい魚嫌だ!と思われるかもしれませんが、実はドジョウにもシマシマ模様や白色などの水槽映えする体色をしたものがいるので、決してダサい魚ではありません。顔も愛嬌のある顔立ちで、よく見るととても可愛い魚です。
なぜ金魚の混泳相手にドジョウがおすすめなのかというと、そこにはちゃんとした理由があります。
- 遊泳域がちがう
ドジョウは水槽の低層を生息域とする魚で、砂の中などに潜って生活しています。水槽の上層~中層を泳ぐ金魚とは生活するスペースが異なるため、出くわす回数が少なく喧嘩になることもありません。 - ドジョウは泳ぐスピードが速い
ゆったりのそのそしてるイメージがあるドジョウですが、意外にも素早く泳ぐ生き物です。もし、金魚にちょっかいを出されてもすぐに逃げることができます。 - 砂の中に潜って隠れる
ドジョウは砂の中に潜っていることが多いので、金魚にちょっかいを掛けられることが少なくてすみますし、何かあっても砂の中に隠れることができます。
これらの点から、金魚とドジョウは相性が良く、同じ水槽で飼育しても問題が起こりづらいのです。
ただし、ドジョウな中にも気性の荒い種類がいます。よく販売されている中でならば、ホトケドジョウが気性が荒く肉食性が強いため、逆に金魚が襲われてしまう可能性があるので注意が必要です。
ホトケドジョウとの混泳を考えるならば、ホトケドジョウによく餌を行き渡らせること、金魚がある程度の大きさに成長していることの2点を守ることで、比較的混泳が成功しやすいとされています。また、金魚が襲われていないか注意深く観察することも大切です。
ドジョウについてはコチラの記事も参考にしてください。
フナ
日本の川でよく見かける魚といえばフナを思い浮かべる方も多いと思いますが、フナも金魚と混泳が可能な魚です。
生息域は金魚と同じ上層~中層ですが、金魚はフナの仲間なので相性は悪くありませんし、餌も金魚と同じ物を与えてよいため、混泳させやすいです。ただし、フナの中にはとても大きく成長してしまう種類がいるため、混泳させるならば金魚とのサイズ差に気を付けましょう。
金魚の混泳相手としてはキンブナやギンブナあたりがあまり大きくならず、手に入りやすいのでおすすめです。
また、フナは泳ぎの早い魚なので、泳ぎの遅い種類の金魚との混泳は控えたほうが良いです。フナと混泳させるならば金魚の中でも泳ぎの早い、和金やコメット、朱文金などの種類を選ぶようにしましょう。
ヤマトヌマエビ
コケや餌の食べ残しを食べてくれる、水槽のお掃除役として大人気なヤマトヌマエビ。あらゆる淡水魚のタンクメイトとして名前が挙がりますが、金魚とも混泳できる生き物です。
エビなんて金魚に食べられてしまいそうですよね。
実際に、金魚は底砂をパクパクとつついて餌を探す習性があり、その時に誤ってエビをパクっと食べてしてしまうことがあります。大きい金魚に小さなエビだと、まず間違いなく食べられてしまうでしょう。
しかし、ヤマトヌマエビは成長すると体長5cm程度になるため大きく成長した状態ならば金魚に食べられることなく共存できる可能性があります。
ヤマトヌマエビを購入する際には、できるだけ大きな個体を選ぶようにしましょう。
とはいえ、食べられてしまうことも当然ありますので、エビの数が極端に減っていくときは、金魚の餌を増やしたり混泳を中止したりするなどの対策をしてくださいね。
エビについてはコチラの記事も参考にしてください。
イシマキガイ
イシマキガイもヤマトヌマエビと同じく、コケ取り生体として水槽のお掃除役をしてくれる人気の生き物です。
基本的に水槽のガラス面や底をのそのそと這って暮らしているため、金魚と生息域が被らずに混泳することができます。貝類すらもつついて食べてしまう金魚ですが、イシマキガイならばある程度大きくなるため金魚に飲み込まれてしまう危険も少ないです。
また、貝類は水槽の中で繁殖してしまうことが多いのですが、イシマキガイは淡水では繁殖しない性質を持っているため、増えすぎた!ということが無い点もおすすめポイントといえるでしょう。
熱帯魚
熱帯魚の中にも金魚と混泳できる生き物がいます。
ただし、熱帯魚と金魚を混泳するときに必ず気を付けていただきたいのが水温です。熱帯魚はその名の通り元々は暖かい地域に生息する生き物なので、日本の四季による温度変化には対応できません。
金魚だけ飼育している水槽だとヒーターを設置していないことも多いと思いますが、熱帯魚を飼育するならばヒーターを必ず設置し、一年を通して一定の水温を保てるよう配慮してあげてください。
プレコ
プレコはアマゾン川を中心とした南米に広く生息する、ナマズの仲間です。ちょっとイカツイ見た目が印象的ですよね。
中でもブッシープレコは、コケを食べるためコケ取り生体として導入されることがあります。それ以外の種類も独特の風貌から人気の高い熱帯魚です。
プレコは種類がとても豊富で、小さなものは10cm程度ですが、大きくなる種類だと体長1mを超す個体もいます。金魚と混泳させるならばブッシープレコやタイガープレコなどの小型の種類を選びましょう。
プレコについてはコチラの記事も参考にしてください。
クーリーローチ
クーリーローチは東南アジアに生息する、ドジョウの仲間です。黄色と茶色のシマシマ模様がとてもオシャレで目を引きますね!
体長は最大で10cm程度に成長する雑食性の熱帯魚で、水槽の底に沈んだ餌の食べ残しなどを食べてくれるクリーナー生体としても人気があります。
日本に住むドジョウと同じく、普段は水槽の低層で砂の中や物陰に隠れて暮らしているため、金魚とも上手く棲み分けて混泳することができるでしょう。
丈夫で水質の変化に強いので、水を汚しやすい金魚の水槽の中でも体調を崩しずらいという点もおすすめのポイントです。
クーリーローチについてはコチラの記事も参考にしてください。
クラウンローチ
クラウンローチもクーリーローチと同じく東南アジア出身のドジョウの仲間に分類されます。ドジョウには見えないずんぐりむっくりとした愛嬌のあるフォルムと、オレンジと黒のストライプ模様が特徴です。
水槽の中では、低層域を生活圏としているため金魚とトラブルを起こすことが少ないので、金魚水槽の中でも上手に暮らしていくことができるでしょう。
ただし、クラウンローチは少々気性が荒い所があるので、相性次第で金魚が攻撃されてしまうことがあります。こればかりは、それぞれの個体の性格によるものなので、様子を見て金魚がいじめられているようであれば、混泳を中止してください。
ちなみに、クラウンローチは横たわって眠るという変わった習性を持っており、水槽の中でも時折底で横たわる姿を見ることができます。決して死んでいるわけではないのでご安心ください。
コリドラス
コリドラスは南米に生息する熱帯魚でナマズの仲間です。水槽の底をつついて餌の食べ残しなどを食べてくれることから、クリーナー生体としてもよく飼育されています。
丈夫で飼育がしやすく、また種類が豊富でコレクション性も高いことから、愛好家が多い人気の熱帯魚です。
コリドラスも水槽の低層にいることが多い魚なので、金魚と干渉せずに問題なく混泳できることが多いです。
しかし、金魚のサイズが大きすぎるとコリドラスが攻撃されてしまうことがあるので、混泳するときには必ずコリドラス用の隠れ家を用意してあげてください。
また、コリドラスのヒゲには毒がありますので、なるべく金魚と過干渉にならないよう、レイアウトを工夫してあげると良いでしょう。
コリドラスについてはコチラの記事も参考にしてください。
金魚同士の混泳はできる?泳ぎの速さで相手を選ぼう!
金魚と混泳できる生き物をご紹介してきましたが、金魚ではない生き物との混泳は正直難しいことが多いのも事実です。
でも、金魚一種類だけでは水槽が寂しい…金魚を増やしたい!と思う方もいるでしょう。同じ金魚同士なら問題ないと思われることも多いと思います。では、金魚同士の混泳はうまくいくのかというと、こちらも少し気を付けなければなりません。
まず、同じ種類…和金ならば和金同士…ならば基本的に問題なく混泳させることができます。
金魚は複数匹いれば群れて泳ぐこともあるため、同じ種類ならば複数匹で飼育した方が良い場合も多いです。
しかし、別の種類同士となると話が変わります。
特に、泳ぎの早いスリムな金魚(和金、コメットなど)と泳ぎのゆったりとした丸い金魚(琉金や出目金など)のように泳ぎのうまさや体型が異なる場合は、混泳させても泳ぎの遅い金魚がいじめられてしまったりして、うまくいかないことが多いです。
金魚同士の混泳を成功させるには、体形や泳ぎの速さが似ている種類同士を選ぶということがポイントになります。
また、どの金魚でも混泳できるわけではありません。金魚の中でもランチュウやピンポンパールなどの特殊な金魚は、他の種類の金魚との混泳がとても難しいです。これらの金魚は同種との混泳のみにとどめるようにしてください。
金魚の相性についてはコチラの記事も参考にしてください。
金魚の種類についてはコチラの記事も参考にしてください。
金魚ってどうやって飼うのが正しいの?
縁日の金魚釣りで金魚を釣ってきたはいいけれど正しい飼い方がわからない、という方は意外に多いです。
金魚は丈夫なので、なんとなく適当に飼育していても案外生きのびてしまうこともあるかもしれません。
でもせっかく金魚を飼育するならば、快適な環境で長生きをしてもらいたいですよね。
そこで、金魚の基本的な飼育方法について簡単に確認していきましょう。
金魚の飼育方法についてはコチラの記事も参考にしてください。
金魚を飼育するのに必要な物
金魚を飼育するのに最低限用意しておきたい物には、以下が挙げられます。
- 水槽
- カルキ抜き
- 餌
- 水換え用品
- 照明
- フィルター、エアレーション
意外と必要な物がたくさんありますね。個別に用意するのが大変なときは飼育セットを購入してしまうのも一つの手です。必要な物を一度に揃えることができますよ。
金魚飼育セットについてはコチラの記事も参考にしてください。
また、水草や底砂を金魚水槽に入れている方もいますが、これらは金魚を飼育するのに必須というわけではありませんので、無くても飼育することができます。
金魚の飼育に必要な設備についてはコチラの記事も参考にしてください。
水槽の選び方
金魚といえば金魚鉢!といきたいところですが、実は金魚鉢で金魚を飼育するのは難しいです。
金魚は大食漢な分、糞も多い魚で水を汚しやすいため、金魚鉢のような小さな器だとすぐに水が汚れてしまいます。
汚れた水は金魚が体調を崩す原因になりますが、だからといって毎日水を換えるのは金魚にも飼い主にも大きな負担になってしまいます。
金魚を飼育するならば、最低でも45cm程度の水槽を用意してあげましょう。
水槽の大きさは飼育する金魚の数によって変わります。たくさんの金魚を飼育するならば大きな水槽が必要になりますので、飼育数に合った水槽を使うようにしてください。
水槽の選び方についてはコチラの記事も参考にしてください。
過密飼育についてはコチラの記事も参考にしてください。
水槽の水の換え方
水槽の水は基本的に1週間に一回、1/3程度の水の量を目安に交換します。
しかしこれはあくまで目安ですので水換えの頻度は、飼育している生体の数や飼育容器のサイズ(水量)、水槽の設置環境によって変わります。
特に屋外飼育ではグリーンウォーター化したりコケや藻が生えやすいため、水換え頻度が異なります。自分の水槽に合った最適な頻度を見つけていきましょう。
屋外での飼育についてはコチラの記事も参考にしてください。
水換えのときに金魚を別の容器に移す方もいますが、通常の水換えであれば金魚は水槽の中に入れたままで作業をして大丈夫です。捕まえようと金魚を追い回すと、金魚にストレスを与えたり怪我をさせてしまったりするので、むしろ水槽に入れたままの方が安全です。
また、水槽に入れる新しい水は必ずカルキ抜きした水道水を使用してください。
金魚水槽の掃除についてはコチラの記事も参考にしてください。
餌の上げ方
餌は、1日1~2回1分程度で食べ終える量を与えます。
餌の回数は金魚の活動量に応じて変える必要があり、活発に動き回る春~秋には2~3回程度、活動の鈍る冬には餌を減らし数日に1度でも構わないこともあります。
金魚の様子を見ながら適量を与えてください。
金魚は大食漢で餌があればあっただけ食べてしまう魚です。しかし、食べ過ぎは消化不良を引き起こし病気の原因になってしまうこともあります。
欲しがるからといって餌のあげ過ぎにはくれぐれも注意してください。
金魚の消化不良についてはコチラの記事も参考にしてください。
餌の種類は金魚専用のフードを中心に、アカムシなどの活餌も与えていくと立派な金魚に成長します!
金魚の餌についてはコチラの記事も参考にしてください。
金魚と他の魚や生き物との混泳を楽しもう!
金魚は育て方によってはとても大きく成長する魚です。うまく育てれば体長30センチ近くになることもあり、合わせて口もどんどん大きくなるでしょう。
口の大きさが変われば、それまで食べれなかった混泳相手を襲ってしまうこともあるかもしれません。
金魚と他の生き物と混泳させるときには、注意深く水槽の中を観察し異変が無いか確認するようにしてください。
金魚と他の魚との混泳は、金魚の性質からやや難しく感じることも多いです。
もし無理だと感じたならば、潔く混泳を中止しすることも大切です。
金魚はとても長生きな魚です。長く健康にそして大切に飼育してあげてくださいね!

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