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冬場の熱帯魚水槽の管理には、ヒーターが必需品です!

冬場の水槽にはヒーターが欠かせません。熱帯魚の水槽はもちろん、金魚やメダカの水槽にもヒーターを設置することで、魚が死亡したり病気になったりするリスクを減らすことができます。

その一方で、冬場のヒーターで悩ましいのは「電気代」と「万が一の故障」だと思います。お住いの地域や設置場所にもよりますが、60cm水槽1本分のヒーターの電気代は毎月1000~2000円程と言われています。水槽の本数が多くなると、電気代がちょっと痛いです。

そこで今回は、「水槽用のヒーターについて学ぶ」をテーマに、冬場のヒーターについて色々と考えていきたいと思います。

冬場の水槽用ヒーターの簡単な歴史

熱帯魚に使用するヒーターの歴史は、1851年のヨーロッパ(ロンドン万国博覧会)頃に遡ります。

その当時、海を渡って南米などからカラフルな熱帯魚がやって来ますが、冬になると当然のように死んでしまいます。それを防ぐために、「水槽のある部屋ごと暖炉で温める」「水槽の底を金属製にして、ろうそくの炎などで温める」という方法が採用されました。水槽の温度を管理するためだけに、人を雇っていたという記録も残っているそうです。

そんな一部のお金持ちや研究者だけが楽しめた熱帯魚ですが、本当の意味で一般に普及したと言えるのは「バイメタル式サーモスタット」という「温度差による金属の伸縮率の差を利用したサーモスタット」が登場してからです。しかし、このバイメタル式サーモスタットは長期間使用しているとON&OFFの接点となる金属がくっついてしまい「通電しっぱなしになる」というデメリットを持っていました。

そして、その問題点を改良したのが、現在も使用されている「電子式サーモスタット」です。ただし、この電子式サーモスタットも通電のON&OFFを頻繁に繰り替えす性質から、他の電化製品に比べて寿命はあまり長くはありません。近年では2年保証がついている製品もありますが、もう少し長く使える製品が販売されるのが、個人的には待ち遠しいです。

冬場の水槽用ヒーターで火災が起こるって本当?

これは私の実体験なのですが、熱帯魚を飼い始める前に「地震などで水槽が割れたら、ヒーターで火災が起きるかも?」と少し不安でした。私と同じようなことを感じた(あるいは感じている)方もいらっしゃるのではないでしょうか?

でも、安心して下さい。現在、日本で販売されている水槽用ヒーターには標準で「空焚き防止」の安全装置がつけられています。万が一、コードをひっかけて水槽から飛び出してしまったり、水漏れなどで水槽の水がなくなったりしても、この安全装置が働くことでヒーターの電気が遮断されて、加熱しなくなります。

なお、「統一基準規格(SH規格)/」で安全基準が決まっていますので、興味がある方はWEB検索してみて下さい♪

冬場の水槽用ヒーターの故障と寿命

5年くらい前までは、一般的に水槽用ヒーターの寿命は1年~2年が当たり前でした。1シーズン使用するのは大丈夫なのですが「翌年に通電チェックをしたら壊れている」ということが普通だったのです。私も学生でお金がなかった頃には、3年目になったヒーターを「いつ壊れるのか?」と思いながら冷や冷やして使った記憶があります。

しかし、最近のヒーターは壊れにくい製品がたくさん出ています。普通に2年保証をつけている製品(GEXの一部ヒーターなど)もありますので、おすすめです。

なお、ヒーターの故障は、「通電しない」もしくは「通電しっぱなしになる」のどちらかがほとんどです。(稀に「ついたり消えたりする」こともありますが、それにはなかなか気づきにくいと思います。そういう症状が出たヒーターは、最終的には上のどちらかになってしまうことが多いですが……)

ちなみに、故障しているか否かは「バケツなどにヒーターを入れて、正常に作動するかチェックする」だけで簡単に確認できます。

正常に通電する場合なら、サーモスタットの目盛りを回せば「ランプが光る」&「ヒーターの周囲にもやが出る」ことで分かります。通電しっぱなしになる場合には、水温よりも高い温度にサーモスタットを調整してもヒーターが作動しっぱなしになるので気付きますし、通電しない場合には「そもそもランプが付かない」or「ヒーターの周囲にもやが出ない」ので分かります。

なお、冬場のヒーターは水槽で使用している時に突然壊れることもあります。対策としては、ヒーターが壊れた時にすぐに気付けるように「水温のチェックは毎日する」ように習慣化しておくことが大切です。

冬場の水槽用ヒーターを使う時の注意点

ここからは、水槽用ヒーターを使うときの注意点について考えていきたいと思います。

意外と意識していないと「間違ってやってしまう」こともありますので、再確認の意味を含めてチェックしてみて下さい。

適合する水槽サイズに注意

60cm水槽に30cm未満の水槽用のヒーターを設置したらどうなるでしょうか? あるいは、30cm水槽に90cm用のヒーターを設置したらどうなるでしょうか?

その答えは「水温が安定しないで、魚に負担がかかる」です。ヒーターの出力が足りない場合には水温が低いままですし、ヒーターの出力が大きすぎる場合には、サーモスタットが作動するまでに加熱しすぎることになってしまいます。

コンセントのタコ足配線は厳禁

水槽周りにはフィルターや照明などのコンセントが多く集まりがちです。ただでさえタコ足配線になりがちなのですが、そこに消費電力の大きなヒーターが加わると……最悪、コンセントに大きな負荷がかかってしまい、火災の原因となります。複数の水槽を維持している方は、特に注意が必要です。

対策としては、ヒーターをつなぐコンセントを分散して、タコ足配線を防ぐことです。水槽の本数が多い人は、エアコンなどで管理するのも一つの手段として覚えておいても損はありません。地域にもよりますが「5本以上の水槽を維持する場合」には、ヒーターとエアコンの電気代にさほど差が出ないようですから。

水滴が掛からない場所にコンセントやサーモスタットは配置しましょう

これは照明などにも言えることですが、コンセントや電子部品が入っている機器には水滴がかからないように注意しましょう。特にエアポンプを使用しているときには、エアーの飛沫が飛ぶことがあるので注意しておいて下さい。

ブレーカーが落ちないように注意する

ヒーターは消費電力がそれなりに大きいですから、複数の水槽に設置するなど、場合によってはブレーカーが落ちることがあります。PC作業中に落ちると悲惨な目に合います(体験談)ので、食事の準備時やドライヤーを家族が使う時には節電を意識しておきましょう。

どうしてもブレーカーが繰り返し落ちてしまう場合には、電力会社に連絡を入れて「契約アンペア数」を上げてもらうのも一つの手段です。そうすることで、電気代の基本料金は上がりますが、安心して電化製品を使用することができます。

おわりに/冬場の水槽管理にヒーターは必需品です!

さて、ここまで水槽用のヒーターについて考えてきました。アクアリウムという趣味が「一部のお金持ちや研究者の特権」から一般の人にも広く普及することができた要因の一つには、間違いなくヒーターの進歩と低価格化と安全性の向上があげられます。

年々進歩している、冬場の水槽に必需品のヒーター。こらからも正しく使って、毎日のアクアリウムを楽しみましょう!