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海水魚水槽の中に水流ポンプを入れて最適な水流を作ろう!

川と海では大きく水流が異なります。

川は上流から下流まで、単一方向で水流が流れていることに対し、海は強弱が付いたランダムな水流が流れています。

そのため、海水魚水槽を設置する上では水槽内にランダムな水流を作る必要があります。

しかし、ランダムな水流を作るには何よりも経験が必要です。

水槽サイズに対して、水流ポンプや水流の向きを考えることは勿論ですが、水槽内をレイアウトする際も、水流を考慮して構成する必要があるからです。

ベテランのアクアリストは水流にこだわる為、水槽の水流を見ただけで水槽のレベルが分かるものです。

そこで、わたしが考える海水魚にとって最適な水流が必要な理由と作り方について解説していきます!

海水魚における最適な水流の理由1 デトリタスの除去

デトリタスという言葉を聞いたことがありますか。

デトリタスとは、魚の残餌や糞、またはバクテリアなどの微生物の死骸のことを言います。

そして、ライブロックを使用し複雑なレイアウトする海水魚水槽では、止水域といって水槽内で水が停滞しデトリタスが溜まりやすくなる場所ができてしまいます。

デトリタスが溜まるとそこから、アンモニアなどの有害物が発生する温床となり、その結果水質が悪化し病気が発生しやすくなってしまうのです。

そこで水流ポンプの登場です。

ろ過器から排出される水流+水中ポンプの水流を使いランダムな水流を起こし水槽全体に淀みが出ない、つまりデトリタスが溜まらない様に循環させるのです。

デトリタスが溜まらない場所を作る=最適な水流を作るポイントの一つとなります。

海水魚における最適な水流の理由2 海水魚の健康維持

すべての海水魚にはやや強い水流が必要です。

その理由として、強制的に泳がせる必要があるからです。

強制的に泳がせてあげることで、魚は適度に疲労し空腹となり餌を食べます。

ここがとても大切な飼育につながるポイントです。

水槽の水が停滞しているような弱い水流ではデトリタスと溜まるし良くありませんし、かといって強すぎる水流は魚の体力を必要以上に奪うため良くありません。

魚を観察した時、気持ちよさそうに水流に乗って泳いでいる姿を目標にした水流を目指しましょう。

ただし例外もいるから要注意です。

例を上げると、最も有名なのはユウゼンというチョウチョウウオが代表的です。

他にもニザダイと言われるハギ類、そしてハナダイやハナゴイなどのドロップオフと言われる強い潮流があるところで生息している種です。

とくにユウゼンは日本が誇る固有種で主に小笠原諸島に生息しています。

このユウゼンは小笠原に流れる激しい潮流で有名な黒潮に乗り、凄まじい勢いで泳いでいます。

そのために、水槽内で強い水流を再現できなければたちまち調子を崩し、抵抗力が落ち結果として寄生虫が付着しやすいように感じます。

もしかしたら、自然界の激しい水流場所では寄生虫自身が付着することが難しいという理由かもしれませんが、結果としてユウゼンはパワフルな水流で管理してあげると結果が良いです。

つまり、海水魚飼育のポイントとして、自然界での生息状況を意識して水槽機材をセッティングすることは大変重要です。

上記種類を含む流れが強い種を飼育する際は、生息地を参考にした水流を意識してセットしましょう。

海水魚における最適な水流の理由3 サンゴの健康維持

※写真はサンゴ飼育難易度が最も高いと言われるミドリイシの仲間で飼育下5年を超えた個体。

サンゴ水槽を上手に管理する上で大切なのは、光、水質、水流の3つが重要と言われています。もちろん、わたしもその通りだとおもいます。

サンゴ水槽に水流が必要な理由は主に2つあります。

  1. サンゴの隙間に溜まるデトリタスの除去
  2. サンゴに生えるコケの除去

はじめに、サンゴの隙間に溜まるデトリタスの除去ですが、ほとんどのサンゴは自ら動くことができないためサンゴの隙間に溜まるデトリタスは水流で吹き飛ばす以外除去できません。

SPSと言われるミドリイシ類はとくに敏感で、デトリタスが少しでも溜まるとそこから衰弱し白化現象を起こしてしまいます。

またらスターポリプというサンゴは、デトリタスが溜まることでポリプを出しづらくなりどんどん衰弱してしまいます。

つぎに、サンゴに生えるコケを除去する理由ですが、簡単に言いますと健康なサンゴはコケに勝ちます。

 

サンゴは健康維持のために粘液を分泌して汚れやコケを取り除いたり、余分な褐虫藻を吐き出すという一連の流れがあります。

しかし、十分な水流がないと分泌した粘液がいつまでもサンゴに付着したままとなり、やがて窒息してしまうのです。

これが、サンゴに水流が必要と言われる理由です。

ただし、一部例外なサンゴも存在します。

※写真はアザミハナガタサンゴ

それは、アザミハナガタサンゴやバブルコーラルなどの共肉が大きいものです。

この手のサンゴは水流が強すぎるとサンゴの共肉が剥がれてしまい死んでしまいます。

そのため、水槽内でもなるべく水流が緩やかな場所へ配置しましょう。

つぎは、最適な水流の作り方を解説していきます。

海水魚水槽・サンゴ水槽における最適な水流の作り方

海水魚水槽とサンゴ水槽の水流を作る上で大切なのは、まずろ過器に使用する循環ポンプの選定です。

オススメは、メーカー推奨水槽サイズより1ランク上のやや強いポンプやろ過器を選定することです。

写真の水槽は、w600×d450×h450の水槽をエーハイム2217のろ過器を使用しています。

一般的にw750~w900水槽用として使用が推奨されているろ過器ですが、最適な水流を作る上ではこちらを採用しています。

さらにこれだけでは足りないと判断し、ろ過器から排出される場所と反対方向に水中ポンプを沈めて水流を作っています。

この水中ポンプはナプコリミテッドのマキシジェット1200ですが、排水口にエーハイムのシャワーパイプを接続し水槽下から上に向かって吹き上げることで全体的に淀みなく水が流れるようにしています。

そうすることで、エーハイム2217から排出される水は水槽上で循環し、マキシジェットで水槽底辺の水を回して淀みを無くす工夫をしています。

この様に、淀みを無くし水槽全体を回してあげることがとても大切です。

オーバーフロー水槽でもそうですが、水中ポンプを付ける場合はろ過器から排出される水流と反対方向に水中ポンプを設置しましょう。

もし、ろ過器から排出される水流と同じ流れで水中ポンプを設置してしまうと、単一方向の流れになり川の流れになってしまいます。

単一方向の流れになると、大抵水流の行きつく先の水面に油膜ができます。

油膜ができるということは、そこに汚れが残ってしまっているというサインで、循環がうまく出来ていない証拠です。

そのため、単一方向の水流ではなく2方向以上の水流、いわゆるランダムな水流が必要なのです。

また、最近ではメーカー各社がサンゴ水槽用水流ポンプを発売していますが、大抵太い水流が売りとなっています。

これは、水槽全体を回すことを意識していますよということなのです。

まとめ

いかがでしたか。水流がとても重要なウエイトを占めている理由がご納得いただけましたでしょうか。

わたしが、サンゴ飼育を初めて実践したのが今から15年前程なのですが、当時の水流ポンプはすべて直線的に出るものしか無かったため、1200程度の水槽に水中ポンプを4台程度設置。さらにそのポンプを間欠運転させてランダムな水流を作っていました。

しかし、時代の進化とともに良い水中ポンプが現れて、最近では造波装置同様な自然の潮流をモードで選定できるようなポンプまで商品化されており、水流については誰でも最適な水流が作れる時代になってきています。

水流についてお悩みの方は、本記事をご覧になっていただき一度見直してみてはいかがでしょうか。

みなさまの少しでもお役に立てれば幸いです。