水槽を部屋に設置してから、なんだか部屋がジメジメと湿っぽくなってしまった気がする…とお悩みの方もいるはず。
しかし、除湿をしたことで、飼っている熱帯魚に何か影響があるのでは?と疑問に思ったり、いざ対策をしようにも何から始めたらよいのかわからない、なんてことも多いですよね。
水槽を置いている部屋の除湿はとても大切です。
湿気を放っておくと、部屋や水槽にカビが生えてしまい、最悪の場合、熱帯魚の水かび病を発症する原因となってしまいます。
正しく除湿を行えば熱帯魚の飼育環境を整えることにもつながります。
今回は、正しい除湿の方法についてお話します。
水槽のカビ対策については、こちらの記事も参考にしてください。
目次
湿気が発生する原因
湿気が発生する原因はとても単純で、水槽から水が蒸発していくことが湿気の原因となります。
水の蒸発をゼロにすることはできません。意外に感じるかもしれませんが、水温の高い熱帯魚を飼っている場合、水温と気温の差が激しくなる冬場のほうが水が蒸発しやすく、湿気がこもりがちになります。とはいえ、気温の高い夏場でも水は蒸発していきますので、一年を通して湿気対策は必要となります。
湿気が与える影響
湿気が熱帯魚に直接影響を与えることはありませんが、問題なのが湿気から発生するかびです。
人がかびの多い部屋で過ごしていると、アレルギーや喘息の発作を引き起こす原因になることは知られていますが、熱帯魚にもかびが原因となる病気があります。それが水かび病です。
水かび病は、かびの菌が熱帯魚の身体に繁殖してしまう病気で、身体に綿のような白い物が付着します。通常、熱帯魚にかびが繁殖することはありませんが、何らかの原因で身体やひれに傷があると、そこから水かび病に感染してしまいます。
水かび病の感染を防ぐには、水槽や流木などに付着した水かびを綺麗に掃除するとよいでしょう。
熱帯魚のかかりやすい病気については、こちらの記事でもまとめています。
水槽の掃除についてはこちらの記事を参考にしてください。
除湿対策について
除湿対策には、すぐに実践できる手軽なものから大掛かりなものまであります。
部屋に置いている水槽の数や大きさ、部屋の広さなど環境によって使い分けるとよいでしょう。
部屋を換気する
基本ではありますが、湿気対策には部屋の換気が大切です。まずは窓を開けて部屋の換気を行いましょう。窓だけでなく、部屋の扉も開けておくとより湿気がこもりにくくなります。
そのとき、扇風機を天井に向けて風を送ると空気の流れが起こり、効果アップが期待できます。
水槽にふたをする
比較的簡単に実践できるのが、水槽に蓋をすることです。蓋を選ぶときはできるだけ隙間の少ないものを選ぶとよいでしょう。また、水槽に蓋をすると湿気対策だけではなく熱帯魚の飛び跳ね防止などの効果も期待できますので、一石二鳥です。
蓋がすぐに用意できない場合は、水槽にラップをするだけでも湿気対策になります。
エアコンのドライ機能を利用する
エアコンのドライ機能はまさに除湿を行う機能ですので、湿気対策にはうってつけです。
ただし、エアコンの風を水槽に直接当ててしまうと水温が下がってしまうなど、飼育環境に影響が出てしまいますので、水槽に直接風が当たらないよう風向きを調整しましょう。
また、エアコンと一緒に扇風機を使用すると、空気の流れが起きてより高い効果が期待できます。
扇風機は、エアコンとは反対側の壁に向けておくと、空気が循環しやすくなります。
除湿剤を置く
市販の除湿剤を置くことで、湿気を吸い取ることができます。
また、除湿剤以外にも部屋に置くことで除湿効果が期待できるものに、炭や重曹があげられます。
炭はその表面に空いている無数の小さな穴が湿気を吸い取ってくれます。湿気を吸って効果がなくなってきた場合も、天日干しすることで再び使用することができます。
重曹は湿気を吸うと塊になりますので、固まってしまったら新しいものに交換しましょう。
ただし、除湿剤や重曹が水槽に入ってしまうと、熱帯魚に影響が出てしまう可能性がありますので、万が一にでも水槽に入ってしまわないよう細心の注意を払う必要があります。
除湿機を使用する
費用は掛かりますが、除湿対策として確実に高い効果が期待できるのが、除湿機を置くことです。
除湿機には大きく分けて3種類の方式があり、それぞれ除湿の仕組みが異なります。
それぞれのメリットとデメリットを以下にまとめましたので、除湿機を導入する際の参考にされてみてはいかがでしょうか。
コンプレッサー式
エアコンのドライ機能と同じ仕組みで、部屋の気温を下げることで湿気を水滴化し除去します。
気温の高い夏場には高い効果が期待でき、またほかの方式に比べて、消費電力が低く電気代も抑えられる傾向にあります。
しかし、気温の低い冬場には除湿力が落ちてしまいます。熱帯魚の水槽の場合、冬場のほうが湿気が発生しやすくなりますので、使い方を考える必要があるでしょう。
また、動作音がやや大きいので、音を気にする場合は注意が必要です。
デシカント式
デシカント式は乾燥剤に湿気を吸着させて除去する仕組みです。
気温に左右されないため、冬場でも高い除湿効果が期待できます。また、動作音が小さいのも魅力の一つです。
しかし、湿気を集める際にヒーターを使用しているため、室温が上がりやすく、夏場の使用には不向きです。
また、消費電力もコンプレッサー式に比べて大きくなります。
ハイブリット式
コンプレッサー式とデシカント式の利点を集めたのがハイブリット式です。
夏場にはコンプレッサー式、冬場にはゼオライト(デカント)式で動作するため、一年中を通して効果を実感できます。
しかし、本体が大きくなってしまう上、価格も割高となっています。
熱帯魚水槽のせいで部屋にカビが発生!?除湿は必要?湿気対策とはまとめ
アクアリウムを楽しむうえで、湿気対策は必ず直面する問題です。
しかし、湿気対策を怠ったことで、水槽も部屋もカビだらけ!なんてことになってしまっては大変です。
熱帯魚はとても繊細な生き物ですので、ちょっとしたことでも健康を損なってしまう可能性があります。
熱帯魚に健康に長生きしてもらうためにも、しっかりと湿気対策を行ってあげてください。

トロピカライターの長嶋です。
金魚すくいで連れて帰った、和金の『よしえ(名前)』を飼育してました。
可愛らしい魚とワニが大好きです。
生物を飼う楽しさを伝えていけたらな、と思います!