アクアリウムの濾過装置の中で、上部フィルターは非常に使い勝手の良い機材です。
上部フィルターは安定したろ過や酸素の供給までできるうえ、安く、メンテナンスも楽で、初心者から上級者まで、生体の飼育にはもってこいの非常に優秀なろ過装置です。
GEXやレイシーなど、特におすすめの上部フィルター・トップ7を、プロの目線でご紹介します。さらに、選び方のポイントや設置の際の注意点、ろ材のセッティングも解説いたします。
上部フィルターの特徴・メリットを動画で解説!
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上部式フィルターのおすすめ商品と選び方を音声付きでわかりやすく解説しています!
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おすすめ上部フィルター トップ7
1位:GEX グランデカスタム
最強のろ過能力を持つ上部フィルターです。
高さが約20cmあり、通常の企画の上部フィルターと比べると倍近くのろ材が入ります。
そのため、海水魚の飼育もできてしまうというモンスター級の上部フィルターです。
最高のろ過能力と引き換えに、非常に目立ってしまうというのが欠点ですが、それはそれでカッコいいと気に入っているユーザーの方もいらっしゃるそうです。
ろ材の組み合わせなどで好きにカスタムが楽しめ、初心者から上級者まで幅広く愛されている上部フィルターです。
2位:コトブキ スーパーターボ トリプルボックス
私はこの上部フィルターを使用しています。
上部フィルターの欠点の一つである流水音、モーター音が非常に静かです。
高さ10cm程度と、LED照明と高さが近いので、一緒に設置するとあまり目立たなくなります。そういうデザイン性の高さも、スーパーターボをおすすめしたいポイントの一つです。
コトブキの水槽セットに同梱されている上部フィルターもこの商品です。
3位:ジェックス デュアルクリーン
ジェックスのベストセラー上部フィルターです。
この商品も水槽セットに同梱されるくらいの使い勝手の良さがあります。
蓋が透明なので、ウールマットの交換時期をパッと見ただけで判断できるのもおすすめポイントの一つですね。
水音やモーター音がやや大きく感じる方もいるようなので、音を気にされる方は注意が必要です。
しかしそれでもこの安さは大きな魅力の一つです!
4位:レイシー 上部フィルター RF-90V
90cm以上の大型水槽におすすめなのが、レイシー社の上部フィルターです。
ろ材を投入できる面積が大きく、淡水・海水両用です。
さらにウェット式ろ過とドライ式ろ過(※この機種では完全なドライ式ではなく、ほどほどに水没させる準ドライ式です)に対応できます!プロ仕様の一品といえるでしょう。
ろ材と専用ポンプは別売りです。
5位:ニッソー スライドフィルター 600
視界に入りがちな上部フィルターをスマートにみせたい!という方におすすめです。
60cm水槽に対応した上部フィルターの中でもスッキリとした外観です。
日本製ポンプを採用し、落下口に消音フロートが付いているため静音性もばっちりです。ろ材は付いていないので、別売りのものを用意して使用します。
6位:水作 エイトブリッジ フリー S
小型水槽用の上部フィルターならコレです!
30cm~40cm水槽に対応しています。小型のため、水流が起きやすいという弱点を、水を水槽に戻す方法をスプリンクラー方式にしてカバーしています。小さいながらも工夫が詰まった上部フィルターです。
7位:コトブキ スーパーターボ ゼット プラス 1200
120cm水槽ならスーパーターボがおすすめです。音も静かで、コストパフォーマンスが良いです。内部が高さの異なる3層式になっているため、ろ材の詰め替えも簡単です!
もちろんろ過能力も高いです。
フレームレス水槽は注意!上部フィルターの設置方法
上部フィルターは、基本的に水槽のフレームやフランジの上に設置します。水槽内側の返し部分により水の飛び跳ねも抑えられ、安定して使用できます。
※アクリル水槽でフランジの幅が広い場合は、ポンプ(水を吸い上げる口)のための穴開け加工が必要になる場合があります。
優れた通気性とメンテナンス性、濾過能力をもつ上部フィルターですが、フレームレス水槽(フレームやフランジのついていない水槽)での使用は厳禁です。
各メーカーが声を揃えて禁止事項としてあげています。
理由としては、きちんと乗せる部分が無いため、水漏れがおきること、安定性に欠くこと、水槽の破損原因になることが挙げられます。水槽は電源を必要としますので、水漏れは火災の原因にもなります。
上部フィルターは、フレームレス水槽へは絶対に設置しないようにしましょう。
上部フィルターへのろ材の設置方法
上部フィルター内のろ材には、正確には給水口へ向かってですが、おおまかな流れとしては上から下へと飼育水が通ります。
ですのでろ材の設置順序は、ウールマット→(活性炭)→セラミックろ材がおすすめです。
活性炭は2~3週間ほどで効果が消失するので、必須ではありません。しかし、上部フィルターは外部フィルターなどに比べて通気性がいいため、臭いが気になる場合があります。
そんな時は、活性炭の消臭効果が非常に役立ちますので、消耗品ではありますが入れておいて損はありません。
上部フィルターでウェット&ドライ式濾過槽を作る!
上部フィルターは通常の使い方では、ろ材すべてが水に浸った状態で運用されます。
これを、『ウェット式』と呼びます。
しかし、ろ過に必要なバクテリアは酸素が多いほど効率よく元気に繁殖します。通常のウェット式でも、バクテリアによるろ過は問題なく行われますが、より酸素を取り込み、ろ過能力をアップさせる方法があります。
それが『ウェット&ドライ式』の濾過方法です。
ウェット式とは違い、こちらは濾過槽を2段に分けます。ろ材すべてを水に浸すのではなく、ろ材の一部を上段にのせ、水上に露出・水を掛け流すだけのスペース(ドライな部分)を作ります。
こうすることで酸素を多く取り込むことができ、バクテリアが活性化するというわけです。特に海水魚や大型魚飼育など、濾過能力を高めなくてはならない時はこの方法がおすすめです。
しかしウェット&ドライ式は、2段にしなくてはならないことから高さが必要な濾過方式です。普通の上部フィルターではスペースが足りないです。
高さがあると言えば、ジェックスのグランデシリーズなどがありますが、こんな便利アイテムが発売されています。
ジェックス製の上部フィルターを簡単にウェット&ドライ式へカスタマイズできるオプションパーツです!もちろんすべての上部フィルターにセットできるわけではないですが、以下の4つの機種に装着できます。
- ジェックス グランデカスタム600
- ジェックス グランデ600R
- ジェックス デュアルクリーン600
- ジェックス デュアルクリーン600SP
残念ながら、こちらは60cmにしかセットできません。
それ以上の大きな水槽サイズに適応した、ウェット&ドライ式上部フィルターをお求めの場合は、オーダーメイドをおすすめいたします。オーダーメイド製品はちょっと敷居が高そうなイメージですが、適応するポンプなどもしっかり選べるため、とても長持ちしますよ。
上部フィルターは金魚飼育に向いている!
上部フィルターでの飼育に向いている生体と言えば、『金魚』です。
金魚は、たくさんの餌を食べ水を汚しやすいです。また、酸素も多いほど良いです。酸素供給が容易で好気性バクテリアが繁殖しやすい上部フィルターは向いているのです。
また、金魚飼育では病気を防ぐため、掃除などフィルターのこまめなメンテナンスを行うのが望ましいです。その点でもろ材の交換や掃除が簡単な上部フィルターはおすすめできます。
唯一の注意点は、水流が強くなりやすい点です。
身体が小さかったり、泳ぎの苦手な個体がいたりする場合は、排水口にL字パイプをつけて水槽の壁面方面へ一度水が当たるようにして、水流を調節してやると良いです。
古代魚飼育のサブフィルターとしても活用できます!
上部フィルターは、アロワナなどの古代魚飼育のサブフィルターとしても活用できます。
古代魚は体も大きいことから、総じてフンが大きく、酸素も多く必要とします。そのため、酸素を供給し、ゴミを収集しやすい上部フィルターは向いているのです。
しかし、古代魚は水を汚しやすいので、上部フィルター単体では濾過が間に合わないです。他に外部フィルターを併用するか、特にアロワナはオーバーフロー式水槽での飼育をおすすめします。
上部フィルターの選定ポイント
上部フィルターは構造がシンプルであるが故に、どのメーカーのどの商品も同じように見えます。
実のところ、どの上部フィルターも性能に大きな差はありません。
一方、外部フィルターは同じく構造は簡単なものですが、ろ材容量や流量などで明確に違いがあり、その違いを基準に選定することができます。
では、上部フィルターは何を比べて選定すればよいのしょうか。
考えてみましょう。
上部フィルターのろ材容量
上部フィルターにも規定のろ材容量があります。
メーカーの商品ページから確認することができます。
しかし、外部フィルターほど大きな差はありません。
理由は、その構造にあります。
外部フィルターは水槽の上部に設置します。
幅は水槽の幅、奥行きは照明スペースを確保し、高さは大きくしすぎると目立つために控えないといけない、という限られた条件で上部フィルターの大きさは決まります。
すると、必然的にどのメーカーも同じようなサイズの上部フィルターになってきます。
しかし、中でも1位で紹介しました「GEX グランデカスタム」のように、見た目を度外視にしてろ材容量だけを追求した商品もあります。
他のろ過装置と比較した時の金額
外部フィルターの大きな特徴の一つである「安さ」は、要チェックです!
買う所によっては1000円台に届きそうなものもあれば、3000円近いものもあり、ピンからキリです。
それでも外部フィルターと比べれば非常に安いです。
しかし、先述のようにどの上部フィルターでもろ過能力に大きな差はありません。
そうであれば少しでも安いものを!と探してみるのも楽しいかもしれませんね!
ちなみにこちらは、アクアガーデン調べ、アマゾン最安値の外部フィルターです(60cm水槽用)↓
上部フィルターのデザイン
上部フィルターはとても目立つろ過装置です。
水槽周りに装置類がごちゃごちゃとしている水槽は少しかっこ悪いですよね。
目立つのが仕方ないのであれば、少しでもかっこいい上部フィルターを探してみるといいでしょう。
黒が主流ですが、蓋が透明なもの、半透明なもの、四角いデザイン、角を落としたデザイン、探してみると色々あることに気が付きます。
お気に入りの一台を探してみてください!
稼働時の水音
上部フィルターはその構造上、水音が必ずします。
機種によってはモーター音も聞こえる場合があります。
なるべく静かな稼働音になるよう各社設計していますが、それでもどうしても聞こえてしまいます。
音が気になる方は、しっかり調べてから購入するようにしましょう。
アマゾンなどのインターネットショップで商品のレビューを見てみると、詳しく書いてる場合があります。音の感じ方は人それぞれなので、たくさんレビューをチェックしたり、ショップの店員さんに聞いてみると良いでしょう。
ショップで聞いてみると、場合によっては実際に使用している商品を見せてくれることもあります!
どうしても音が気になる方は、ご自身で対策をしてみましょう↓
上部フィルターはオーダーメイドできます!
上部フィルターはアロワナなどの古代魚飼育のサブフィルターとしてもおすすめです。しかし、古代魚が飼育できるような大型水槽用の上部フィルターはなかなか無いものです。
実は上部フィルターもオーダーメイドで製作できます。
例えば、50cm水槽などの規格外のサイズや、150cm以上の大型水槽でも、オーダーメイドでならぴったりサイズのものが作れます。
東京アクアガーデンのオンラインショップでは、上部フィルターのオーダーメイドも承っております。オリジナル上部フィルターの構造はこのようになっています。
2本のシャワーパイプが水をろ材に行き渡らせ、高度な濾過を実現します!
しかし、オーダーメイドは高いんじゃないか?!と思えますが、価格感は既成品とあまり変わりません。
お好みのポンプの使用はもちろん、水槽の板の厚さなどにより設定できる高さは違いますが、ろ材スペースを広めにとるなど微妙なカスタマイズも可能です。
お見積りは無料ですので、是非ご相談ください!
オーダーメイドで作れる上部フィルターの詳しい構造はこちら!
おすすめ上部フィルター まとめ
いかがでしたか?
意外にも奥が深い上部フィルター。
どれも同じように見えて、実は様々な違いがあります。
上部フィルターは故障も少なく、一度買ったらとても長く使えます。しっかり調べて購入し、愛着を持ってメンテナンスをすることが長く使うための秘訣です。
上部フィルターで、素敵なアクアリウムライフをお過ごしください!
上部フィルターおすすめ ベスト7 一覧表
商品名 | ジェックス グランデカスタム 600 |
コトブキ スーパーターボ トリプルボックス600 |
ジェックス デュアルクリーン 600SP |
レイシー 上部フィルター RF-90V |
ニッソー スライドフィルター 600 |
水作 エイトブリッジ フリー S |
コトブキ スーパーターボ ゼットプラス 1200 |
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画像 | |||||||
特長 | ・淡水/海水両用 ・高さ約20cmなのでハイパワー ・ろ材の組み合わせなどで カスタマイズできる |
・淡水/海水両用 ・流水音・モーター音が静か ・LED照明と同じサイズ感 |
・淡水/海水両用 ・蓋が透明なのでウールマット 交換時期がわかりやすい ・若干水温や作動音が大きい |
・淡水・海水両用 ・ろ材投入スペースが大きい ・ウェット式ろ過と 準ドライ式ろ過対応 ・別売ポンプ必須 |
・淡水専用 ・スマートな外見 ・消音フィルター付きで 静音性が高い |
・淡水専用 ・小型水槽用 ・スプリンクラー方式 |
・淡水・海水両用 ・大型水槽向けのハイパワー ・内部三層式 |
適正水槽サイズ | 60cm水槽 | 60cm水槽 | 60cm水槽 | 90cm水槽 | 60cm水槽 | 30-40cm水槽 | 120cm水槽 |
流量・送水量 | 8.5L/分(50Hz)、9.5L/分(60Hz) | 8L/分(50Hz)、9L/分(60Hz) | 6.7L/分(50Hz)、8L/分(60Hz) | 別売ポンプ 17L/分(50Hz)、20L/分(60Hz) |
10L/分 | 5L/分(50Hz)、5.5L/分(60Hz) | 約17リットル |
揚程 | 52/67cm | – | 47/63cm | 別売ポンプ 230/330cm |
60cm | – | – |
電源・電力 | AC100V 50/60Hz 11W(50Hz)/10W(60Hz) |
AC100V 50/60Hz 6W(50Hz)/7W(60Hz) |
AC100V 50/60Hz 4W(50Hz)/5W(60Hz) |
AC100V 50/60Hz 28W(50Hz)/36W(60Hz) |
AC100V 50/60Hz 12W(50Hz)/11W(60Hz) |
AC100V 50/60Hz 3.5W(50Hz)/3.1W(60Hz) |
AC100V 50/60Hz 15W(50Hz)/14W(60Hz) |
価格目安 | 4,218円〜 | 2,543円〜 | 2,999円〜 | 31,500円〜 | 3,388円〜 | 2,497円〜 | 8,199円〜 |
ショップで 商品を見る |
※記載されている情報は各ショップ販売時の情報に基づいています。価格などは時期により変動する事がございますのであらかじめご了承ください。
上部フィルターについてさらに詳しく、こちらの記事で解説しています↓
これまでのおすすめろ過装置は、こちらから↓
トロピカプレゼンテーターのぶっちーです(。-`ω-)
この記事が、皆様の素敵なアクアリウムライフの手助けになれば幸いです。
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コメント
いろんなメーカーがまんべんなくランキングに入ってるのがちょっと信用できません
どのメーカー品にもメリット・デメリットがあります。
水槽ごとに飼育環境は違いますので、より自分の水槽にあった機種が見つかるように、さまざまなメーカーを選定するようにしております。