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初心者も簡単にできる!テラリウムの作り方・基本と必要な材料

テラリウムと聞くと、自然あふれる素敵な水槽を思い浮かべますよね。
同時に、『テラリウムって、プロじゃないと作るのも維持するのも、難しいんだろうなぁ…』と考える方も、多いのではないでしょうか。

しかし、一見難しそうなテラリウムも、ポイントを押さえれば初心者でも楽めます!
テラリウムを簡単に作る方法とメンテナンス方法をご紹介いたします。

是非、テラリウム作りにトライしてみてください!

テラリウムを作る構想を練ろう

前回、私が書かせて頂いたテラリウムの記事では、ちょっとした豆知識に触れながら「テラリウムを使って、緑あふれるお部屋を作る方法」について紹介しました。

今回の記事では、初心者でも簡単にテラリウムを作れる方法について、書いていきたいと思います。

テラリウムで飼育したい生き物を決める

テラリウムを作るには、まずは中に入れる生き物を決めることが大切です。

これがしっかり固まっていないと、レイアウトと生き物がちぐはぐで違和感のあるテラリウムになってしまいます。

具体例をあげるとしたら、ニホントカゲを飼育するのに水場が多いテラリウムを作ってもかわいそうなだけですし、成体のアカハライモリを飼育するのに、水場が全く無いテラリウムを作るのもメリットは殆どありません。生き物にとっても、生活しづらい環境になってしまいます。

飼育したい生き物に合わせて水槽内のレイアウトを考えることが、まずは大切です。

テラリウムの大まかなレイアウトを決める

飼育したい生き物が決まったら、次はレイアウトを考えます。

アマガエルやモリアオガエルなどの樹上性のカエルは植物を多用した立体的なレイアウトを、ヤモリやカナヘビ等は流木や木の枝をメインに持ってきた立体的なレイアウトを、ヒキガエルやベルツノガエルなどの地表性のカエルはシンプルで底面積を広く取ったレイアウトを用意するなど、飼育したい生き物の性質を考えたレイアウトをここでは考えてみて下さい。

参考にすると良いのは、その生物が元々生息していた場所です。

水辺なのか? 森なのか?草原なのか? 乾いた場所なのか? ということを考えると、イメージが見えてくるのではないでしょうか。

テラリウムに必要な材料を集めよう

さて、ここまでの間に、大まかなレイアウトの案は固まりましたか?

ある程度まで固まったら、いよいよ素材集めに入ります。

ここで集まる各素材の良し悪しが、レイアウトの完成度に直結しますので、手を抜かないようにして下さいね。

テラリウムで使う植物の入手法その1:お店で購入

植物の入手は、テラリウムを作るのには欠かせません。

そこでまず利用できるのが、ホームセンターや園芸店です。色彩の鮮やかな改良品種や熱帯産の植物を手頃な値段から購入することが可能になります。まとまった量を確保することも、色々な種類を買うことも可能なのは、お店ならではのメリットだと言えます。

なお、最近ではネットオークションや通販などで、珍しい改良品種や外国産の植物を購入することも出来ます。自分の作りたいレイアウトのイメージを大切にしながら、こだわりの植物を探してみるのも楽しいです。

今回のアマガエル用のレイアウトでも、ネットオークションで購入した『ツタ.spマウントベサール』や『フィロンデンドロン・ミカンス』といった、外国産の植物を使用しています。

テラリウムで使う植物の入手法その2:庭や自然の中で採取

なお、日本産のコケや植物は、自分の手で採りに行くのも楽しいです。

庭先に生えているコケやシダ、河川の岩や山林に生えている野草などは、お店で売っている園芸品種に負けない魅力を持っています。

しかし、自然の中で採集する時には気を付けておきたいことがたくさんあります。

スズメバチや毒蛇、マダニや野生動物、遭難や滑落などの身の危険に直結するものは、まだ自分で注意をしたり調べようとしたりするでしょうから良いのですが――基本的なルールとして、知っておきたいことが3つあります。

それは――
①他人の土地の植物を勝手に採取(窃盗)しないこと。
②たくさん生えていても、必要最低限だけ採取すること。
③国立公園などでは採取(盗掘)しないこと。
――です。

1つ目の補足ですが、日本国内の土地には所有権を持っている方がいることを忘れてはいけません。

「ただのコケだから」「普通の雑草だから」という軽い気持ちで無断採取をしていると、「本当はコケや山野草を育てていたのに!」というトラブルになりかねません。最悪、窃盗事件として警察沙汰になりますので、ご注意下さい。

……と、脅してみましたが、大抵は近くで農作業をしている方に声を掛けておけば、土地の所有者さんや管理者さんと知り合いであることも多いので、繋ぎを取ってくれることがあります。

挨拶の時には、ちょっと高級なお酒(鹿児島では焼酎)やお菓子を持って行くと喜ばれるみたいです。

2つ目は、自然と付き合う基本的なマナーであり、絶対的なルールです。

自分だけではなく、その環境の中で生きている隣人(たくさんの生き物)がいることを忘れないようにしましょう。

3つ目の補足ですが、国立公園はもちろん、市営や県営などの公園も「条例や看板の告知などで、植物の採取が禁止されている場所が多い」ことを忘れてはいけません。

このルールを守らないと、最悪、植物の盗掘者として警察沙汰になります。鹿児島県でも、希少な山野草を国立公園内で盗掘して、新聞に名前を晒される残念な人が毎年出ています。

こうやって考えてみると――自然の植物を採取するのは、自分や知人の所有する土地が無いとリスクが高いような気がします。

少なくとも、土地の所有者には、しっかりと挨拶をしておきましょうね。

テラリウム初心者にもおススメできるレイアウト素材

続いて、レイアウト素材について紹介します。

今回使用したレイアウト素材は、溶岩石や木の枝、落ち葉です。

木の枝と落ち葉は、購入しようと思っても意外と売っていないので……今回は、知り合いの土地に落ちているものを貰いました。

なお、木を傷つけなければ、多少の落ち葉や落ちた木の枝を公園で拾っても問題ないかなと私は思います。(それでも、トラブル防止とマナーとして、念のために公園の管理者へ一言断ってから持ち帰りたいものです)

今回使用した溶岩も、鹿児島の桜島のものを採取――と言ってみたいのですが、桜島は国立公園なので無許可での採取は禁止されています。

そのため溶岩石は、ネット通販で以前購入したデッドストック(熱帯魚用の商品)を使用しました。ちなみに熱帯魚用の商品の方が、水質変化を起こしにくいので、テラリウムでも安心して使用できます。

テラリウムに使用するレイアウト素材の洗浄と二酸化炭素

さて、ようやく植物や素材が集まりました。

そこで次に行うのが洗浄と二酸化炭素を使用した殺虫です。テラリウムを綺麗に維持するために、余計な生物や土を飼育ケース内に持ち込まないようにするのです。

植物は水道水で可能な限り水洗いをしておきます。原則として、土は完全に落とします

写真のノチドメのように、洗うと密集感が崩れてしまう植物の場合には、植える直前に水を張った容器で土を落とすと良いです。

なお、過去記事に書いてある二酸化炭素で虫を窒息死させる方法は、小さな虫にも効果的です。ゴミ袋などに素材や植物を入れてから、ドライアイスを投入したり、ボンベから二酸化炭素を添加したりして、30分程放置すれば「植物に害を与えずに殺虫することが可能」です。

テラリウムの設置場所の検討

さて、準備するものが揃ったので、いよいよレイアウトの作成に――という気持ちになりますが、レイアウトを組む前にもう一度だけ、考えてみて下さい。

本当に「この設置場所で良いのか?」を。

掃除はしやすいですか? 気温の上下の差が激しくないですか? 直射日光が当たらない場所ですか?――など、冷静な思考で判断しましょう。

一度レイアウトを組んでしまうと、なかなか移動させることは難しいですよ?

初心者でも簡単に作れる、テラリウムの制作工程とレイアウト

さて、心の準備は良いでしょうか?

準備OKでしたら、レイアウトの作成に入りたいと思います。

テラリウムの制作工程その1:発泡スチロールの設置

まずは、石組を作る上での保険として、容器の底に発泡スチロールの板を敷きます。これをしておかないと、最悪、石の重さで水槽が割れることがあります。

なお、今回はスーパーから貰ってきた発泡スチロール箱をカットしたものを使用しています。最終的には、底砂の下に隠れるものなので適度な厚みとサイズがあれば、見た目はあまりこだわらなくても良いです。

テラリウムの制作工程その2:レイアウトの仮組み

次は、実際に石や木の枝を入れていきます。

ポイントとしては「レイアウトの中で重要な素材から設置する」ことです。

今回の場合は、大きな溶岩石と水槽を横切る木の枝が重要な素材です。石組みを考えつつ、木の枝も大まかな配置を探っていきます。

テラリウムの制作工程その3:ソイルの投入

配置が決まったら、ソイルを投入します。

しっかりと隙間を埋めるように入れないと、石組が崩れる原因になったり、植物の給水が上手くいかなかったり、石組に生物が潜り込んだりと、色々なトラブルの原因になりますので手を抜かずに丁寧に作業しましょう。

細長い割りばしなどを使用すると、石組の隙間にも入れやすいです。

あとは、発泡スチロールとガラス面の間にも、忘れずにソイルを入れましょう。使わないポイントカードなどを利用すると、隙間にソイルを入れることができます。

ちなみに余談ですが、私は個人的に「ブレンドしたソイル」が好きです。

今回は「黒色と茶色のソイルに白砂をブレンドしたもの」を使用しています。

ソイルが完全に黒一色では単調でつまらないですし、完全に茶色一色でも溶岩石が不自然に浮き立ってしまいます。はっきりと好みが分かれると思いますが――黒地に茶色が少し混ざる程度が、自然な雰囲気でレイアウト的に美味しいなぁと個人的には思っています。

テラリウムの制作工程その4:植物を植える(観葉植物、コケ、水草の水上葉など)

ソイルを入れたら、いよいよ植栽です。

植物の向きなども考えながら、イメージしたレイアウトに近づけられるように植えていきます。ちなみに、「植物が給水をしっかりできるか?」ということも考えながら植えていかないと、水切れを起こして数日で枯れてしまいます。

もし給水に不安が残る場合には、植物の根元にウイローモスを巻き付けたり、薄く敷いたりすれば、保水をしてくれますので多少は安心ができます。

テラリウムの制作工程その5:自然な雰囲気を出すために、落ち葉を敷く

今回は、冬ということもあって落ち葉を敷いてみました。見た目がより自然になるだけでなく、ケース内の保湿にも効果があります。

なお、実際に生き物を入れた場合、トカゲやカナヘビなどは落ち葉を良い隠れ家にしてくれることもありますが……アマガエルやヤモリの飼育では、餌の昆虫が隠れてしまうデメリットもあります。そこはピンセット給餌などで対応していくことが必要です。

テラリウムの制作工程その6:霧吹きで水分補給

レイアウトが仕上がったら、改めて水分を補給します。植物が根付くまでは朝夕の霧吹きと容器内の湿度を高める工夫をした方が良いです。

植物への給水や保水が上手くいくように、溶岩石を土台に使ったり、隙間をしっかりソイルで埋めたり、保水性のあるウイローモスなどを植物の根元に設置したり、落ち葉を入れたりすることも大切です。

テラリウムの養生とメンテナンス

これでレイアウトはひとまず、仕上がりました。

あえて「ひとまず」と表現したのは、テラリウムは植物が育つので、完成することが無いからです。水草水槽と同じで、テラリウムは制作から数週間から数か月後の方が魅力的になります。

しばらくは、植物をゆっくり根付かせて、その後に生き物を投入します。なお、植物には水草用の液肥を薄めて、たまに与えると状態が良くなるように感じています。

テラリウムの中に生物を入れるには?

制作から2週間から1か月が経過して、植物が根付いたら生物を投入します。

(生き物は、植物が根付く前に入れるとレイアウトが崩れてしまいますので、植物の養生中は別のケースなどで飼育してあげて下さい)

寒い季節には、テラリウム専用のパネルヒーター(薄いシート状のヒーター)が3000円前後で売っていますので、設置した方が植物や生き物の状態が良くなります。温かくなる分、生き物が水分補給をできるように気を付けてあげて下さい。

まとめ・初心者も簡単にできる!テラリウムの作り方と基本とは!

ここまで、テラリウムの作り方について紹介していきました。

テラリウムの作り方の1番のコツは、「どんな生き物を飼育したいか?」を考えることだと私は思います。飼育したい生き物が生息している環境を再現する――それがテラリウムを上手に作るキーワードであり、ゴールですので。

なお、テラリウムを作る時には、最初は小型水槽からチャレンジしてみて下さい。

フレームレスの30センチキューブ水槽や今回紹介した両生類飼育用のケースが、特にお勧めです。

明日から、部屋の中に緑の植物と生き物がいる生活――始めてみませんか?

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水槽のプロ トロピカライターのくろいあまがえるです。
熱帯魚&両棲類が大好きです。地鶏の刺身と唐揚げが大好物。

雀百まで踊りをなんとか……ということわざがあるように、幼稚園児の頃に飼育した金魚&アマガエルが、生き物好きになる切っ掛けだったのかもしれないなと思っている。