これからアクアリウムを始めようという、アクアリウム初心者の場合、水槽やろ過機材、照明など必要なものが何ひとつない状態から始めなければなりません。
水槽や必要機材を別々で購入するとなると、選び方で迷ってしまったり、水槽に合わせたものを探すのが難しいといったことが起こる場合があります。
そんなときは、まずは水槽と必要な機材が一式セットになった水槽セットの購入を検討するとよいでしょう。セット内容を確認すれば、なにが必要なのかを知ることもできます。
今回はアクアリウム初心者向けにおすすめな水槽セットを小型水槽から90cm水槽まで、サイズ別でご紹介していきます!
水槽セットを購入するメリットとは?
熱帯魚やメダカ・金魚飼育用の水槽セットは各メーカーで販売しており、さまざまな商品があります。
水槽セットを選ぶメリットですが、まずセット購入品なら機材を自分で買い足すことが少ないという点でしょう。
アクアリウム初心者の場合、アクアリウムについてわからないことが多いです。ろ過の種類や熱帯魚飼育に必要なものとは何か?から知ることになります。
そのため水槽と機材を別々で購入するとなると、水槽に合わないサイズを購入してしまったり、飼育する熱帯魚などと相性が悪いものを購入してしまうことがあります。
そこで、水槽セットを購入すれば、水槽に合った機材がセットになっているので、初心者でも機材選びに悩むことがありません。
また水槽セットで購入したほうが、別々で購入するよりもトータル金額が安くなることが多いです。
水槽セットや水槽の選び方についてはこちらの記事も参考にしてください。
アクアショップオリジナルのセットもある
水槽などのメーカーがセットで販売しているもののほかに、アクアリウムショップオリジナルの水槽セットを販売していることがあります。
ショップのオリジナルセットの場合、水槽や機材だけでなく熱帯魚や金魚、水草までもがセットになっているものがあるのです。
自分が飼育したい熱帯魚と水槽がセットになっているものがあるなら、お得かつ手軽に入手できます!
小型~90cm!アクアリウム初心者向け水槽セット
それではここから、アクアリウム初心者におすすめな水槽セット商品をサイズ別にご紹介していきます。
小型水槽:テトラ クリスタルアクアリウム LEDライト&ヒーター付セット 300
小型水槽セットはろ過機材や照明がついていても水槽の蓋や、ヒーター、底材などがセットになっているもの少ないです。
今回ご紹介するテトラのクリスタルアクアリウム LEDライト&ヒーター付セットはLEDライトのほかにヒーターも最初からついています。
グッピーやネオンテトラなど、小型の熱帯魚数匹程度なら十分な大きさですし、デザイン性もあるので人気がある商品です。
ガラス製なので傷がつきにくく、水槽の下に敷くためのウレタンマットや、水槽の蓋、外掛け式フィルターも付属していてお買い得セットとなっています。
しかし底材は自分で選んで購入する必要があります。
45cm水槽:コトブキ プログレ 450 9点セット
曲げガラスが美しい45cm水槽のセットです。
付属フィルターが上部フィルターで、ヒーターが無く、金魚用の餌が付属している通りに、金魚飼育に向いている内容です。
こちらの水槽で約42L入るので、水を汚しやすい金魚にはもってこいです。
フタまでついてますが、砂利などは付属しておりませんので、お好みのものをチョイスすると良いでしょう。
金魚の砂利についてはこちらもご覧ください!
60cm水槽:GEX ラピレスRV 60DT LEDセット
GEXのラピレスRV60DT LEDセットは、LEDライトのほかに上部式フィルター・温度固定式のヒーター・カルキ抜き・水質調整剤が付属しています。もちろんガラス蓋もついているので、熱帯魚の飛び跳ね防止対策も万全です。
底材は付属していないので自分で選ぶ必要がありますが、曲げガラスを使用している水槽セットの中では、お値段もお手頃価格となっています。
60cm水槽の選び方などについてはこちらの記事をどうぞ。
90cm水槽:GEX グラステリア900 6点セット 外部フィルター付
GEXの90センチ水槽セット・グラステリア900には照明器具は付属していませんが、ハイパワーな外部式のろ過器が付属しています。
そのほかにもカルキ抜き・フィッシュフードがついており、ガラス蓋も2枚付属していますが、底材や水質調整材などは付属していないので、自分で選んで購入する必要があります。
90センチ水槽に関してはこちらの記事も参考にしてください。
水槽セットの選び方
水槽セットを購入する際に、少し気を付けたいポイントがあります。
水槽や機材などそれぞれについて選び方のポイントを簡単にお話しますので、水槽セット選びの参考にしてください。
水槽の選び方
水槽は小さいサイズになるほど水質の管理が難しくなるので、初心者の場合には60cm~90cmの水槽を選ぶことをおすすめします。
水槽のサイズばかり気にしてしまいがちですが、購入しようとしている水槽セットの規格が一般の規格サイズかどうかもチェックしましょう。
セットで購入したときには大丈夫でも、使用しているうちに照明やろ過装置、ガラス蓋などが壊れてしまうことがあります。
そうなると買い替える必要がありますが規格外サイズの場合、適合サイズのものを探すのが難しいこともあるのです。
規格サイズとは、例えば60cm水槽で言えば60×30×36cmのように、一般的に流通しているサイズの事を指します。
当然、流通が多いサイズ用のものの方が沢山製造されていますから、お好みの機能が搭載された商品を選ぶこともできます。
また、90センチサイズの水槽セットを購入するときは、水を入れたときにかなりの重さになるので、可能なら水槽台もセットになっているものの購入をおすすめします。
水槽の重さや水槽台について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
フィルターとろ材がセットに含まれているか
ろ材は、水槽内の飼育水をきれいにするろ過機につけるフィルターのことです。
水槽セットにろ過機はついているのに、ろ材がついていないという事もあります。また1回分だけで、最初にセットする分しかついていない場合も多いです。
初心者向きとされている水槽セットの中には、メンテナンスがとても簡単であることを強調しているものがあります。しかしお手入れが楽でも、ろ過能力が弱めなフィルターがセットされていることもあるので、注意しましょう。
ろ材が多く入る、ろ過フィルターを選ぼう
ろ過機(ろ過フィルター)の役割は、ウールマットで水中のゴミを濾すだけではありません。
飼育水の中のアンモニアを毒性の低い成分に変換してくれる、『硝化バクテリア』の住処になることが大きな役割です。硝化バクテリアがいなければ、魚たちを長期飼育することはできません。
硝化バクテリアの育成には適度な水流と棲み付けるろ材が必要です。つまり、ろ材がたくさん入る方がバクテリアが多く棲み付けるため、ろ能力が高まります。
ただし、バクテリアの数は水槽に入っている魚の数によって繁殖スピードが変わります。ろ材の量に合わせて急に増えるわけではありません。例えば、金魚1匹を飼育していて、大型水槽用の外部フィルターを装着しても、金魚1匹分のだすアンモニアに応じた数の硝化バクテリアがジワジワ増える感じです。
だからといって小さなフィルターを採用するより、容量の大きなフィルターの方が良いです。水槽に対して最大数のバクテリアを育成できるようになるからです。
※ただし、魚種にあった水流パワーのフィルターを選びましょう!強すぎる水流は魚を弱らせます!
ろ材はできる限りセラミックろ材のように、再利用できるタイプが入るフィルターが良いです。
手軽に交換できるキットタイプのろ材では、せっかく棲み付いた硝化バクテリアたちを捨ててしまうことになります。
フィルターやろ材についてはこちらの記事を参考にしてください。
底床材は飼育する種類にあったものがついているか
水槽セットでは、ろ過機材やヒーターはあるのに底材がセットになっていないというもが多いです。
ソイルや底材まで一式になったものが欲しい場合は、きちんとセット内容を確認しましょう。
しかし金魚やメダカに関しては水槽セットに付属しているもので十分対応することができることが多いのですが、熱帯魚やエビに関しては、ソイルや底材との相性があります。
付属しているソイルや底材が熱帯魚に合わないと病気になってしまったり、体調を崩すことが多いので、底材には自分で選んで購入したほうが良いでしょう。
海水魚向けの水槽セットを購入してしまうと、底材はサンゴ砂というパターンが多く、熱帯魚には向かないこともあるんです。
熱帯魚をきちんと飼育するためにもセット水槽が海水用なのか淡水用なのかを確認し、底材に関しては水槽セット購入前にしっかりと調べておくことをおすすめします。
底材に関してはこちらの記事を参考にしてください。
照明器具の性能
水槽セットに付属している照明は、強いものが付属していることは少ないです。
メダカや熱帯魚だけを考えるのであれば、そこまで強い光は必要ありませんが、水草の育成を考えている場合には、ある程度強い光が必要になってくる場合があります。
せっかくセットで購入しても光の強さが弱くて買い替えるなんてことになると、無駄な出費になってしまうので、水槽セットで照明つきのものを購入する場合には、光の強さを確認しておきましょう。
どうしても光の強さが弱いものしか見つからない場合には、照明のない水槽セットを購入して自分の好みの照明を別で購入したほうが、自分の理想とする環境を作りやすいです。
水槽用の照明についてはこちらの記事も参考にしてください。
ヒーターはついている?
春先や夏場に水槽セットを購入する場合に見落としがちなのが、水槽用ヒーターです。
日本には四季があるので、室温が上がり、水槽内の水温も高い温度を維持できる時期はいいのですが、秋から冬になると水温は外気温の影響で低くなってしまいます。
水温が低くなると暖かい地域に住んでいる熱帯魚は体調を崩してしまい、病気になることがあるんです。また、低温に弱い種類であれば、命の危機に瀕することも。
熱帯魚を飼育する場合は必ず水槽用ヒーターを用いましょう!
そのため水槽セットはヒーターも含まれているものを優先して購入することをおすすめします。ただ、水槽用ヒーター自体はそれほど高価なものではないので、お好みの水槽を選んで、別売りのものを購入しても問題ないです。
また、病気になった熱帯魚の治療を行う時に水温を高くすることがあります。
病気の治療を行うにはなるべく温度調節機能(ダイヤル)付きのヒーターが望ましいです。病状によって、設定したほうが良い温度が変わるからです。
セットになっているものは、基本的に温度固定式のヒーターですので、病気時に使用するヒーターは別で用意してあげるとよいですよ。
ヒーターに関して詳しく知りたいという人はこちらの記事をどうぞ。
カルキ抜きなどの消耗品がセットにある?
アクアリウムを始めると、カルキ抜きやろ過材のマット、水質調整剤などさまざまな消耗品を使うことになります
水槽立ち上げ時に消耗品の予備があったほうが、緊急時に対応しやすいです。
水槽セットを購入するときは消耗品も含まれているか、消耗品の予備はどれだけ入っているかも確認しましょう。
しかし、消耗品が付いていないから悪いセット、というわけではありません。
『これ以上商品を追加したら、購入しにくい価格になってしまう』ということで付属していないセットもあります。
飼育する生体の種類などを中心に考え、選ぶと良いですよ。
カルキ抜きなどについてはこちらの記事を参考にしてください。
自分の目的に合わせたセット内容かどうか
アクアリウム初心者は「基本的な水槽セットを購入すれば大丈夫!」と思ってしまいがちですが、自分がどんな水槽を作りたいかイメージしてみましょう。
熱帯魚ではなく水草水槽を作りたい、水草を使ったレイアウト水槽を作りたいという場合には、二酸化炭素の添加をすることがあります。
この場合外掛け式や上部に置くタイプのろ過機材だと、せっかく添加した二酸化炭素が抜けるので、フィルターは外部式にする必要があります。
どういった水槽を作るかを考えずに水槽セットを購入すると、自分が作りたい水槽に合わせて別のろ過機材を購入したり、不必要なものが入っていて購入してから後悔することがあります。
安易に初心者向きだから、安いからといった理由で水槽セットを選ばずに、自分の作りたい水槽をイメージして必要なセットのついたものを選びましょう。
まとめ:初心者向けの水槽セットをプロが厳選!サイズ別おすすめ商品を紹介!
今回はアクアリウム初心者向けの水槽セットのおすすめ商品を、サイズ別にご紹介しました。
水槽セットは機材を選ぶ手間を省くことができますが、セット内容が各商品で異なるので使いたいものが入っていなかったり、不要なものが入っていることがあります。
また規格外のサイズの水槽セットを購入すると、ろ過機などが故障した場合適合サイズのものを探しにくいというデメリットがあるので、デザイン性だけでなく総合的なことを考えて水槽セットを選びましょう。
床材やろ過方法などについては水槽セット購入前にある程度知識を得たうえで、自分が飼育しようとしている熱帯魚などにあったものを別で購入することをおすすめします。
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水槽のプロ トロピカライターの杠葉 狼です。
アベニー・パファーやバジスバジスなど小さくて綺麗な熱帯魚やベタ、ブラックゴーストなどちょっと変わった熱帯魚が好きです。
熱帯魚飼育初心者さんにお役に立つ記事を書いていきます。