熱帯魚を飼い始めたばかり方に、一番最初に立ちはだかる壁。
それが熱帯魚水槽の掃除ではないでしょうか。
慣れていないととにかく手間だし、時間もかかる…そもそもやり方がよくわからなくて、休日一日が水槽掃除で潰れてしまった…なんていう経験をされた方もいるかもしれません。
面倒な掃除にはできるだけ時間をかけたくありませんよね。
実は、水槽掃除は手順やコツを覚えれば、かなり時間を短縮できます。
ここでは、熱帯魚水槽を掃除する方法やコツを、手順に沿ってご紹介していきます。
水槽掃除の基本を動画で解説!
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熱帯魚水槽掃除の手順やコツを音声付きでご紹介します。
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熱帯魚水槽を掃除するときの注意点
熱帯魚水槽の掃除や換水するタイミングを確認する
ろ過装置や、飼っている熱帯魚の種類などにもよりますが、基本的には1~2週間に1回ぐらいの頻度で換水を行います。
水が濁ってみえる、異臭がするなど水が汚れていたら換水のタイミングです。
そのほかに、水質検査薬を使用して換水の時期を確認する方法もあります。
水質検査薬については以下の記事を参照してください。
換水をするタイミングで一緒に水槽の掃除を行います。
注意したいのが、ろ過装置の掃除です。
ろ過装置の掃除を換水と一緒に行ってしまうと、有用なバクテリアが減り過ぎてしまい、水質の悪化につながります。
ろ過装の掃除は2~3か月に一度程度、できれば換水とは別の日に行うとよいでしょう。
水は全部入れ替えない
換水のとき水槽の古い水をすべて捨ててしまいたくなりますが、これは大きな間違いです。
水を換え過ぎてしまうと、熱帯魚に大きなストレスがかかってしまいます。
また、水槽の水には水質をきれいに保つための有用なバクテリアが繁殖しています。
水を換え過ぎると、そのバクテリアなどがきれいさっぱり流れてしまい、水質の悪化につながることもあるのです。
一度の換水で新しくする水は、30%~50%程度にとどめるようにしましょう。
熱帯魚は水槽に入れたまま行う
換水や掃除のときに熱帯魚をバケツなどに退避していませんか?
掃除で水が濁ってしまうため、熱帯魚を入れたままにすることにためらいを感じるかもしれませんが、基本的に熱帯魚を退避させる必要はありません。
水が濁るといっても一時的なものですし、退避するために熱帯魚を追い回すことのほうが、よっぽど熱帯魚のストレスになるからです。
水槽内を大掃除する、レイアウトを大きく変更するなどの理由がない限り、普段のメンテナンスでは、水槽の中に熱帯魚を入れたまま作業を行って大丈夫です。
熱帯魚水槽を掃除する手順
熱帯魚水槽の掃除でやるべきことは大きく分けて以下の4つです
- 機器の点検
- 水槽や底砂などの掃除
- 換水
- レイアウト
ここでは、水槽掃除のやり方に沿って、手順やコツをご説明していきます。
手順1:掃除の準備
作業を始める前に、まず掃除の準備をしましょう。
水槽の掃除をしていると、水や汚れが飛び散ってしまって、水槽台や床が汚れてしまうことも少なくありません。
汚れ防止のために、水槽の周りや床にブルーシートやタオルを敷いてからメンテナンスを行うとよいです。
また、掃除に必要な道具も手元に準備しましょう。
以下の記事を参考に必要な道具が揃っているかを確認してみましょう。
上記以外に、タオルを5枚程度用意しておくと何かと便利です。
メンテナンス中も片手にタオルを持ちながら掃除を行うと、作業がスムーズに進みますよ。
手順2:水槽や機器の点検
道具が揃ったら、次は水槽や周辺機器の点検を行います。
水槽の中の生き物は元気に泳いでいるか、水槽にヒビや水漏れしている個所はないか、周辺機器の動作に問題はないか、などを確認します。
問題がなければ、掃除を始めましょう。
手順3:コケを取る
最初にコケ取り作業を行います。
コケ取りについては以下の記事も参考にしてください。
ここで大事なのが、コケ取り作業中はろ過器の電源を切るということです。
コケ取り作業中にろ過器の電源を入れたままにしておくと、取ったコケや汚れがろ過器の中に流れ込み、ろ過器内のフィルターやろ過材を汚してしまいます。
そのため、作業前に必ず電源を切るようにしましょう。
ただし、外部フィルターなどろ過器の種類によっては、電源のオンオフで、水槽内にろ過器内の汚れが流れ込んでしまうものがあります。
その場合は電源を切らずにそのまま作業を行ってください。
また、水槽内のレイアウトを大きく変更する場合はコケ取り前に素材を取り出しておくとよいでしょう。
コケ取りは以下の3つの方法で進めます。
コケ取り用のヘラを使う
水槽用のスクレーパーを使用して、コケを取ります。
水槽と砂の間にスクレーパーを差し込み、隙間についたコケや汚れをきれいに落としていきましょう。
ガラス水槽でスクレーパーを使用するときには、ガラスの継ぎ目にあるシリコン部分を傷つけないよう、注意して作業を行ってください。
メラミンスポンジを使う
市販のスポンジを使用してコケを落としていきます。オススメはメラミンスポンジです。
水槽面だけでなくパイプやコードなど、コケの気になるところをスポンジでこすり落としていきましょう。
一点注意していただきたいのが、アクリル水槽でメラミンスポンジを使用するときです。
水槽が乾いた状態でメラミンスポンジを使用すると、細かい傷がついてしまうことがあります。
アクリル水槽でメラミンスポンジを使用するときは、必ず水中で使用してください。
素手で確認する
最後に水槽面を素手で触ってみてヌメリが残っていないかを確認します。
ヌメリが残っているようならば、その部分を再度スポンジで掃除しましょう。
手順4:水を抜く
コケ取りが終わったら、次は換水を行います。
換水については以下の記事でも説明しています。
ホースポンプとバケツを使用して水を抜いていきましょう。
一度に換える水の量は水槽全体の30%程度にとどめてください。
60cm水槽の場合を例に挙げると、水量は65ℓなので、20ℓ程度の水を抜きます。
水の汚れが激しい場合は換水の量を増やしますが、どんなに多くても一度に換える水量は50%を超えないように注意してください。
手順5:底砂の掃除
底砂が汚れているようならば、底砂を掃除します。
底砂の掃除については以下の記事でもまとめています。
プロホースという専用の器具で掃除をすると、掃除機をかけるような感覚で簡単に掃除ができるのでオススメです。
このとき、一度に掃除する範囲は底砂全体の半分程度にとどめるようにしましょう。
底砂にもバクテリアが住み着いているため、掃除しすぎてしまうと、逆に水質の悪化を招いてしまうことがあるからです。
また、海水魚の場合はライブロックの表面についたゴミも一緒に掃除しましょう。
手順6:水草を手入れする
水草をトリミングするときは、ゴミが舞ってしまうのを防ぐため、水を入れる前に行います。
水草のトリミングについては以下の記事も参考にしてください。
手順7:水を入れる
水槽の水温に合わせた水道水をバケツに用意します。
水は水道水のままでは使えません。カルキ抜きを使って塩素を抜いてから使用しましょう。
小型の水槽や水量が少ないときは、バケツから直接水槽に水を注ぎます。
逆に水量が多いときは、ポンプアップしてホースで注ぐとよいでしょう。
水を入れるときは、片手を水槽内に入れて注がれてくる水を受け止めるようにします。
そうすることで、底砂などを舞い上がらせることなく注水することができます。
水道水については以下も参考にしてください。
手順8:レイアウト
換水が終わったら、レイアウトを整えます。
コケ取り前に素材を取り出していた場合は、ここで水槽内に素材を戻しましょう。
手順9:仕上げの確認
レイアウトが終わったら水槽の蓋を閉めて掃除は完了です。
最後に以下の項目を確認しましょう。
- 熱帯魚は元気に泳いでいるか、異変はないか
- ろ過器から水が正しく輩出されているか
- 水温は設定温度になっているか
- 水が漏れているところはないか
- 漏電しているところはないか(触るとビリビリするなどの異変はないか)
- すべての機器類の電源はオンになっているか、正しく作動しているか
まとめ・熱帯魚水槽を掃除する方法とは!手順やコツを公開
水槽の掃除や換水は、熱帯魚を健康に飼育するには絶対に行わなければならない作業です。
面倒ではありますが、熱帯魚に元気でいてもらうためにも、手を抜かず丁寧な掃除を心がけましょう。
手順やコツを覚えれば、小さな水槽ならば1時間程度で作業を終えられるようにもなりますよ。
水槽の掃除については以下の記事でもまとめていますので、こちらも参考にしてみてくださいね。

トロピカライターの長嶋です。
金魚すくいで連れて帰った、和金の『よしえ(名前)』を飼育してました。
可愛らしい魚とワニが大好きです。
生物を飼う楽しさを伝えていけたらな、と思います!