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【プロが教える】熱帯魚水槽をリセットする方法とは完全解説します!

水槽のリセットとは飼育水や底床材などを入れ替えて、水槽内の環境を構築し直す作業を指します。経年劣化による飼育環境の悪化や水槽内で病気が発生した場合など、日常のメンテナンスでは対処が難しいトラブルに対して効果的な改善策となり得る重要な作業です。

しかし、正しい知識を持って行わなければ、かえって生体を危険にさらしてしまうことになります。ここでは、水槽のリセットについて必要なタイミングや方法、注意点などを解説いたします。

水槽のリセットとは?

水槽のリセットとは飼育水底床材などを全て入れ替えて、水槽内の飼育環境を1から構築し直す作業のことを言います。水槽のリセットが必須なケースと、必須ではないもののリセットが推奨されるケースを以下にご紹介します。

水槽リセットが必須なケース

病気が発生した時

熱帯魚に病気が発生してしまった時はリセットが必要になる場合があります。なぜなら、病原体やそのが飼育水中のみならず、底床材ろ材などにも拡散してしまうためです。

特に、水中に常在しないタイプの病原体であるイカリムシなどが発生した場合は、リセットは必須と言えるでしょう。病気によるリセットの場合は、病原体を駆除するためにただ洗浄するだけでなく、熱湯天日干しなどによる殺菌・消毒作業も必要になります。

ソイルが崩れて泥状になった時

水草を飼育する時に良く利用されるソイルですが、使用し続けているとだんだんと崩れていき、最終的には泥状になってしまいます。

ソイルの利点は粒状であることから発揮される点も多く、泥状に崩れてしまうと機能が果たせなくなります。また、泥状に変化すると泥の中に止水域が生じ、水質が悪化しやすくなるので水槽をリセットしてソイルを交換しなければなりません。

水換えを行ってもpHが戻らなくなった時

水槽の周辺機器が正常に作動している時は水換えを行えばpHは戻ります。しかしながら、周辺機器が正常でない場合はその限りではありません。

特に、ろ材が目詰まりを起こしていたり、経年劣化で崩壊している時は水換えを行ってもpHがすぐに低下してしまい、生体にとって適した環境を維持することが難しくなってしまいます。

この経年劣化による飼育環境の崩壊を「オールドタンクシンドローム」と言い、立ち上げ後5年ほど経過した水槽に顕著に見られる現象です。

オールドタンクシンドロームの状態になってしまうと、水換えなどの日常のメンテナンス作業では飼育環境を維持することが困難になるので、リセットが必要です。

水槽リセットが推奨されるケース

・水槽レイアウトの転換

・コケなどの余分な生物の駆除

・水槽の大掃除

まずは、水草の種類を入れ替えるなど、水槽内のレイアウトを大きく変えたい時は、水槽をリセットした方が良い場合があります。

また、コケや貝など意図せず発生したり、混入した生物を駆除したい場合も水槽のリセットが有効です。

これらの生物は、一度発生すると胞子や卵が底床材やろ材の中に入り込んでしまうため根絶が難しく、やがて大量発生するケースはよく耳にします。水槽をリセットすることで、胞子や卵のレベルから除去できるので効果的な駆除が可能です。

最後は、水槽内の大掃除をする場合です。日常のメンテナンスでは取り切れない、底面などに溜まった汚れを洗浄して水槽内を清潔にすることは、飼育環境の維持に欠かせません。定期的にリセットを行い、水槽内に汚れを溜め込まないようにした方が良いでしょう。

熱帯魚水槽のリセット方法

生体を移動させる

まずは、水槽内の生体をバケツや予備の水槽などに飼育水ごと移動させます。この時、季節によっては温調機器で水温を調節することを忘れないでください。また、低酸素状態に弱い生体の場合は、酸欠防止のためにエアレーションも行ってください。

周辺機器の電源を切り取り外す

次に、フィルターや照明などの電源を切り、水槽から取り外します。安全のために電源プラグは、必ずコンセントから引き抜いておきましょう。

飼育水を水槽から汲み上げる

それから、ポンプなどを使って飼育水を水槽から汲み上げます。汲み上げた飼育水はすべて捨てることはせず、半分程度は残しておいてください。

レイアウトを取り出し水槽内を洗う

レイアウトを水槽から取り出したらレイアウトと水槽内部を洗浄します。底床材などを再利用する際は、水道水で洗ってしまうと含有されている塩素によって、生物ろ過に必要なバクテリアが死んでしまうので、飼育水を用いて洗浄してください。

水槽の方は水道水で洗浄しても構いません。病気に起因するリセットの場合は、殺菌のために60℃程度の熱湯で洗浄すると良いでしょう。

水槽を再び立ち上げる

飼育器具の洗浄が完了したら再びセッティングを行い水槽を立ち上げます。リセットにより生物ろ過に必要なバクテリアが減少しているので、立ち上げ直後は水質が不安定になりやすいです。

いきなり生体を戻すことはせずに、2~3日ほどフィルターを動かして飼育水を循環させ、水質が安定していることを確認してから戻してください。

移動しておいた生体を水槽に戻す

水質が安定していることが確認できたら生体を水槽に戻します。この時、新しく水槽に導入する場合と同様に、きちんと水合わせを行ってから戻してください。さもないと、最悪の場合はpHショックを起こして死んでしまいます。

リセットの注意点

リセット前の飼育水をすべて捨てることは避けてください。リセットを行い水質が改善され、本来ならば生体の飼育に適した水質になったとしても、pHが急変すると生体にとっては大きな負担となり、pHショックを起こして死んでしまう場合もあります。

そのため、例え汚れた水であったとしても、今まで生活していた水は全て捨てず、水合わせ時に利用する必要があります。また、古い飼育水を残しておくことは、バクテリアを保護する目的もあります。ろ材や底床材はバクテリアが特に多く定着している部材です。

これらの部材を水道水で洗浄してしまうと、バクテリアが大きなダメージを受けてしまいます。バクテリアが減少してしまうと水質の安定化までにより多くの時間を要するので、必ず飼育水を用いて洗浄するようにしましょう。

それに付随して、ろ材を交換する時は、全てを新しいものと換えてしまうことは避けてください。古いろ材の中から状態の良いものを少量残しておき、新しいものと混ぜることでバクテリアの増殖が円滑になり、水質を早期に安定させることが可能です。

まとめ・熱帯魚水槽をリセットする方法について

水槽のリセットは、日々のメンテナンスでは対処しきれないトラブルに対して、効果的な改善策です。しかしながら、水槽をリセットすることは水質を急変させることと同義で、生体とバクテリアに対する影響を考慮しなければ危険にさらしてしまいます。

生体にとってどのような条件が負担になるか正しく理解し、負担の少ないリセット法を実行できるよう注意してください。