水草がそよそよとそよぐ水草水槽はとっても美しいですよね。
あの水草も綺麗だし、あっちも入れたい、こっちも…と際限なく水槽に入れてしまいたくなりますが、ちょっとだけ待ってください!
水槽に入れる水草の量には「適量」があるんです。ご存知でしたか?その適量を守らないと、水草は綺麗に育ちませんし、思わぬトラブルを引き起こすこともあります。
こちらのページでは、水槽にいれる水草の適量についてご説明します。
目次
水槽における水草の適量の見極め方
それではこちらの項で、水槽における水草の適量の見極め方の目安を挙げてご説明します。
魚が自由に泳ぎまわるスペースがあること
まずは、魚たちが自由に泳げるスペースは確保しましょう。
魚は一日のうちで水槽の様々なところへ泳ぎ回っています。餌が浮くタイプなら水面に食べに行きますし、複数の魚がいれば追いかけっこなどをする場合もありますね。
泳げないと弱い個体が逃げることが出来ず、つつかれて死んでしまう場合もあります。水槽内を自由に泳げる程度のスペースは残してあげてください。
生体が健康に生育していること
水草を増やしすぎると、夜間の酸素量が不足してしまうことがあります。
水草は光合成により、二酸化炭素を酸素に変えます。その酸素を魚・エビなどの飼育生物が吸うのはもちろん、水草自身も酸素を吸っています。
光の当たっている時間帯は 光合成によって作られる酸素量 > 生体の吸う酸素量 なのですが、夜間などに光が当たらなくなると、酸素の供給が止まります。ですがもちろん魚・エビ・水草は酸素を吸いますので、どんどん酸素量が減少してしまいます。
水草と生体のバランスがとれていれば心配はありませんが、あまりにも水草が多いと酸素が不足する場合があります。
夜間だけ酸素が不足している場合の見極め方は、朝の魚やエビの様子です。朝だけ元気がない、下の方に沈んでぼーっとしているなどの様子が見られた場合は注意が必要でしょう。
酸欠については以下の記事も参考になると思いますのでチェックしてみてください。
ろ過器から排出される循環が妨げにならないこと
ろ過器はいつも水槽内の水をろ過し、綺麗になった水を水槽内へ排出してくれています。
ですが水草が生い茂りすぎると、その水が上手く排出されないケースが見られます。となると当然水質の悪化を招いてしまいます。
そればかりでなく、水が行き渡らない場所が出来てしまうとそこにゴミや排泄物がたまりがちになります。すると
- コケの発生
- 有害微生物の増殖 → 魚やエビの病気を引き起こす
- ゴミをろ過できないことによる水質悪化
- カビの発生
といった困ったことがいろいろと起こります。
ろ過器から排出される水により、水槽内の水がうまく循環することはとても大切なことですので、よどんでいるところが出来ていないか、すみずみにまで綺麗な水が行き渡っているかを注意してあげましょう。
水草全体にライトがあたること
水草は光合成によって生育します。
光合成には光が必要で、水草のためにライトを設置しているひとも多いですね。
その光が水草に当たらなければ意味がなくなってしまいます。とくに背の高い水草と背の低い水草を混合している場合は背の低い水草は光が当たりづらくなりますし、背の高い水草の足元も光が当たりづらいです。
そうなると背の低い水草が枯れたり、背の高い水草の足元だけが枯れて、スカスカした草姿になってしまうこともあります。
全体にまんべんなくライトの光が届くように調節しましょう。
もし多すぎたら
ではもしも水草が多すぎると感じた場合はどうしたらいいでしょうか。
トリミングしよう
最初は適正な量の水草だったとしても、生育によって水草が多すぎるようになってしまったというケースはよくあることですね。
そういった場合はトリミングをしましょう。
株を新しく更新することでより美しい綺麗な葉が出てきますので、定期的なトリミングはとても大切ですね。
トリミングした水草を売るという手もあります。お小遣いかせぎになるかもしれませんね。
水槽から取り出して水上葉にして維持
水槽の水草は多すぎるけど捨てたり売るのはもったいない!持っていたいけど水槽はいっぱいだしどうしよう…という場合は、水上葉として維持しておく方法がオススメです。
水上葉というのは、水槽内の水草を空中で育てる方法です。ほとんどの水草は水上葉に変化させることが可能です。水中よりも元気に簡単に育てることができます。
方法は簡単です。
- 水の溜まる容器に、土と水を入れる:水は土から3センチくらいまで、ひたひたに
- 水草を植える:水に沈めた状態で植えます
- 弱い光の当たる場所で育てる:水切れに注意しましょう 土から3センチをキープ
- 肥料があればグングン育ちます:一般の植物用の液肥で十分です
また、水上葉に変えた水草を水中葉に戻す方法ももちろんありますので、いつでも利用可能な状態で維持しておくことができます。
水上葉にしにくい水草もあるので注意してください。沈水植物といわれるもの…例えばバリスネリア・クロモ・マツモ・アナカリス・ウィローモスなどは水上葉にはなりません。
水上葉・水中葉については下のリンクで詳しく説明してありますので一度ご覧になってみてください。
水槽内の水草の適量を維持しよう
水槽内に過剰な水草があるとどんなことが起こるか、多すぎた場合どういう対応法があるかなどについてお話させていただきました。
水草のそよぐ水槽はとても美しいですが、成長とともに形や密度も変わってきます。よく観察してやり、健康かつ美しい水槽を維持してください!

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