アクアショップやホームセンターなどで販売されている金魚の種類は少ないですが、金魚専門店やネットの通信販売では、たくさんの種類の金魚が販売されています。
見た目がとても美しい金魚が多いですが、飼いやすいかどうかで購入を悩む人も多いです。
特にアクアリウム初心者の場合、見た目だけで選んでしまい飼育が難しいものだったというケースも多く、事前に飼いやすい種類かどうかを知っておく必要があります。
今回は金魚の中でも人気が高くて飼いやすい種類を、ランキング形式でご紹介していきます。
目次
人気のある金魚で飼いやすい種類ベスト10
一口に金魚といっても、種類によって飼いやすさや注意点はさまざまです。
ここでは人気が高い金魚の中でも、アクアリウム初心者でも飼いやすい金魚を10種類ご紹介していきます。
飼う前に事前にそれぞれの種類の特徴や、飼育方法などをしっかりと把握しておきましょう。
基本的な金魚の飼育方法についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
1.和金(わきん)
和金は日本で飼育されている金魚の中でも、一番歴史が古く室町時代から飼育されていると言われています。
フナに近い体型をしており、金魚すくいでよく見る種類で価格も一番安い品種なのでアクアリウム初心者にもおすすめです。
赤単色のものもいますが、赤と白のまだら模様の「更紗」もおり、金魚の中では丈夫で飼育環境がよいと30cm以上になることもあります。
寿命も長く、水質や餌の管理を上手に行えていれば10年以上生きることもある金魚です。
2.コメット
コメットは和金と朱文金を掛け合わせて作られた品種です。
和金のようなほっそりとした体に、吹き流しの尾を持ち動きが早く、泳ぐ姿が彗星(コメット)のようだということでこの名前が付けられました。
色がはっきりしていて、左右対称になっているものや、赤色が幾何学模様になっているもの、背中が赤くお腹が白いものがよいといわれているようです。
金魚の中でも丈夫な種類なので、アクアリウム初心者でも飼育しやすい金魚です。
3.琉金(りゅうきん)
琉金は中国から入ってきた金魚ですが、琉球(沖縄)経由で日本に広まったため、この名前がつきました。
丸い体型の金魚の代表的な種類で、尾びれが長い「ロングテール」や、反対に尾びれの短い「ショートテール」といった品種が存在します。尾びれは「3つ尾」、「4つ尾」、「さくら尾」などといった種類があり、開き尾になっています。
「素赤(すあか)」、「更紗(さらさ)」などの種類があり、更紗は日本だけでなく海外の金魚愛好家の中でも人気が高いです。
ゆっくりと泳ぎますが泳ぎはあまり得意ではないので、太りすぎて体型を崩さないように飼育するのがポイントとなります。
4.朱文金(しゅぶんきん)
朱文金は「キャリコ出目金×和金×ヒブナ」という3種類の掛け合わせで生まれた品種です。
一説には明治45年にとあるアメリカ人が、千葉県の養魚家に依頼して作られたといわれており、日本固有の金魚になります。
和金らしい体型に吹き流し尾と、姿形はコメットに似ていますが、体色は薄い青(浅葱色)がベースで、赤と黒が混ざったキャリコらしい配色になっており、成長するにしたがって体色が濃くなります。
金魚の中でも丈夫で飼育しやすいので、アクアリウム初心者にもおすすめできる品種です。
5.キャリコ琉金(りゅうきん)
キャリコ琉金はキャリコと出目金を掛け合わせた品種で、アメリカから「3色の琉金が欲しい」というオーダーを受けて、日本で作られた品種です。
薄い青(浅葱色)がベースになっており、それに赤と黒が入っています。
体型はほぼ琉金といってよい形で、お腹に丸みがあり、ヒレが大きいものがよいキャリコ琉金といわれています。
高級感があり水槽内でも目立つ金魚ですが、色合いなどにより値段が高くなるものもいます。
大きく成長する傾向にある金魚なので、単体飼育で楽しむ人が多いです。
6.ブリストル朱文金(しゅぶんきん)
ブリストル朱文金は名前のとおり、イギリス・ブリストル地方で品種改良された品種で、地元イギリスでは愛好会まであるほどの人気があります。
ハート型になっている尾がとても愛らしく、イギリスで飼育している人の中には尾を鍛えるために、餌にミミズを与えている人もいるそうです。
ブリストル朱文金の最大の特徴の尾を鍛えるためには、小さめの水槽で水流を強めにして、絶えず泳がせることで尾の形が美しい形になるといわれています。
7.江戸錦(えどにしき)
江戸錦はらんちゅうと東錦を掛け合わせて作られた品種で、体型はらんちゅうに似ており、白をベースに赤や黒が入り混じった体色をしています。
安いものなら3,000円前後で販売されていることが多く、大きなものになると40,000円前後で販売されていることもある金魚です。
アクアショップやホームセンターではほとんど見ることがなく、購入したいのであれば金魚専門の養殖場や、インターネットでの通信販売を利用することになります。比較的レア度の高い金魚ですが、金魚飼育の基本をおさえた水槽なら飼育は比較的容易です。
泳ぎが下手なので、水流は弱めにするのがポイントです。
8.オランダ獅子頭(ししがしら)
オランダ獅子頭は琉金タイプの金魚で、頭部の「肉瘤(にくしゅ)」と呼ばれる脂肪の塊が特徴で、身体の色は赤や黒、白、更紗、橙黄色と色が多いです。
一説には琉金が突然変異したものと言われており、日本の金魚ではなく中国産の金魚のため、国産の金魚と区別するために名前に「オランダ」と入っています。
体が大きくなる品種なので成長するに従い、水槽内で貫禄や存在感も大きくなり、迫力のある姿を見ることができます。
9.丹頂(たんちょう)
丹頂は白い体に頭の赤い肉瘤がタンチョウヅルに似ていることから、この名前が付けられました。この赤い頭部が帽子をかぶっているように見えるため、英語名は「レッドキャップオランダ」といわれています。
頭の肉瘤は円形で、体の色は純白に近いものがよいと言われており、羽衣を連想させる尾ひれが見る人に上品な印象を与える金魚です。
10.出目金(でめきん)
金魚すくいでおなじみの出目金は、琉金タイプの金魚で黒・更紗・三色といった体色があります。
琉金が突然変異してできたものを養殖することで固定した品種なので、琉金体型になっています。
金魚の中でも比較的育てやすいと言われていますが、飛び出している目が傷つかないよう、水槽内のレイアウトなどに気を付ける必要があります。
流通量が多い金魚で、アクアショップやホームセンターなどで、600円前後で販売されていることが多いです。
【プロが選ぶ】金魚の人気が高くて飼いやすい種類ベスト10!まとめ
金魚には今回紹介しなかった「らんちゅう」や、「ピンポンパール」、「蝶尾(ちょうび)」などといった飼育が難しくなってくる品種があります。
また国の天然記念物に指定されている「地金(じきん)」、「土佐金(とさきん)」、「南京(なんきん)」といった品種も存在します。
品種改良が比較的多く行われているので、今後も新しい品種が登場することもあるでしょう。
しかし見た目だけで購入すると、病気になりやすかったり、独特の飼育方法があったりとアクアリウム初心者には難しい部分があることも多いです。
金魚は熱帯魚などと比較すると、飼育環境が整っていれば寿命の長い魚なので、しっかりと飼育方法を調べて最後まで面倒を見てあげてくださいね。

水槽のプロ トロピカライターの杠葉 狼です。
アベニー・パファーやバジスバジスなど小さくて綺麗な熱帯魚やベタ、ブラックゴーストなどちょっと変わった熱帯魚が好きです。
熱帯魚飼育初心者さんにお役に立つ記事を書いていきます。