水槽のフタといえば、水槽照明の錆防止や水槽から飛び出しやすい熱帯魚を飼育するときに、大変役に立つアイテムです!
最近の水槽の主流は、『水槽用のフタのない上面開放型の水槽』ですが、水槽のフタについて、詳しく知りたいというアクアリストの方も多くいらっしゃると思います。
水槽のフタは、既製品を購入することが可能ですが、自作やオーダーメイドで水槽のフタを設置するという方法もあります。
自分で水槽のフタを準備する場合は、加工がしやすく、掃除などの手間がかからない素材を選ぶことが大切です。
水槽のフタにおススメな素材は、塩化ビニール、プラスチック、アクリル、ガラス、網などがあります。また、食品包装用ラップフィルムも、水槽のフタとして使うことができます。
今回は、理想の水槽のフタやオーダーメイドの水槽のフタについて詳しくご紹介させていただきます!
目次
水槽のフタ選び・ポイントと注意点!自作や特注など理想のフタを考える
☆ネット通販では、水槽のフタがサイズ別に販売されています。
しかし、市販の水槽のフタを取り付けることができる水槽であるかどうかを、購入前に確認する必要があります。
もし、水槽のフタの取り付けが難しい水槽であった場合は、水槽に対応しているフタ用の取り付け器具を別途購入する必要があります。
水槽のフタ!理想のフタとは
水槽にぴったりはまるフタ
水槽にぴったりはまるフタは、既製品の、セットになっているフタを購入するか、自作する必要があります。
湿気の漏れや、魚の飛び出しを防ぐには、水槽のサイズにぴったりとあったフタが理想的です。
配線の通しやすい水槽のフタ
水槽に必要な機材の配線を通す穴がついている、もしくは加工できる素材のフタが理想的です。
透明度の高い水槽のフタ
水草などを育成する場合に、水槽のフタに小傷がついていたりすると、透明度が下がり、水草に必要な光源が奪われやすくなります。
水槽のフタは傷がつきにくく、透明度の高い素材が理想的です。
水槽のフタを素材別にご紹介!おすすめ素材6選
☆水槽のフタとしてよく使われる素材6選をご紹介いたします。主に自作の水槽フタに多い材質ですが、市販されている商品も含めています。
1.塩化ビニール
塩化ビニールは水槽用のフタとしては、加工しやすく、ホームセンターでも購入しやすい商品です。主に、テーブルクロスや、家財の傷防止などの用途で販売されています。
長所
- 水槽のフタとして、加工がしやすい。
- ネット通販や、ホームセンターで購入しやすい。
短所
- 水槽のフタとしては、たわみやすく、安定性が少ない。
- 厚手の塩化ビニールシートは、値段が高く、種類が少ない。
- 傷がつきやすく、透明度が下がりやすいため、光源が必要な水草の育成には向いていない。
- 水草育成用の水槽のフタとして使用するには、塩化ビニールにパンチで穴をたくさん開けるなど加工に工夫が必要になる。
2.プラスチック
プラスチックの板は、水槽のフタとして、加工しやすく、値段設定も安価な部類に入ります。特に、配線の多い水槽では、配線用の穴をくりぬいて通したり、水槽のサイズにあわせて、ハサミやカッターなどで加工しやすいので人気がある素材です。プラスチック板は、熱に弱く傷がつきやすいため、短期的な水槽のフタとしての使用が向いています。
長所
- プラスチック板は、水槽用のフタとして、加工しやすい。
- 値段設定が安く、購入しやすい。
短所
- 熱に弱いため、照明の熱で四隅が上に反り返ってしまうことがある。
- プラスチック板は、傷がつきやすいため、水槽のフタの透明度が下がりやすい。
3.アクリル
アクリル板の水槽のフタは、小型のものは通販サイトで購入できますが、通常は、水槽に力を入れているアクアリムショップなどでしか取り扱いがありません。
アクリル板で水槽のフタを自作する場合は、ホームセンターで購入し、専用の器材で加工する必要があります。加工の難易度は、アクリルの方がプラスチックよりも高いです。
長所
- 傷がつきにくい。
- ガラス板の水槽フタよりも、アクリル板の方が割れにくい。
短所
- 加工がしづらく、専用の道具が必要。
- 厚みのあるアクリル板は高価になりやすい。
- 熱や湿気の影響で、四隅が反りやすく、魚が飛び出るほどの隙間ができる場合がある。
- 曲線を描いて切り取るような加工が難しいため、角を斜めに切り落として配線用の隙間を作るなどの工夫が必要。
4.ガラス
ガラス板の水槽のフタは、最もポピュラーな素材で、商品化されているものが多い素材です。
自作としてのガラス板の水槽フタは、加工が難しいため、販売されているガラス製の水槽フタを購入するのが妥当とされています。
ガラス製の水槽のフタを購入する際は、取り付け可能な水槽であるか確認し、必要であれば、取り付け用の器具を購入するようにします。
長所
- 各メーカーごとに、水槽に合ったガラスのフタが販売されている。
- 耐久性が強く、傷がつきにくい。
- 熱や湿気の影響を受けにくく、形状が変わりにくい。
短所
- 自作の場合は、加工が難しい。
- 加工が難しいため、水槽にぴったりとはまるようなフタを自作することが難しい。
- 水槽の設備変更をした際に、配線などがガラス製のフタに引っかかることがある。
- 水槽のサイズに合わないガラス製のフタは、水槽の中に落ちやすい。
5.網
網製の水槽用のフタは、夏場などの水温の上がりやすい時期に使われることの多い素材です。
エアコンやクーラーなどで冷やし続けることが出来ない水槽では、水槽のフタの裏側に湿気がたまりやすく水滴がつきます。水温も上昇しがちなので、夏場は水槽のフタを外す必要があります。
そんな時に便利なのが網製の水槽フタで、水槽の温度上昇を防ぎ、熱帯魚の飛び出しも防止してくれます。
網製の水槽のフタには、爬虫類用で網タイプのものと、塩化ビニール板に沢山の穴が開いているパンチングボードタイプがあります。
長所
- 園芸用の網などを使用して、水槽のフタとして代用することができる。
- 網タイプのものは加工がしやすい。
短所
- 水槽の匂いが気になる場合がある。
- 小さい熱帯魚は飛び出してしまう場合がある。
6.食品包装用ラップフィルム
食品包装用のラップフィルムは、主に小型水槽の、水槽のフタとして便利な素材です。
小型の水草水槽や、卵胎生メダカの稚魚用水槽、病気の熱帯魚の隔離用水槽などの、熱帯魚の飛び出しを防止してくれます。水槽のサイズにもぴったり合わせることができるため、食品包装用のラップフィルムは、小型水槽のフタとしては便利な素材です。
熱に弱いので、照明のすぐ近くなどには使わないようにしてくださいね。
長所
- 小型の水槽であれば、フタとして代用しやすい。
- 加工がしやすく、中心に穴を開けてエサやりができる。
- 購入しやすく、交換がしやすい。
短所
- 破れやすく耐久性が弱い。
- サイズの合わない大型の水槽などには水槽のフタとしては向いていない。
水槽のフタはオーダーメイドがおススメな理由!
☆現在、主流になっている、上部開放型の、水槽のフタがないタイプの水槽では、水槽のフタの後付けが難しい種類の商品もあり、その場合は、自作やオーダーメイドでのフタの設置が必要になってきます。
水槽のフタのない水槽は、湿気が外部に漏れだしやすく、特に上部に照明を使用している場合は、湿気で照明器具が錆びたりすることもあります。
そのような事態を防ぐためにも、水槽のフタはあった方がよく、自作や既製品の購入が難しい場合は、オーダーメイドで水槽のフタを作ってもらうのもおススメな方法です。
オーダーメイドで追加可能な水槽フタのオプション

(画像)パンチング板仕様のスライド式の水槽用フタ/オーダーメイドのハムスター用のアクリル製ケージ
ホース用穴あけ、U字加工
オーダーメイドの水槽フタには、オーバフロー水槽などで使用するホース用の穴あけ加工を施すことが可能です。また、水槽機材の形状にあわせた水槽フタのU字加工にも対応しています。
ボルト留め加工
アロワナなどの大型魚を飼育している水槽では、アロワナが水槽機材に体当たりすることがあります。大型魚を飼う水槽では、水槽内の器材の破損を防ぐ対策も重要ですが、水槽の外に大型魚が飛び出さないようにする工夫も必要です。
オーダーメイドの水槽フタでは、水槽のフタにボルト留め加工を施し、大型魚の飛び出しを防ぐことができます。
エサ穴加工
オーダーメイドの水槽フタに、ボルト留め加工を施した場合は、エサをあげるための穴を加工します。また、エサ穴に蓋をつけることも可能です。
パンチング板仕様
パンチング板仕様の水槽フタは、サンショウウオなどの湿気を嫌う生き物を飼育するときに使用するフタです。
パンチングボード板の水槽フタを自作する場合は、ドリルなどの工具が必要で、開ける穴の数も多いので作業に時間がかかります。
オーダーメイドの水槽フタの場合は、水槽サイズや用途にあわせたパンチング板仕様の水槽フタを注文することができます。
スライド開閉加工
爬虫類や両生類を飼育する水槽では、スライド開閉加工された水槽フタがあると便利です。
オーダーメイドで、スライド開閉式の水槽フタを作ってもらうことが可能です。
取手加工
オーダーメイドの水槽フタでは、スライド開閉式の水槽フタに、取っ手を取り付けることが可能です。
取っ手を取り付けることで、スライド開閉式の水槽フタを開けやすくなります。
ソリ止め加工
塩ビ板やアクリル製などの水槽フタは、湿気を吸い、四方が上に反る場合があります。
オーダーメイドの水槽フタでは、一枚板の長い水槽フタに、反り止め加工を施すことが可能です。
ポリカーボネート板仕様
ポリカーボネート板の水槽フタは、光の透過率は下がりますが、衝撃強度に優れた透明プラスチック板で作られており、非常に丈夫な水槽フタです。
ポリカーボネートの耐衝撃強度は透明プラスチック材料の中でも最高クラスといわれており、戦闘機のコクピットの天蓋にも使用されています。
オーダーメイドの水槽フタでは、ポリカーボネート板を使用した丈夫な水槽フタを作ることが可能です。
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(株)東京アクアガーデンでは、オーダーメイド水槽の販売をおこなっています。水槽サイズにぴったり合わせた理想のフタを設置したい方は、是非、ご相談なさってみてくださいね。
まとめ・水槽のフタ選び・ポイントと注意点!自作や特注など理想のフタについて
今回は、水槽の理想のフタ、水槽のフタの素材や使用時の注意点についてご紹介させていただきました。
加工が簡単な素材の水槽フタほど、傷つきやすいという欠点がありますが、短期的な使用には向いています。
水槽のフタにある程度の強度や透明度を持たせたいという方は、ガラス製やアクリル製の素材を検討してみるのもいいでしょう。また、水槽フタに必要な条件を満たすことのできる特注のオーダーメイドの水槽フタもおススメです。
それぞれの水槽サイズに合った、水槽のフタで快適なアクアリウムライフをおすごしくださいね!
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水槽のプロ トロピカライターの山田です。
金魚飼育を経てから熱帯魚を飼うようになりました。
趣味は水族館とアクアリウムショップ巡りです。
長年の飼育経験を活かしつつ、アクアリウムに関する様々な情報をお届けさせていただきます。