水槽レイアウトでよく使用される水草ですが、サイズによって前景・中景・後景と使用する位置が変わってきます。アクアリウム初心者だと、どの水草も育成方法は同じだろうと思いがちですが、それぞれに育成のコツやレイアウト時のポイントがあるんです。
レイアウト前にきちんと水草のことを知っておかないと、後から後悔することもあります。そこで今回は水槽レイアウトで使用される水草の中でも、「中景草」として使用される水草の種類や、レイアウトのコツなどについてお話していきます。
目次
水槽レイアウトで中景草になる水草ベスト10をご紹介!
水槽レイアウトで中景になる水草はたくさんありますが、今回はその中から比較的育てやすく、アクアリウム初心者から上級者まで幅広く使えるものをメインに10種類ご紹介していきます。
前景向きの水草についてはこちらの記事で詳しく書かれています。
初心者向けの水草に関してはこちらをどうぞ。
上級者向けの水草記事もあります。
ベスト1.アヌビアス・ナナ
アヌビアス・ナナは初心者でも育てやすく、アクアリウム上級者でも水槽レイアウトで使用する定番の水草です。ロゼットタイプの水草で、根を土の中に張らずに岩や流木に活着して育ち、CO2不要、後景草の影になるような光の弱い所でも育ちます。
水槽レイアウトでは前景から後景へのつなぎとして使用されることも多いですが、岩や流木などに活着させることで水槽レイアウトのポイントとして使うことも可能です。
ベスト2.クリプトコリネ・ウェンティー・グリーン
クリプトコリネ・ウェンティー・グリーンは「陰性水草」なので、低光量でも育ちやすくCO2の添加も不要な水草です。水換え時や購入時の水質や水温の変化で葉が溶けやすいので、導入時や水換え時の水質や水温に注意する必要があります。
光量が強いと葉の色が茶色に変わる傾向にあり、CO2が多い場合には葉が大きく育ちます。
水槽レイアウトで使用するときにボリュームを持たせたいのであれば、いくつかの株をまとめて植えるようにします。しかし土中に「ランナー」を出して増えていくので、育っていくと全く関係のない場所から新芽がでることがあるんです。
成長が遅いためトリミングの手間はあまりかかりませんが、ランナーが出ることによって水槽のレイアウトが崩れることがあるので、ランナーを切り取ったり植え直すことでレイアウトを維持する手間がかかります。
ベスト3.アマゾンソード
ロゼット型のアマゾンソードは熱帯魚の産卵床にもなる水草で、流通量も多くホームセンターの熱帯魚コーナーや、アクアショップで入手することが可能です。
CO2添加不要で育てやすいため、アクアリウム初心者向けの水草としてよく紹介されています。
水槽レイアウトで使用するときには、土中にあまり深く植え込まないというポイントがあります。アマゾンソードを底材に植え込むときに、浮いてくるのを避けるために深く植えてしまう人がいます。
アマゾンソードは茎の中心部から新芽が出てくるので、その部分を土の中に植え込んでしまうと新芽が出てくるのを妨げてしまうので、最悪の場合枯れてしまいます。
水槽レイアウトで中景草として使用する場合は、中型~大型の水槽で使用することが多いです。小型水槽で使用したい場合は、程度にトリミングを行うことで、水槽のレイアウトに合わせて小さめに育てることが可能です。
ベスト4.ブリクサショートリーフ
ブリクサ・ショートリーフは見た目はロゼット型の水草に見えますが、有茎草の水草で、ランナーなどを出すことはありません。
草丈は15cmほどになりある程度の数をまとめて植えることで、水槽内に草むらを作りやすいという特徴があります。
CO2不要で肥料は多め、日当たりの良い場所で育てる必要がありますが、育成は遅めです。
ソイルなどに植えた後、根を伸ばして成長していきますが根張りが強く引き抜きにくいため、水槽レイアウトで使用する際は植え込む場所に注意する必要があります。
中景草として使用できますが、前景の中に草むらをワンポイントで作る、足元が寂しい光景草の前に植え込むといった使い方もできます。
ベスト5.アマゾンチドメグサ
アマゾンチドメグサは「ブラジリアン・ペニウォート」という別名のある中景向きの水草ですが、元々は浮遊性の水草なので浮力が強いです。
独特なコインに近い形状の葉を持ち、水槽レイアウトのアクセントとしてよく利用されています。
地中に根を張るタイプですが、根はとても細かく水流に流されない程度の弱い根張りで、CO2不要で育ちますが、水槽内の環境がよければ育成スピードは速く、光量が足りないと下葉が黄色く変色し溶けていくので注意する必要があります。
アマゾンチドメグサを水槽レイアウトで使用するときは、植え込み方に注意しましょう。根張りが弱く浮力があるため、植えこむときは節2つ分を土に植え込むことで、節が引っ掛かって浮き上がりにくくなります。
やや株元が寂しい印象があるので、しっかりと前景で根元をカバーし後景へのつなぎに使用すると圧迫感を感じにくいでしょう。
ベスト6.バコパ・モンニエリ
バコパ・モンニエリは元々は海外の品種でしたが、日本に帰化している有茎の水草です。古くから熱帯魚水槽で使用されているので、アクアリストの間でもよく知らています。
育成はアクアリウム初心者でも簡単で、CO2添加なしで育てることが可能です。光に向かって真っすぐに育つちますが、成長は遅めです。
水槽に植え込む時は下から1~2つ目の節にある葉をカットして、深めに土に植えることで抜けにくくすることができます。
水槽レイアウトで使用する際には、トリミングが重要なポイントです。前景の水草の草丈に合わせて、カット部分を見えにくくすることで綺麗な状態を保つことができます。
ベスト7.ウォーターウィステリア
ウォーターウィステリアは中景から後景向きの水草で、「ハイグロフィラ・ディフォルミス」という別名があります。
CO2の添加がなくても育ち、アクアリウム初心者向けの水草としても知られており、タンポポの葉のような印象のある水草で、根張りがしっかりすると成長が早くなり、葉の長さが10cmくらいになることも多いです。
水槽レイアウトで使用する場合、植えっぱなしにしてしまうと茎が太くなって葉も大きくなるため、適度なトリミングで大きさを調整する必要があります。
トリミングの際は前景の水草でカットした部分を隠すようにしたほうが、見た目が綺麗でまとまりもよくなります。
ベスト8.ミリオフィラム・ガイアナドワーフ
ミリオフィラム・ガイアナドワーフはCO2添加が必要なので、ある程度水草の育成に慣れてきたアクアリウム初心者から上級者向けとなります。ミリオフィラムは後景で使われることが多いですが、このガイアナドワーフはミリオフィラムの中では一番小型の品種です。有茎草で葉は2cm~3cmと細かく、成長はやや遅めなため葉や茎にコケが付きやすい傾向にあります。
水槽レイアウトで使用するときは、後景に使用する水草の足元を隠すのに使う人が多いです。
差し戻しで比較的簡単に育つので、茂みを作りたいときはわざわざ新しく購入しなくてもトリミングでカットしたものを差し戻すことで、こんもりとした綺麗な茂みを作れます。
ベスト9.ベトナム・スプライト
ベトナム・スプライトは「ミズワラビ」や「アメリカンスプライト・ベトナム」、「アメリカンベトナムスプライト」という別名を持つ水草です。アメリカンスプライトとよく似ていますが、葉のねじれが細かいという特徴があり土に植え込むだけでなく、水に浮かべた状態で育てるとこも可能です。
ウォータースプライトの仲間は強い光を必要とせず、ベトナム・スプライトはCO2添加なしで育てることが可能ですが、成長が早い水草です。
水槽レイアウトでは中景から後景に使用されることが多く、水槽レイアウトで使用するときは「繁殖力が強い」点に注意しましょう。
ベトナム・スプライトは親株の葉に子株がたくさんつくので容易に増えるので、増やしたくないときは葉事切り取って子株を取り除く必要があります。
成長してきたらこまめなトリミングを行い、株が増えるのを防ぎましょう。
ボリュームのある水草なので、植え込むときはやや広めのスペースを取る必要があります。
ベスト10.テンプルプラント コンパクト
テンプルプラント コンパクトは「ミニテンプルプラント」と呼ばれることもあり、テンプルプラントを品種改良したものです。
CO2添加はあったほうがよく、明るめの環境を好むので光量もある程度必要になってきます。
改良種なためか寿命がやや短め、株が古くなってくると葉が落ちるので植え替えなどの目安になります。
水槽レイアウトでは前景~中景に使用され、水槽レイアウトのワンポイントとして草むらを作ることができ、中景や後景の水草の株元を隠すのにも適しています。
【おすすめの中景草ベスト10】中景草で用いる水草のレイアウトや種類も紹介まとめ
今回は水槽レイアウトで中景草として使用することのできる水草を、10種類ご紹介してきました。中景草は前景草と比較すると、比較的アクアリウム初心者でも育てやすい品種が多いです。
中景草は熱帯魚などの隠れ場所や、産卵床などにも適しているものが多いので、水槽レイアウトで中景草を使用するときは、飼育している生き物との相性なども考えて選ぶのもポイントと言えるでしょう。

水槽のプロ トロピカライターの杠葉 狼です。
アベニー・パファーやバジスバジスなど小さくて綺麗な熱帯魚やベタ、ブラックゴーストなどちょっと変わった熱帯魚が好きです。
熱帯魚飼育初心者さんにお役に立つ記事を書いていきます。