水槽にヒビが入ってしまった!水槽から水が漏れている!
でも今すぐ代わりの水槽を用意するのは無理だ、どうしよう…!!なんてことが起こったときのために、水槽の割れや水漏れに対する応急処置を紹介します。
とにかく新しい水槽が来るまで何とかもってほしい…という場合に利用してください。
これはあくまでも「応急処置」ですので、水槽の破損を見つけたらすぐに新しい水槽を用意してください!
目次
ガラス水槽のガラス面にヒビが入ったら
かなりマズい状態です!
ガラス水槽はガラス面にヒビが入った場合、水圧でそこから一気に割れるので修理は難しいです。水って本当に重いですからね。
ですから最悪の場合は、バケツなど他の容器に魚を一時的に移すことも考えなければなりません。
上下にプラスチックの縁のあるタイプの水槽であれば、ガラス面にヒビが入ってもダクトテープを使って外側から上下の縁も巻き込むように貼り付ければ多少は耐えてくれることもあるようです。
テープの力で水圧を抑えるといったイメージですね。
あくまでも応急処置にはなりますが、他のことにも使えるテープなので一つ家に買い置きしておくのが安心かもしれません。
シリコンの接着面がはがれて水漏れしているなら
ガラス同士の接着面、つまりシリコンの接着面の剥離などには下の商品で応急処置ができます。
こちらは接着剤ではなくシリコンのような樹脂です。
この樹脂で割れ目をふさいで、水漏れを一時的にでも止めるといった応急処置になります。
こんなアイテムは不向きです
家にあるんだけど、このアイテムは使えるかな?いいえ、下のようなアイテムは水槽のヒビ割れ・水漏れの処置には不向きです。↓
商品の説明に書かれている通り、「浸透性に優れた特殊レジンがキズに浸透、硬化することで、キズの広がりを防ぎ、目立たなくする」。そう、傷を見えなくする効果しかありません。
家にあるアイテムで補修をするなら、どんな効果があるのかをしっかり確かめてから使ってください。ただし、繰り返しになりますがあくまでも「応急処置」です。いつまでもつかわかりませんので、早急に代わりの水槽を用意しましょう。
水槽が割れる・水が漏れる原因は
一番いいのは、水槽が割れないようにすること。
ではどうしたら割れてしまうのか、原因を知りそれを避けることを考えてみましょう。
原因その1 不安定なところに設置した
水槽だけでも重いですが水は本当に重いです。
ご自宅の水槽のサイズをはかってみてください。縦かける横かける深さのぶんだけ水が入りますので、たとえば一般的な60センチ水槽であれば
60 × 30 × 35 = 63000グラム =63キログラム
水だけでこれだけの重量になります。大人一人分ですね。
こういったかなりの重量のものを置く台にはそれなりの強度が必要です。それを考慮せず、テレビ台などで代用すると水槽がたわんで水槽の一点だけに負荷がかかり、水槽が割れる原因になります。
水槽を設置する際は、水槽用の台や耐加重が水槽の重量を超えている台に設置しましょう。メタルラックなどは簡単にゆがみます。
台よりも水槽が大きいのは論外です。当然ですが水槽がゆがみ、割れの原因になります。
また、台がしっかりしていても床がゆがんでいたら水槽をまっすぐに設置することはできません。床がしっかり水平かどうかも確認したいところです。
原因その2 水槽の一部に負荷をかけすぎた
水槽に何かを取り付けていると、そこだけに負荷がかかって割れる恐れがあります。
ネジでライトを取り付けたり、ふたを乗せてさらにその上に重いものを乗せたりしていませんか?注意が必要です!
原因その3 掃除のときなどにガラス面に傷が入った
ガラス水槽は一般に丈夫といわれるため、力をいれてゴシゴシ…とやることも多いかと思いますが、こすりすぎは傷をつける原因になってしまいます。
ついた傷は小さくても、水の力は本当に強いですから徐々に亀裂が広がり気づいたら…ということもあります。ガラス面のこすりすぎは止めましょう。
また、ガラス面を叩くのもよくありません。小さいお子さんがいらっしゃるご家庭ですとよくある光景かもしれませんが、叩かないように注意してあげてください。
原因その4 経年劣化
ガラス面は大丈夫でも、接着剤やシリコンは劣化していきます。
淡水ではおよそ4~6年、海水でおよそ3~5年が寿命とされていますので、かなりの年数が経っている水槽は買い替えの時期かもしれません。
原因その5 生体の衝突
大きな魚をせまい水槽で飼育している場合に考えられる原因です。
大きな魚は力も強いため、衝突によりガラス面に傷がついたということですね。大きな魚を飼育する場合はサイズに余裕をもって水槽を用意してあげたいものです。
割れない水槽はある?
上で説明したとおり、どんな水槽にも経年劣化というものがあるので何年かしたら交換する必要があります。それは面倒…という人は「割れない水槽があればなぁ」と思いますよね。
frpという強化素材をご存知ですか?
繊維強化プラスチックのことでプラスチックの中に繊維を入れて強度をアップしている素材です。それで作った水槽もあります。
ただし致命的な欠点があり、透明ではないのです…下の画像のようなものが多いですね。
メリットは強度が強いこと、腐食しにくいこと、保温性が良いこと、等があげられます。経年劣化は20年ほどしたら起こるといわれています。
デメリットは透明ではないこと、衝撃を与えると割れることなどがあげられます。
まとめ:水槽にヒビが入ったり水が漏れたら
一番いいのはすぐに他の容器に生体を移動させ、新しい水槽を用意することですが、そうできない場合がありますので、応急処置をご紹介しました。
水槽が割れたり水が漏れる原因についても併せて紹介しましたので、日ごろから細かいことを気をつけていただけたらと思います。
水槽の水が部屋の中にぶちまけられたら…考えるだけでも気が遠くなるような事件ですので、可能な限り対策を講じてそのようなことが起こらないようにあらかじめ注意しておきましょう!

水槽のプロ トロピカライターの高井です。
遺伝子学が専門分野で、高校の理科教師として、日々、生徒たちに自然の偉大さを教えています。
アクアリウム全般が好きで、現在はアベニーパファーのトリコ。
ピンセットでアベニーにアカムシを食べさせるのが日々の癒しです。