メダカは品種改良が盛んで、2019年現在400種類以上もの品種があります。野生に近いシロメダカや黒メダカは1匹100~200円くらいから購入できますが、品種改良されたメダカだと1匹数千円~数万円もするものもあります。
高いメダカを購入しても、すぐに死なせてしまえばお金をどぶに捨てるようなものですし、誰もが長期間飼育を楽しみたいと思っていることでしょう。
そこで今回は、メダカ飼育初心者さん向けに、高いメダカを長生きさせるコツについてお話していきます。
高いメダカを長生きさせるコツとは?
「高級なメダカは他のメダカと飼育方法が違う」と思っていませんか?
実際には高級な品種改良メダカも、楊貴妃のような原種に近く比較的安価なメダカも飼育のコツは特に変わりはないんです。
一般的なメダカ飼育のコツをきちんと押さえていれば、高級メダカでも長期飼育しやすい環境ができ、長く楽しむことができます。
ここからはメダカを長期飼育するコツについてお話していきますので、メダカ飼育初心者さんはしっかりと頭に入れ、メダカ飼育慣れしている人は、おさらい程度に読んでおくとよいでしょう。
メダカの種類に関してはこちらの記事をご覧ください。
弱い水流で飼育する
メダカは自然では田んぼや流れのとても緩い小川にいる魚なので、強い水流に対しストレスを感じることが多いようです。
一般的に水槽で使用しているエアレーションは水流を作り出しますが、エアレーションの水流さえも強い場合があります。
またろ過器を使用している場合、吐水口から流れてくる水の水流の強さもメダカにとっては強い場合が多くストレスをため込み、体長を崩して寿命を短くする原因になってしまいます。
水草を多く入れることで水流を緩めることもできるので、水草がない・少ない場合は水草の量を増やしてみるのも水流対策になります。
水温を一定に保ち急変を防ぐ
野生のメダカは冬場水温が低くなると冬眠してしまいますが、冬眠のときには体力を使うため、生と死の間にいるような状態です。栄養や体力をしっかりと蓄えなければ、冬眠したまま死んでしまうこともあるんです。
夏は38度くらいまでなら生きていられるといわれていますが、人間と同じように高温になるとばてたり、体力が低下し死んでしまうこともあります。
メダカも人間のように気温の上下が激しいと体調を崩したり、ストレスをためて弱ってしまいます。そのため水温はヒーターや水槽用のクーラーを使用して、25度前後をキープしていれば、水温変化によるストレスや体調不良などを防ぎ長生きしやすくなります。
水温の管理方法に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
水質の悪化を防ぐ
メダカに限った話ではありませんが、餌の食べ残しやフンを放置していると、リンやアンモニアなどが発生しやすくなり、水質が悪化していきます。
特に夏は水温が高くなり、餌の食べ残しやフンの腐敗が早まるため、水質悪化が早くなります。水質が悪化してしまうと、メダカが病気にかかりやすくなってしまったり、水質が合わず死んでしまうこともあるんです。長期飼育をしたいのなら、こまめな水槽掃除で水質悪化を防ぎましょう。
飼育環境をいじりすぎない
水質の悪化や水槽掃除・水換えなどで水槽に人の手が入ることは多いですが、メダカのことを思っていて行っていたこれらの行為が、メダカにストレスを与えてしまっていることもあります。
メダカは丈夫な魚で、多少水質が悪くても環境に適応する能力があり、多少体調を崩しても、自分で回復するだけの能力があります。
しかし飼い主が必要以上に水換えや水槽掃除を行うことで、メダカにストレスを与えて、頻繁に変わってしまう水質や環境に適応しにくくなり長生きできなくなることも多いんです。
なかなか難しいことですが、餌を食べ残しがない少ない量を意識したり、過密環境を防ぐ、ろ過装置を使うなどして、なるべく水槽内をいじらないような飼育を心がけることが大切です。
水換えに関してはこちらの記事を参考にしてください。
メダカが落ち着ける環境で飼育する
鑑賞用として飼育されているメダカですが、実は臆病な魚なんです。野生環境下にいるメダカは、人影や動物などの影を見ると、すぐに水草や日陰、岩陰などに隠れてしまいます。
これは外敵から身を守る行為でもありますが、飼育環境下では透明な水槽や瓶・ガラスの金魚鉢などで飼育することで、常に人目にさらされてしまうためメダカは強いストレスを感じていることが多いです。
メダカのストレスを減らすために、水草を多めに入れたり、岩や流木で隠れ場所を作る、人通りの少ない場所に水槽を設置するなどといった方法があります。
メダカと相性の良い水草をこちらの記事で紹介していますので、参考にしてください。
過密飼育を避ける
メダカは繁殖力が高いため気が付いたら稚魚がいた、なんてこともよくあることです。しかし放置していてメダカが増えすぎ水槽内が過密状況になると、メダカは強いストレスを感じます。
例えるなら毎日の通勤電車で、ぎゅうぎゅうに人間が押し込められているのを想像してください。外から見ていても窮屈そうですが、電車内にいる人は窮屈さで強いストレスを感じますよね?
さらにメダカは縄張り意識もある魚なので、水槽内の数が増えてくるとストレスが強くなっていきます。ストレスでメダカを弱らせないためにも、水槽サイズに合わせて適切な数で飼育しましょう。
水槽サイズと飼育可能な数に関してはこちらの記事で解説しています。
餌は少な目にする
野生のメダカは水中にいるミジンコやゾウリムシといった植物性プランクトンや微生物を食べています。メダカ飼育用の人工餌は、栄養バランスが整っていますが、与える量が多くなると食べ過ぎで帰ってメダカに悪い影響が出てしまうことがあります。
また餌を与えすぎて食べ残しが発生すると水質悪化の原因にもなるので、餌は少な目に、2~5分以内で食べきれる量を与えましょう。
メダカにオススメの餌と、与えるタイミングなどについては、こちらの記事を参考にしてください。
日光浴をさせる
メダカは骨を形成するのに必要な「ビタミンD」や「ビタミンA」といった栄養を、餌の栄養分から体内で作ることができません。ビタミンDやビタミンAは、太陽の光に含まれている紫外線を浴びることで、体内で作られる仕組みになっています。
日の当たらない場所で飼育すると、ビタミンDやAを作ることができず、弱って死んでしまいます。太陽の光のかわりにLEDや蛍光灯の光でも代用可能なので、毎日きちんと日光浴を指せるようにしましょう。
病気の早期発見・早期治療
メダカも水カビ病やおぐされ病などさまざまな病気にかかります。長生きさせたいのであれば、毎日餌やりのときなどに観察して、病気の早期発見・治療を行うことが大切です。
メダカの病気に関しては、以下の記事で解説しています。
飼育環境を安定させ、高級メダカの長期飼育を成功させよう!
高いめだかを長生きさせるコツについてお話しました。楊貴妃メダカをはじめ、さまざまな種類のいるめだかですが、長期飼育のコツは基本どれも同じです。この基本にプラスして、それぞれの種類の特徴を踏まえた飼育を上手に行うことが重要なポイントになってきます。
高いメダカを購入するときは、きちんとその種類の特徴などを調べておくことで、より長生きさせやすくなります。

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