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初心者からのディスカス飼育方法!水換えと餌、飼育数などのポイントを解説

ディスカスは熱帯魚を代表する魚種で、「熱帯魚の王様」の異名を持ちます。体高が高い円盤状の独特なフォルムや鮮やかな色合いが人々を魅了し、現在までに様々な改良品種が作出されています。

鑑賞性が高い一方で、複数での飼育が望ましい中型魚であることに加え、大食漢なことから水を汚しやすく、飼育難易度はやや高い熱帯魚と言えます。ここでは、ディスカスについて基本的な飼育法や飼育上のポイントなどをご紹介します。

ディスカス飼育の基本を動画で解説!

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ディスカス飼育の初心者がおさえるべきポイントを音声付きでご紹介します。

ディスカス飼育に挑戦!飼育の基本と“難しい”と言われる5つのポイント

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ディスカスとはどのような熱帯魚か?

特徴

ディスカスはスズキ目シクリッド科シムフィソドン属に分類されている淡水魚です。魚体は体高が高く強く側扁して円盤状になっており、その姿から名前は円盤を意味する「Disc」に由来しています。

体長は20cmほどにまで成長する、アクアリウムの分野では中型の魚種で、現在もなお品種改良が盛んで体色はバリエーションに富みます。

ワイルド種は南米アマゾン川流域に広く分布しており、流れが穏やかで水草や流木などで身を隠せる場所に生息しています。通常では群れを作って生活しており、動植物プランクトンや水生昆虫などを捕食しています。

飼育下での寿命は平均で5~10年ほどですが、飼育環境に依存するのは言うまでもなく、上手く管理できた場合には10年を超えて生きる個体もいるようです。

流通量や価格は種類によって大きく異なり、メジャーな種類であれば流通量も多く、価格も1000円ほどから入手が可能ですが、希少性が認められる個体だと10万円を超える値が付くこともあります。

種類

ディスカスの種類としては主に4の原種と改良品種に分けられ、改良品種はターコイズ系やピジョン系などの品種があります。ここでは、主に流通しているディスカスの種類をご紹介します。

ヘッケルディスカス

世界で初めて認知されたディスカスの原種の1つで、発見者の名前にちなんで名付けられました。

体色や模様は産地によって異なりますが、基本的には黄褐色から橙色を基調に、黒色の横縞が9本入ります。その中央の線(前後から5本目)は特に太く明瞭なので、ヘッケルバンドと名付けられて本種を見分けるポイントとなっています。

グリーンディスカス

グリーンディスカス【ワイルド】テフェ産(約8-9cm)<1匹>[生体]

グリーンディスカス【ワイルド】テフェ産(約8-9cm)<1匹>[生体]

アマゾン川の最上流域に生息しているワイルドディスカスです。体色や模様は個体差が大きいのですが、基本的には黄色の体色を基調に魚体の周囲が黒色に縁どられ、ヘッケルディスカスのようなバンドは目立ちません。

個体によっては赤色のスポット模様が入るものも存在し、そのような模様を多く持つものは高値が付きます。

ブルーディスカス

アマゾン川の中流域に生息しているワイルド種で、黄色の体色を基調に青色の不規則な模様が入ります。

実は、ここで紹介している4原種は遺伝子的には同一の種類で、中でもブルーディスカスとグリーンディスカスは見た目が良く似ているため、個体によっては判別できないこともあります。

ブルーディスカスの場合は、青色の模様が魚体に満遍なく入る個体ほど良いとされ、高値で取引されています。

ブラウンディスカス

(熱帯魚)ブラウンディスカス(タイ産)(約4cm)<1匹>[生体]

ブラウンディスカスはアマゾン川の下流域に生息しているワイルド種です。褐色の体色を基調に魚体が黒色に縁どられることが特徴で、個体によってはバンドもはっきりと出ます。体色が赤色を帯びることもあり、そのような個体は価値が高いとされて人気があります。

ターコイズ系

(熱帯魚)ブリリアントターコイズ・ディスカス(Sサイズ)(1匹) 本州・四国限定[生体]

(熱帯魚)ブリリアントターコイズ・ディスカス(Sサイズ)(1匹) 本州・四国限定[生体]

改良品種のうち、体色が青色のものをターコイズ系と呼称しています。ディスカスブームの火付け役となった、鮮やかな青色が印象的な「ターコイズディスカス」や、青色の輝きが美しい「ブリリアントターコイズディスカス」などの品種がいます。

ピジョン系

(熱帯魚)ピジョン ブラッド ディスカス タイ産(約6cm)(1匹)[生体]

赤色の体色を持つ改良品種をピジョン系と呼んでいます。代表的な品種としては、赤色の不規則な模様が全身に入る「ピジョンブラッドディスカス」や、赤色の模様が網目のように細かく入る「チェッカーボードピジョンディスカス」などがいます。

その他

アルビノ ゴールデン ディスカス (約8cm)

アルビノ ゴールデン ディスカス (約8cm)

その他には、全身にほとんど柄が入らない「ソリッド系」や、突然変異のアルビノを固定してさらに品種改良を施した「アルビノ系」など、現在もなお様々な品種が作出されています。

ディスカスの飼育に必要な器具

ディスカスの飼育には主に以下に示す器具類が必要です。

  • 水槽
  • フィルター
  • 照明
  • ヒーター
  • エアレーション
  • カルキ抜き剤

水槽

ジェックス マリーナガラス水槽90cm MR-13Bi 黒枠ガラス水槽

ディスカスは体長20cmほどにまで大きくなるうえに、複数での飼育が基本なので、水槽はなるべく大きなものが必要です。終生飼育するためには最低でも60cmの規格水槽クラスが必要で、多くのディスカスや他の生体との混泳を楽しみたいのであれば、さらに大きな水槽が必要になります。

フィルター

ディスカスは動物食性が強いうえに、餌をたくさん必要とするので、水を汚しやすい熱帯魚です。そのため、フィルターはなるべく強力な形式が望ましく、候補としては上部式や外部式が挙げられますが、おすすめなのはメンテナンスが容易な上部式です。

ただし、水草との混泳を楽しみたいのであれば外部式の方が良いでしょう。本格的にディスカスの飼育を継続したいのであれば、オーバーフロー水槽の導入も一考の価値があります。

ディスカスの飼育方法

水温・水質

ディスカスの飼育に適した水温は27~32℃前後です。一般的な熱帯魚よりも高水温を好むため水温の管理には注意が必要で、気温が低い時期はヒーターが必須です。

水質はpH6.0程度までの弱酸性から中性の軟水を好みます。普通に飼育する分には、急変さえ避ければ若干アルカリ性側に傾いても問題ありませんが、発色を良くしたり繁殖を狙う場合は弱酸性の水質を保つ必要があります。

pHを弱酸性に傾けたいのであれば、ピートや流木などを入れると良いでしょう。

テトラ (Tetra) ディスカス 150g

ディスカスは動物食性が強いので生餌を好みます。しかし、生餌は水を汚しやすいうえに高価なので、人工飼料を中心に与えてたまに生餌を与えるようにすると、ディスカスの健康面でも管理の面でも有利です。

餌の種類としては、人工飼料はディスカス用に配合されたもの、生餌はディスカスハンバーグや乾燥クリル、アカムシやイトミミズなどが挙げられます。

与え方は、1日に2~3回食べ残さないだけの分量を与えます。食べ残しが発生すると水質の悪化を加速させてしまい、特に生餌は顕著なので与えすぎには注意してください。食べ残しが出た場合は、できるだけ取り除いておくと良いでしょう。

水槽レイアウトについて

ディスカスの飼育においては、底床材は敷かないベアタンクでの管理が基本です。なぜなら、前述したようにディスカスは水を汚しやすく、小まめなメンテナンスが求められるからです。

見栄えを良くするために底床材を導入したいのであれば、厚く敷くとメンテナンス性が悪化するので、底面が隠れる程度にごく薄く敷くにとどめた方が良いでしょう。

水草を導入したい場合は、流木や石などに活着させた状態のものや浮き草を入れると、それほどメンテナンス性を損なうことはありません。また、ディスカスは強い水流を嫌うので、フィルターの排水口の向きなどには注意してください。

混泳について

ディスカスは中型魚であることに加え、縄張り意識が強く高水温を好むので、混泳相手には注意が必要です。

まず、ディスカスの口に入るほどの小型魚は、捕食されてしまうので混泳できません。また、甲殻類も大好物なので、コケ取りに優秀なヤマトヌマエビなどのエビ類も混泳は不可です。

次に、遊泳層が重なるエンゼルフィッシュなどの熱帯魚とは、激しく喧嘩してしまうので混泳は避けた方が無難です。そして、ディスカスは臆病な性格をしており、自分よりも体が大きい魚がいると、怯えることによるストレスで弱ってしまう恐れがあります。

さらに、日本産淡水魚など、高水温を嫌う生体とは飼育環境を合わせられないので、やはり混泳はできません。

以上のことから、ディスカスと混泳できる生体の候補としては、ディスカス同士やネオンテトラなどの小型カラシン、コリドラスなどの底棲魚が主に挙げられます。

ただし、小型カラシンやコリドラスは、ディスカスとのサイズ差が大きいと捕食されてしまうので、十分に成長した成魚に限定してください。

メンテナンスについて

水作 プロホース エクストラ L サイズ

ディスカス水槽のメンテナンスの内容としては、水換えと水槽および周辺機器の掃除などです。水換えに関しては、ディスカスは大食漢で排せつ物の量も多く、水を汚しやすいので小まめな換水が要求されます

目安としては1週間に1回ですが、飼育環境に大きく左右されるので、水質検査キットで硝酸塩の濃度を測定して、ご自身の環境での期間を決めると良いでしょう。

水槽の掃除は基本的には水換えのタイミングで行います。プロホースなどのクリーナーがあると、底に溜まったフンなどのゴミ掃除と水換えを並行できるので便利です。この時、水槽内壁の汚れも落としておきましょう。

そして、数カ月に1度はフィルターの状態も確認しておき、必要に応じて内部の掃除やろ材の洗浄・交換を行ってください。特に、ディスカスの場合はろ材が汚れやすいので注意してください。

ディスカスは複数飼育が基本!飼育数には要注意!

ディスカスは自然下では群れを作っているので、飼育下でも複数で飼育してあげないとストレスを感じて発色が悪くなったり、怯えて物陰から出てこないなど、鑑賞性を損ねる可能性が高いです。

20cm近くの成魚サイズを安全に飼育できる目安としては、60cmの規格水槽で2匹(オスとメスのペア)90cm規格水槽で6匹前後120cm規格水槽だと8匹前後です。なお、この数値はあくまでも目安であり、飼育環境によって前後します。

それから、ディスカスは体高が高いためある程度の水深も必要で、推奨される水槽の高さとしては45cm以上です。60cm規格水槽の高さは36cmなので、同水槽での飼育は手狭な印象を受ける可能性があることは留意しておいてください。

飼育数が多くなりすぎると水質の維持管理が難しくなるので、過密状態にならないように注意してください。

まとめ・水換えや餌などディスカス飼育の基本について

ディスカスは熱帯魚の王様の異名を持つ代表的な観賞魚です。

その姿は人々を魅了し、現在までに様々な改良品種が作出されています。

鑑賞性は非常に高いのですが、その性質から大きめの設備と小まめなメンテナンスが要求されるので、飼育しやすい熱帯魚とは言い難いです。

同種同士での複数飼育が基本なのですが、個体数が増えるとその分だけ水が汚れやすくなります。

飼育環境に適した個体数を見極め、過密状態にならないよう注意してください。

コメント

  1. 匿名 より:

    参考になりました!

    • 中島 より:

      コメントありがとうございます!
      これからも参考にしていただける情報を発信できるように頑張ります。