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金魚の寄生虫と対処法!種類と対策を解説!季節の変わり目は特に注意!

実は、金魚に寄生し得る寄生虫は結構な種類が存在しています。寄生虫に寄生されることで発症する種々の「寄生虫症」を治療するためには、その寄生虫がどのような種類なのかを特定することが重要です。なぜなら、寄生虫の種類によって効果的な治療・駆除方法が異なるからです。

寄生虫症治療のポイントとしては、その寄生虫がどのような生態を持つか脱皮をするか否かの2点が挙げられます。ここでは、金魚に寄生し得る寄生虫の種類を紹介するとともに、それらが原因で発症する寄生虫症の対処法について解説していきます。


▼金魚の不調に関してはこちらもご参考にしてください。


寄生虫駆除のポイントについて

まず、なぜ寄生虫の生態を知ることが重要かというと、魚病薬は一般的に卵に対しては効果がなく、幼生時のみ、あるいは成虫時のみに薬効を発揮する物だからです。

そのため、寄生虫の繁殖サイクルに応じて投薬をし続けなければ、生き延びた寄生虫が繁殖してしまい、駆除ができないので注意してください。

次に、脱皮するか否かが重要な理由は、脱皮するタイプの寄生虫に対しては効果的な薬剤があるからです。それは「デミリン」と呼ばれる薬剤で、これは昆虫類の脱皮を阻害する効果があるので、害虫駆除を目的とした農薬として一般的には用いられています。

しかし、魚には比較的毒性が低いことから、金魚にも使用が可能です。さらに、デミリンは卵・幼生・成虫と全ての時期において効果が確認されている点もメリットです。

では、次からは代表的な寄生虫を挙げて、それぞれの特徴と症状に加えて具体的な対処法をご紹介していきます。

▼こちらもご参考にしてください。

金魚の代表的な寄生虫と対処法

イカリムシ(イカリムシ症)

寄生虫の特徴と症状

イカリムシは甲殻類に分類される寄生虫で、成虫の体長は5~9mm前後です。大きさから分かる通り、病魚の体表をよく見ると透明や白色、または灰色や黒色のひも状の物体として、イカリムシが確認できます。イカリムシに寄生されると体液を吸い取られ続け、やがて衰弱して死に至ります。

対処法

アグロカネショウ 殺虫剤 デミリン水和剤 100G

肉眼で見える大きさの成虫は、毛抜きなどで引っこ抜いてしまうことが効果的です。ただし、刺さっている頭部を残すと再生してしまうので注意してください。

また、金魚に大きなダメージを与えてしまうので、しっかりと刺さっている場合は無理に引き抜こうとはせず、薬浴による治療を行います。水中に幼生が漂っていることを考慮して、薬浴はいずれにせよ行う必要があります。

効果的な魚病薬としては、「デミリン」「リフィッシュ」が挙げられますが、イカリムシは脱皮して成長するので、卵などにも効果を発揮するデミリンが特に有効です。

市販されているデミリン水和剤の粉末を用いる場合の濃度は、水100Lに対して0.1~0.2g程度です。リフィッシュを用いる際はパッケージや説明書の表記に従ってください。

デミリンの場合は1回の散布で駆除できることが多いのですが、リフィッシュは幼生にしか効果がないので、2週間の間隔で2~3回の散布が推奨されています。

ツリガネムシ(エピスティリス症)

寄生虫の特徴と症状

ツリガネムシは繊毛虫類に分類される寄生虫で、名前の通り釣鐘のような形状をしています。初期症状は白点病に似ており、金魚の体に白点が現れますが、白点病のものよりは大きいです。

その白点はツリガネムシの集合体で、放っておくと体表組織が侵されて体内に侵入され、筋肉も破壊されてしまいます。病気が進むと、「尾ぐされ病」や「穴あき病」と見分けがつきにくくなるので注意してください。

対処法

【動物用医薬品】ニチドウ マラカイトグリーン水溶液 アグテン 250ml

治療は薬浴により行います。有効な魚病薬は「マラカイトグリーン」「マゾテン」が挙げられ、ツリガネムシによる傷に2次感染することを防ぐために、「グリーンFゴールド」を併用することも効果的です。投薬の間隔は10日おきに3回ほどで、塩浴と並行することも早期治療に有効です。

ウオジラミ(ウオジラミ症)

寄生虫の特徴と症状

ウオジラミは甲殻類の1種で、3~5mm程度の平たい楕円形をしている寄生虫です。同寄生虫は金魚の体表に付着して体液を吸って増殖するので、多数のウオジラミに寄生されると衰弱したりストレスにより死亡する危険があります。

対処法

【動物用医薬品】ニチドウ リフィッシュ 観賞魚用 40g

ウオジラミも成虫は肉眼で確認できるので、イカリムシと同様に毛抜きやピンセットで除去することが効果的です。また、卵や微細な幼虫が飼育水中に存在することを考慮して薬浴も行います。

有効な魚病薬としては「デミリン」「リフィッシュ」が挙げられます。ウオジラミもイカリムシと同様、脱皮をする生態を持つので、デミリンが特に効果的です。

リフィッシュは卵に対しては効果がないので、駆除するためには2~3週間の間隔で、薬を2~3回に渡り反復散布する必要があります。

ウオノカイセンチュウ(白点病)

寄生虫の特徴と症状

ウオノカイセンチュウは繊毛虫の1種で、水中に常在しているので完全に駆除することは不可能です。とは言え恐ろしい寄生虫ではなく、金魚にとっては風邪のウイルスのような存在で、免疫力が正常であれば病気に至ることはありません。

初期症状としては、0.5~1mmほどの白点が魚体に散在しているのが確認できる程度ですが、病気が進行すると白点が全身に広がり、エラにまで及ぶと呼吸困難に陥り死亡する恐れがあります。

対処法

グリーンFゴールド顆粒 6g(2g×3包) 動物用医薬品

ウオノカイセンチュウは高水温下では繁殖できなくなるので、水温を30℃程度にまで上昇させます。そのうえで、「マゾテン」「メチレンブルー系」の薬剤を用いて薬浴させます。

メチレンブルーを主成分とする代表的な魚病薬としては、「グリーンF」「グリーンFゴールド」などが挙げられます。メチレンブルー系の薬剤は薬効が切れてくると色が薄くなるので、白点が消失するまで投薬を続けてください。

ダクチロギルス・ギロダクチルス(ダクチロギルス症・ギロダクチルス症)

寄生虫の特徴と症状

これらは扁形動物の単生類で体は長楕円形をしています。前端には口が、後端には鉤が付いた円盤状の器官(固着器)があり、その鉤を金魚の体表に打ち込んで体を固定、寄生します。

ダクチロギルスは主にエラに、ギロダクチルスはエラの他にヒレや体表にも寄生し、寄生された場所は赤く充血します。粘液の分泌が多くなるのも特徴で、エラに寄生された場合は呼吸困難になってしまうため、早期の治療が重要です。

対処法

動物用医薬品 マゾテン液-20% 50ml

治療は薬浴により行います。有効な魚病薬は、「マゾテン」「リフィッシュ」「トロピカルN」「トロピカルゴールド」などです。

また、エラへの寄生が見られた場合は、酸欠にならないようにエアレーションも強化しましょう。これらの寄生虫も駆除するためには、魚病薬を反復散布することが必要です。

トリコディナ(トリコディナ病)

寄生虫の特徴と症状

トリコディナは原生生物の繊毛虫に分類される寄生虫で、「サイクロキータ」とも呼ばれています。同寄生虫は円盤状の体を持ち、体の周囲にはたくさんの繊毛が付いており、肉眼では見えないほど小さいです。

初期症状としてはヒレの付け根などが充血する程度ですが、病気が進むと充血が全身に及び、粘液の異常分泌などが見られます。エラに寄生された場合は呼吸困難になる恐れがあるので、やはり早期の発見・治療が重要です。

対処法

同寄生虫も水中に常在しており、金魚の免疫力が正常であれば病気にはなりません。白点病と同様に風邪のような病気なので、水温を30℃ほどにまで上昇させて金魚の代謝を良くすることで早期治療につながります。

有効な魚病薬としては「グリーンF」「ニューグリーンF」などが挙げられ、初期段階であれば塩浴も有効です。投薬の目安としては1週間おきに3回程度です。

ミクソボルス(ミクソボルス症)

寄生虫の特徴と症状

ミクソボルスは粘液胞子虫とよぼれる原生生物の1種で、現在までに千種類以上が報告されています。体表やエラ、体内に浸入するものなど様々なタイプが存在しており、中でもエラに寄生するタイプは致死率が高いことで知られています。

症状としては、寄生箇所の体組織が変質させられ、患部に白点が現れます。その白点は5mm前後にまで大きくなることもあり、この状態になってしまうと内臓やエラ蓋などが圧迫されて機能不全を起こし、死に至ることも多いです。

対処法

残念ながら現在のところ、効果的な魚病薬ならびに治療法がありません。紫外線や抗生物質に弱いという報告もありますが、金魚の体内にそれらの効力を届けることは困難です。

しかし、寄生虫の生態の関係で、ある時期が来ると金魚から離れ、自然治癒することもあるので金魚が衰弱死しないように環境を整えることが重要です。特に、エラに異常が見られた場合は、酸欠にならないようエアレーションを強化してあげましょう。

また、発症してしまった場合は感染の拡大を防ぐために、水槽のリセットや設備の買い替えを行うことをおすすめします。

寄生虫症治療の注意点と予防について

リフィッシュなど魚病薬の中には水温28℃以上で毒性が強くなるものがあるので、パッケージや説明書をよく読んで水温に注意して薬浴させてください。特に、初夏から初秋にかけては、ヒーターを使わずとも水温が高くなるので気を付けてください。

また、いずれの寄生虫も水質が悪化していると増殖してしまうので、常日頃から水換えなどのメンテナンスはしっかりと行いましょう。

そして、季節の変わり目は水温が変化しやすいため、金魚も体調を崩しやすい季節と言えます。冬から春などは寄生虫も活発になる時期なので、日頃からよく観察して異常にいち早く気付けるようにすることが重要です。

それから、寄生虫は外部から持ち込まれることが多いので、新しい金魚を迎える時は必ずトリートメント期間を設けるようにしましょう。

まとめ・金魚の寄生虫の種類と対処法について

寄生虫を駆除するためには、その寄生虫がどのような種類なのか特定することが重要です。治療のポイントとしては、その寄生虫がどのような生態を持っているか、脱皮をするか否かの2点が挙げられ、脱皮をするタイプの寄生虫にはデミリンが特に効果的です。

季節の変わり目は水温の変化が大きく、金魚も体調を崩しやすい時期なので、水質の管理にはいつも以上に注意してください。また、寄生虫は外部から持ち込むことが多いので新しい個体を迎える時は、トリートメントをしてから水槽などに入れるようにしましょう。