最近流行のメダカ、飼育していますか?
「買ってきたときに比べて、色が変わってきたような気がするんだけど…」
そう!メダカは飼育環境で体の色が変わるのです。メダカは身を守るため、体色を保護色にする本能が備わっているんです。白い容器なら淡く、黒い容器なら濃く変化する性質を持っています。それをうまく利用すれば希望の発色に近づけることもできるんですよ。
今回はメダカの体色と飼育環境の関係について説明していきます。
目次
メダカは保護色で体色の濃淡が変わる
メダカの色は保護色の作用から、飼育する容器や環境によって変わります。
メダカは小さくてとても弱い魚ですよね。だから環境の色に合わせた体色でいることが、身を守るポイントになるというわけです。
メダカの体表には、色素胞とよばれる組織があります。この色素胞は黒、黄色、白、青、虹色の6種類に分類されています。メダカの色彩が豊かなのはこのためです。
その色素胞は環境によってサイズが変わるので、メダカの体色は様々に変化します。例えばヒメダカは黒い色素胞を持っていないため、体色が明るい黄色~オレンジ色となります。ですから、生まれつき持っていない色に変化させることは不可能で、あくまでも「元の色をより鮮やかにさせる」という意識で行いましょう。
飼育容器で体色が変わります!
メダカは黒などの濃い色の容器や底砂で育てると黒い色素胞が刺激されて、体色が濃く育ちます。「色が濃くなったな」と思って白っぽい容器・底砂に変えると、その色に合わせて色が薄くなってしまいますので注意しましょう。
最近はラメのウロコを持つメダカも多いですが、ラメ鱗は光の反射で目立つだけですので、色が抜けませんから、そのまま残ります。
メダカは自分の目に入った色を判断して、その色に自分の体の色を近づけるのだそうです。なかなか面白い性質ですね。きっとそうやって自然界を生き抜いてきたのでしょう。
色揚げ用の餌の効果とは
保護色になる性質を利用するのも体色を変えるのに良い方法ですが、「色揚げ」用の餌も販売されていますね。そういったものにはどんな効果があるでしょうか。
市販の人工餌の効果
基本的に市販されている色揚げ用の餌は、「赤い色素」を濃くする効果があります。
アスタキサンチンという成分が配合され、メダカが体内で作ることができない赤い色素を補給し、蓄積してくれるのです。アスタキサンチンは、鮭の切り身やイクラに含まれている天然の赤い色素です。
メダカはアスタキサンチンではそれほど強く色揚げしませんが、水槽飼育の場合は水質を維持する必要があるため、こういった人工餌に頼る必要がでてきます。
他にも下のリンクの餌のような、カロチノイドを配合した人工餌も販売されています。カロチノイドも天然の色素で、植物から抽出される色素ですから、こちらも安心して与えることができますね。
屋外飼育での色揚げなら植物性の餌がおすすめ
屋外飼育で睡蓮鉢や庭の池でメダカを育てている場合には、もっと色揚げ効果の高い餌を使うことも出来ます。
より高い色揚げ効果を求める場合は、スピルリナやクロレラなどの植物性の餌が向いています。スピルリナやクロレラを与えると魚の黄色味が強くなることが知られています。
濃縮生クロレラ 30ml 原液 1本 グリーンウォーター 300リットル相当
室内の水槽で飼育するときにこのような餌を使うと、水が緑色に濁ってしまいます。正直美しくはありませんし、緑色の水だとメダカそのものが見づらくなってしまいますので、おすすめできません。
メダカは日光に当てると体色が濃くなる!
他にメダカの体色を濃くする方法に、太陽光に当てるという方法もあります。魚も日焼けをすると体色が濃くなるのです。紫外線から身を守るためでしょう。
太陽光には殺菌効果もある!
メダカはしっかり太陽光にあててあげることで、鮮やかな色合いに成長します。ラメのウロコは太陽光の効果でより一層美しく輝きますので、非常に映えます。
メリットはそれだけでなく、太陽光には殺菌効果がありますし、メダカのビタミン吸収にも役立ちますので、健康に育てることができます。また、メダカには欠かせない水草も、日光で元気に成長します!
夏の高水温には注意しよう
ただし、夏場に長時間太陽光に当てると、水が非常に高温になる恐れがあります。
睡蓮鉢など、水の量が少な目だとなおさらですね。そういった場合は、すだれを半分かけるなど、遮光してある部分を作ると上手に調節できます。
何度も夏を越しているなら問題ありませんが、初めての夏を迎える場合…特に気温が高くなる日は、数時間おきに水温をチェックしてあげましょう。
また、台風などにも注意しましょう!
グリーンウォーターでの色揚げ効果は一石二鳥!
グリーンウォーターでメダカを育てると、一層色揚げに効果的です。
グリーンウォーターというのは、水の中に植物プランクトンが豊富に生きている状態です。上で説明した通り、植物性の餌はメダカの色揚げにとても効果がありますので、グリーンウォーターでも同じ効果が見込めるというわけです。
また、グリーンウォーターに含まれる植物プランクトンはとても嗜好性が高いので、メダカがぱくぱく食べてくれるので健康に飼育することができるというメリットもあります。
グリーンウォーターのその他のメリット、デメリット、作り方などについては下のリンクを参考にしてください!
まとめ:メダカの色は環境で変わるって知っていましたか?保護色と色揚げの関係とは
メダカの保護色による色の変化、餌による色揚げの効果、太陽光による色揚げなどについて解説しました。
メダカは小さな魚ですが、環境の変化など、いろいろなこと感じながら生きています。底砂、容器などを工夫して理想の発色のメダカを育成してみませんか?

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コメント
色は遺伝かと思ってました。驚きです。
遺伝した色柄・体型をベースに、環境の要素が加わるイメージですね。
発色する素質があっても、飼育環境によっては十分に引き出されないこともあります。