皆さんは金魚というと、どれくらいの大きさを想像しますか?
お祭りの金魚すくいサイズのものを思い浮かべる方が、多いのではないでしょうか。
実は金魚の祖先をたどっていくと「フナ」に辿り着くんです!
原種のフナに近いものほど、その血を濃く受け継いでいるので大きくなりやすいんです。また愛好家の手で大きくなるように品種改良されたものもあるんですよ。
今回は和金やコメット、オランダシシガシラなど、大きくなる金魚7種類の紹介と、金魚の歴史についてお話していきます。
目次
大きくなる金魚の種類7選!
それではまず金魚の中でも特に大きくなりなりやすい品種を、7種類ご紹介していきます。
これから購入を考えている方は、水槽サイズなどに気を付けてくださいね。
和金
和金はすべての金魚の原点といってよい品種で、実は海外から入ってきた「緋鮒(ヒブナ)」が変異してしまったもの。変異したものをそのまま固定化しているので、体型はフナに似ています。
金魚すくいでもよく目にする品種で個人宅での飼育環境下では、体長は20cm前後になることが多いですが、環境がよいと30cmを超えることも。しかし過去にはゴルフ場にある池に放たれた和金が、50cmという大きさで発見されたこともあります。
原種に非常に近いという特徴から、金魚の中でも気性が激しく、繁殖期人るとオスがメスを傷つけてしまうことも。大人しい品種の金魚や体格差のあるものと同じ水槽に入れると、いじめが発生することが多いです。
コメット
コメットは日本国内ではなくアメリカで品種改良されたもの。和金と琉金をかけ合わせていて、体型が和金に似て尾ひれが琉金のように長いという特徴があります。
販売価格が安く金魚の中でも丈夫なほうなので、アクアリウム初心者にもおすすめされやすいです。
遊泳能力の高い品種ですが、こちらも大きいものは25~30cm近くに成長します。
泳ぐスピードが速いので、泳ぎの苦手な金魚や動きの遅い金魚と一緒の水槽に入れると、他の金魚が餌を取られてしまう可能性があります。
朱文金
朱文金は細めのフナに似た体型にフナの尾、赤・白・黒のキャリコ模様が特徴の品種です。
改良品種で親となる品種は三色出目金とフナ。そのため、外見だけでなく性格などもフナに近いものがあり、丈夫で飼育しやすいという特徴があります。
大きさは25~30cmになるものが多く、成長していくにつれ尾ひれもしっかりと伸びて泳ぐたびに綺麗にたなびきます。
オランダシシガシラ
オランダシシガシラは、頭にある肉瘤が特徴的な金魚。
中国から輸入されたもので当時は渡来品を「オランダ物」と呼んでいたこと、頭の肉瘤から獅子を連想できることからこの名前が付いたそうです。
もとは琉金なのですが、突然変異で頭に肉瘤を持ったもの同士をかけ合わせて、品種として固定化して作られました。身体の色は赤やオレンジを目にすることが多いですが白や黒、更紗などさまざまなパターンがあります。
肉瘤を持つ品種はいくつかありますが、オランダシシガシラは30cmくらいにまで成長し、肉瘤を持つ品種の中でもかなり大きくなります。
ジャンボオランダ(ジャンボ獅子頭)
ジャンボオランダはオランダシシガシラと和金をかけ合わせた品種で、金魚の中でもけた違いに大きくなります。成長すると50cmくらいになるものが多いので、飼育水槽は120cmは欲しいところです。
熊本県の長洲には、「ジャンボ獅子頭愛好会」があり、ジャンボシシガシラの普及を目指しています。
ジャンボ東錦・隼人錦
ジャンボ東錦は元々大きく育ちやすい傾向にある東錦と、ジャンボオランダをかけあわせたもの。肉瘤がなく尾が短めなものがいるのですが、こちらは隼人錦と呼ばれています。
大きさは35~40cm程度になることが多いですが、飼育環境がよいとさらに大きくなることも。
隼人和金
隼人錦和金は隼人錦から派生して、特徴を固定化したものです。和金の中で最大ともいわれていて、大きさは最大で40cmになります。一般の和金よりも体がしっかりしていて肉厚な体型です。
大きくなる金魚の歴史
金魚はフナが原種なのですが、フナの大きさがどれくらいか知っていますか?
フナにはいくかの種類が存在しますが、キンブナで15cm、ギンブナで30cm、オオギンブナで40cmにまで成長します。そしてヨーロッパや中国北部に分布している、ヨーロッパブナは60cmとかなり大型です。
自然の中で伸び伸びと育つフナは大きくなりやすく、そのフナを改良した金魚はフナの血が薄くなり、フナの体型から離れてしまった品種ほどそれほど大きく成長することなく、小型になります。しかしその分、体高が立派になるという特徴があるんです。
小型で美的に優れた観賞用の金魚の改良が進む中、愛好家などの手により、ジャンボシシガシラのような、大きくなる品種の研究も行われ、現在に至っています。
まとめ:大きくなる金魚の種類7選!和金・オランダ系など大きく育つ金魚をご紹介
今回は大きく育つ金魚を7種類ご紹介しました。金魚は飼育環境によって、ある程度体の大きさを制限することもできます。しかし余裕のある大きさの水槽で、水や餌などの環境がピッタリ当てはまると、かなり大きくなってしまうこともあります。
マンションやアパートなどに住む方が多くなり、水槽や生き物も小型のものが好まれる傾向にありますが、金魚は割と大きくなりやすい魚で、今回ご紹介した品種はその中でも特に大きくなります。
後から大きくなって水槽サイズが合わない、大きな水槽に入れ替えるスペースがないといったことがないよう、飼育前に成長後のサイズなどを調べてから飼育するようにしてくださいね。

水槽のプロ トロピカライターの杠葉 狼です。
アベニー・パファーやバジスバジスなど小さくて綺麗な熱帯魚やベタ、ブラックゴーストなどちょっと変わった熱帯魚が好きです。
熱帯魚飼育初心者さんにお役に立つ記事を書いていきます。