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水草の液肥を徹底解剖!カリウムや鉄分、微量元素まで役割を解説します

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水草の色が褪せてきている、何となく元気がないといったときは、栄養が不足しているのかもしれません。
水草は魚などが排出する有機物と照明を糧に、ある程度成長することができますが、品種によってはこれだけでは栄養が不足してしまうことがあります。

また、自然に発生する成分だけでは偏りが出るため、水草をより美しく育成したいときは、必要な栄養素を的確に補う必要があるのです。

このようなときにおすすめなのが水草専用の液肥。液肥ならば水に添加するだけで栄養を補給することができますし、不足しがちなカリウムや鉄分などをピンポイントで補うことも可能です。

今回のコラムでは水草の液肥の必要性と、配合されている栄養素・微量元素のの役割、おすすめの液肥などを解説します。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストたちの意見をもとに水草の液肥と各栄養素の役割を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

水草を美しく育成するには、様々な栄養素を必要に応じて与えることが大切です。
液肥には水草が成長するのに必要な成分が多分に含まれていますので、水草の状態に応じて使い分けましょう。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水草の液肥と各栄養素の役割を解説します。

水草用液肥の必要性


水草の育成には液肥が必要と言われていますが、特に何もしなくても枯れたりせずに問題なく成長することも多いです。

では液肥を使う理由はどこにあるのでしょうか。

水草の成長に必要な要素は主に二つ、養分と光です。水槽の中では、魚のがバクテリアにより分解された際に発生する硝酸塩が養分水槽用照明が光となり水草は育つわけですが、これはあくまで最低限の要素
より鮮やかな色味や艶やかな葉を持った水草に育てるには、他にもカリウムや鉄分などの様々な栄養素が必要となります。

しかし、これらの栄養は水槽内に自然発生することがほぼありません

そこで水草が必要とする栄養を補うために登場するのが液肥です。液肥には水草を美しく育て、維持するための成分が含まれており、水槽内で不足しがちな栄養素を添加することができます。

液肥を使うことで、水槽内の環境を水草が生えている自然環境の栄養バランスに近づけることができるのです。

固形肥料やソイルとの違い


水草の育成に必要な栄養素を補う肥料には、液肥の他にも固形肥料やソイルがあります。
どれも肥料であることに変わりありませんが、使い方や使うタイミング、効果の持続性などが異なりますので、状況に合わせて使い分けるのが良いでしょう。

飼育水の混ぜて使う液肥は、いつでも添加できるのが最大の利点です。
即効性に優れているので、水草の状態から必要な液肥を選んで添加するだけで効果が表れますし、全体のバランスを見ながら肥料の量を微調整したいときにも向いています。
底砂に植えない活着水草などにも栄養を与えることができるのも、ポイントです。
ただ、水換えをすると液肥で添加した成分が失われてしまうため、こまめに添加しなければなりません。

固形肥料や栄養を含んだソイルは、水草を植え付ける前の水槽をセットする段階で底に敷いておくものです。
水換えなどで栄養分が失われることがなく、効果が長く続きます。特に根から栄養を吸収しやすいタイプの水草には効果絶大です。
しかし、底に敷いてしまう関係上、水草を植え付けた後に肥料の量を減らすようなことができず、養分が多すぎてコケの発生を招くなどの弊害が出ることがあります。
底砂に植えないタイプの水草が多い水槽では効果を感じづらいのもデメリットです。

また、液肥より長いとはいえ固形肥料やソイルも効果が切れたら交換が必要になります。ソイルは形が崩れてきたら、固形肥料は水草の成長が鈍くなってきたら新しいものに交換しましょう。

液肥を使うタイミング

水草用の液肥は、水草の元気がないときに添加しましょう
色がくすんできた、艶が無くなってきた、葉が変色してきているなど、何となく調子を崩していると感じたら、液肥を使うタイミングです。

枯れているように見えても液肥を与えたら新芽が出てきて復活した、という例もありますので、諦めずにケアしてみることをおすすめします。

たまに、水換えのタイミングなどで機械的に液肥を与えているという方もいますが、液肥を入れ過ぎるとコケの繁茂や水の富栄養化など、別のトラブルを招くことがありますので、必ず様子を見ながら必要なときに添加するようにしてください。

水草用液肥に含まれる成分と効能


水草用の液肥には主に以下の6つの栄養素が含まれています。

  • カリウム
  • 鉄分
  • 窒素
  • リン
  • マグネシウム・カルシウム
  • 微量元素

どれも水草の育成に必要不可欠な成分で、添加することでそれぞれに違った効能があります。

液肥によって成分の含有量が異なりますので、効能を確認したうえで必要な成分が多く含まれた製品を使用しましょう

カリウム

カリウムには、水草の光合成を促す効果があります。

水草の成長に一番必要といっても過言でないほど重要な栄養素ですが、減りやすい上に水換えをするたびに流出してしまうので、優先的に添加しましょう
飼育水のpHやKHの上昇を抑える働きもあるため、水草が好む水作りにも最適です。

ただ、多すぎるとカルシウムやマグネシウムの吸収を抑えてしまいますので、過剰になり過ぎないよう注意してください。

  • 水草の葉の先端が白っぽくなった
  • 葉が縮れてきた
  • 茎が赤みを帯びてきた

などの症状が出た時はカリウムが不足している可能性があります。

鉄分

鉄分は水草の白化を防ぐために必要な栄養素です。鉄分を適量添加することで、若々しく美しい発色になります。

  • 水草の成長点(茎の先端)が白や黄色くなった

という場合は鉄不足を疑いましょう。

鉄分も水換えで流出しやすいので、添加の優先度は高めです。

窒素

窒素には水草の成長を促したり、発色を良くしたりする効果があります。
こちらも育成には必要不可欠ですが、魚のフンなどに多く含まれる成分なので、生き物を飼育している水槽ならば不足することはほぼありません

むしろ多すぎると、

  • カリウムの吸収を妨げる
  • コケが発生しやすくなる
  • 水草が間延びする

といった弊害が出ますので、心辺りがあるときは水換えをして除去するようにしましょう。

リン

リンには新芽の成長を促す効果があります。
育ち盛りの若い水草が多い水槽では減りやすいですが、こちらも生き物がいる水槽では自然供給されるので、添加の優先度は低めです。

過剰になると、

  • カリウムの吸収を妨げる
  • pHが下がる

といったことの原因になるため、水質に変化があるときは水換えをして取り除きましょう。

マグネシウム、カルシウム

マグネシウムやカルシウムなどのミネラルには、水草の成長や発色を助ける効果があります。
不足すると水草がひょろひょろと間延びしてしまうので、力強い水草に育てたい時にはミネラルを補給しましょう。

ただし、多すぎるとカリウムやリンの吸収を妨げるため、やり過ぎは禁物です。

微量元素

水草の液肥でいうところの微量元素は、ホウ素、塩素、マンガン、鉄、亜鉛、銅、モリブデン、ニッケルなどです。
このうち特に不足しがちな鉄分は別記されていることもありますが、概ねこの成分が入っていると考えてよいでしょう。

微量元素も水草の成長や発色に必要な要素で、不足していると調子を崩すことがあります。
前項であげた栄養を与えても水草が回復しないときは、微量元素入りの液肥を添加してみるのがおすすめです。

おすすめの水草用液肥5選


ここからは、使いやすく栄養バランスに優れた液肥を5つご紹介します。

それぞれ含まれている栄養素や配合が異なりますので、前項の効能を参考に水草の状態に合わせた液肥を選んでみてください。

テトラ フローラプライド

テトラ (Tetra) フローラプライド 100ml 水質調整剤 水草 肥料

水草水槽で不足しがちなカリウムが多く含まれた栄養剤です。
その他のミネラルや微量元素もバランスよく配合されているので、不足成分に迷ったときには、まずこちらを添加してみると良いでしょう。

値段も手ごろで入手しやすく、総合的に見て使いやすいので初心者の方にもおすすめです。

カミハタ トロピカ 緑液

カミハタ トロピカ 水草用液体栄養剤 緑液 300ml

オールインワンな水草用液肥です。
窒素・リン・カリウム・鉄・マンガン・亜鉛・マグネシウムから、ホウ酸やモリブデンなども配合されているため、1本で強力な養分補給ができます。

ただ、リンなども豊富なため、水草が十分に育っていないと、コケが生えやすいです。
水草植え込み直後の水槽にはリンと窒素が含まれていない同シリーズの『茶液』を使用しましょう。

メネデール 水草の活力素

メネデール 活力剤 メネデール 水草の活力素 500ml

園芸用の肥料でも有名なメネデール社製の液肥です。
鉄分の補給に優れており、赤の発色を良くする二価鉄が含まれているので、特に赤い水草を育てている水槽におすすめします。

他の液肥に良く含まれているリンや窒素といった栄養成分は含まれていないので、他の液肥と併用するのもおすすめです。

APT ZERO

The 2Hr Aquarist 水草 肥料 栄養剤 液体肥料 ゼロ(ZERO)【正規代理店】 アクアリウム 水槽 液肥 (500ML)

人気の液体肥料ブランドから発売されている、藻類(コケ)を発生させにくい液肥です。

カリウムを特に多く含んでおり、リン・窒素が無いので、こまめな添加に向いています。
マイルドな効果ではあるものの、フンなどの生体由来の養分が豊富な水槽におすすめです。

ソネケミファ 上手に水草を育てる栄養剤

Sone Chemiphar ソネケミファ ソネケミファ その他 250ml

生き生きとした水草に育てるために欠かせない、カリウムと微量元素が多く配合されています
新芽の育成促進、根張りの促進、コケの抑制といった効果が見込めますので、立ち上げたばかりの水草水槽にもおすすめです。

まとめ:水草の液肥を徹底解剖!カリウムや鉄分、微量元素まで役割を解説します


今回は、水草の育成に欠かせない液肥の成分や各栄養素の役割、おすすめの商品などについて解説しました。

液肥にはカリウムや鉄、ミネラル、微量元素など様々な栄養素が含まれています。不足している成分によって水草に現れる症状が異なりますので、水草の状態を見て適切な液肥を選んで添加することが大切です。

迷ったときには、成分バランスが良い総合的な商品を選んでみてください。

液肥を上手に使い分けて、素敵な水草水槽を作りましょう。

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執筆者 アクアガーデン

アクアガーデンのスタッフが水槽レンタル・リース、メンテナンス、引っ越しサービスなど様々なサービスを通して得たアクアリウムの経験や知識をコラムで発信しています。

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