バルーン型とは改良品種の1つでショートボディタイプとも呼ばれており、その名の通り原種よりも胴体が寸詰まりになっていて、丸みを帯びたフォルムが特徴です。
現在ではモーリーやプラティ、グラミーなど様々な魚種のバルーン型が作出されており、そのユニークな姿や可愛らしい仕草から一定の人気を得ています。
そんなバルーン型の熱帯魚たちですが、原種と比較すると飼育難易度は高くなっている傾向にあります。なぜなら、その体形から総じて遊泳力が低くなっており、水流で衰弱したり餌を上手く取れないことがあるからです。
ここでは、バルーン型の熱帯魚の中でもおすすめの品種を取り上げ、飼育の際のポイントなどと一緒にご紹介します。
バルーン(風船)型の熱帯魚とは
ショートボディタイプとも呼ばれている改良品種で、その名の通り胴体が寸詰まり、丸みを帯びた風船のような体形をしている種類です。そのユニークな外見や可愛らしい仕草などから人気がありますが、原種と比較すると飼育難易度は高い傾向にあります。
なぜなら、バルーン型は胸ビレが小さくなっている種類が多いことに加え、丸みを帯びた魚体は水の抵抗を受けやすく、総じて遊泳力が低いためです。
よって、バルーン型を通常の体形の種類と混泳させると餌を取られてしまったり、強い水流が発生していると泳ぎ疲れて弱ってしまうので、飼育環境には注意してあげてください。
オススメのバルーン型熱帯魚5選
バルーンモーリー
原種はメキシコに分布しているセルフィンモーリーで、丈夫で飼育しやすいことからバルーン型の中では初心者にもおすすめできる品種です。丸みを帯びた魚体でチョコチョコと泳ぎ回る様子は可愛らしく、体色もバリエーションに富むためレイアウト水槽に導入される例も多いです。
基本的には温厚で混泳相性は良好なのですが、個体によっては特に同種と小競り合いをすることがあります。喧嘩をしてしまう時は、隠れ場所となる水草やシェルターを多め入れておくと良いでしょう。
バルーンパールグラミー
マレーシアからインドネシアにかけて分布している、パールグラミーの改良品種です。模様は原種と同様に全身に真珠色のスポットが入り、体長が若干短くなっているので小型水槽でも飼育しやすくなっています。
同種間では小競り合いをするため、混泳させる時は隠れ家を多めに用意しておきましょう。
バルーンブルーダイヤモンドラミレジィ
ヨーロッパや東南アジアで品種改良が盛んなラミレジィ。その中でも特に人気があるブルーダイヤモンドラミレジィのバルーンタイプです。
やや気性が荒く、同種・多種ともに攻撃を仕掛けるので、混泳させる場合は十分に隠れ場所を作っておきましょう。その名の通り鮮やかな青色が美しく、バルーン型の体形と相まって魅力的な熱帯魚です。
バルーンプラティ
グッピーと同様に親しまれてきたプラティのバルーンタイプです。丈夫で飼育しやすいため、バルーンモーリーと同じく初心者にもおすすめの品種です。カラーバリエーションが豊富で、水槽に彩を与えてくれます。
植物食性が強く、柔らかい水草は食害に合いやすいのですが、コケも多少は食べてくれるのでコケ抑制に役立ちます。基本的には温厚ですが、同種間では小競り合いをする場合があるため、喧嘩が頻発するようでしたら、例によって隠れ家を多めに用意してください。
バルーンモンクホーシャ
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モンクホーシャのバルーン型で、原種と同様に赤く縁どられた目が印象的です。泳ぎが上手くないせいか原種より性格はマイルドになっており、混泳はさせやすくなっています。植物食性が強い点は変わらないため、水草は種類に注意してください。
バルーン型熱帯魚の飼育ポイント
強い水流は苦手!
バルーン型の品種は胸ビレが小さくなっているものが多く、丸みを帯びた体は水の抵抗を受けやすいです。そのため、総じて遊泳力が低く、強い水流がある環境だと衰弱してしまうので注意してください。
水流を抑えるためには、フィルターの排水とエアレーションの配置がポイントです。フィルターの排水が問題になるようでしたら、フローパイプやシャワーパイプを取り付けると、水流を分散させられて水の勢いを弱化できます。
エアレーションの場合はエアポンプの出力を絞ったり、隅の方にエアストーンを配置すると良いでしょう。
口が小さく泳ぎが苦手!給餌には工夫を!
バルーン型は口が小さく、おちょぼ口になっている品種が多いです。よって、原種と同じサイズの餌では、口に入らず上手く摂食できないことがあります。
また、前述の通り遊泳力が低いので、通常以上の遊泳力を持つ混泳魚が居ると、餌を取られて十分に食べられないことも考えられます。
したがって、バルーン型には粒径の小さい餌を用意してあげてください。原種用の餌が大きいようでしたら磨り潰して与えても良いです。そして、給餌の際にはバルーン型が食べられているかどうか、きちんと観察してください。
餌を他の個体に取られているようでしたら、混泳自体をやめたり、バルーン型の目前に餌を落としてあげると良いでしょう。
混泳相性は良好だけど季節と相手には要注意!
基本的には温厚な種類が多く混泳相性は良好なのですが、同種同士では小競り合いをする傾向にあります。
仮に喧嘩をしても重大な事態になることはありませんが、特に繁殖期になると顕著になるため、季節によっては水草やシェルターなど、隠れ家になるものを増やすなどの措置を講じましょう。
また、遊泳力が低いため、遊泳力が高く常に泳ぎ回っているような魚種が居ると、ストレスを感じやすいので避けた方が無難です。ちょっかいを出されても上手く躱せないため、他魚のヒレをかじる癖があるテトラ類などとの混泳も、よく観察したうえで注意して行ってください。
まとめ:風船みたいなかわいらしい熱帯魚5選!バルーン型の珍しい種類をご紹介!
バルーン型(ショートボディタイプ)とは改良品種の1つの形態で、原種と比較すると寸詰まりの魚体をしており、丸みを帯びた風船のようなフォルムが特徴です。ユニークな姿と可愛らしい動作が魅力的な品種ですが、原種よりも飼育環境の管理に注意が必要です。
その体形のせいで総じて泳ぎが苦手な傾向にあるため、強い水流が発生しないようにしたうえで、給餌や混泳相手にも気を使う必要があります。
とは言え、注意点さえ理解していれば、そこまで飼育が難しいわけではないので、特にバルーンモーリーやバルーンプラティなどは初心者にもおすすめできる種類です。他の品種にはない魅力があるため、ぜひバルーン型の熱帯魚飼育に挑戦してみてください。

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