ホテルのラウンジなどに設置されている、大きな水槽や特殊な形状をした水槽。
これらのほとんどはオーダーメイドでできています。
しかし多くの人が思うのが「オーダーメイドの水槽なんて高くて手が出せない」ということではないでしょうか?
でも実はオーダーメイド水槽は皆さんが思っているほど高くなく、さらに「板厚」などを調節すればもっと安く発注することも可能なんです!
今回はオーダーメイド水槽の値段を左右する条件や、安く購入するためのテクニックなどをご紹介いたします。
オーダーメイドは高くない?!
冒頭でもお話したように、オーダーメイドは皆さんが思っているほど高くはありません。
水槽に求める機能によってはむしろ、オーダーメイドした方が安く済む場合も多く存在するのです。
まずはオーダーメイド水槽の価格感や、値段を左右する板厚について解説していきます。
素材の価格感は市販水槽と変わらない
アクアリウムなど水槽の管理をある程度続けていると、「水槽にこんな機能を付けたい」という要望が湧いてくることがありますよね。
水槽の機能とは、たとえば耐久年数を長くするための補強や地震でのひび割れを防止する加工、コードをスッキリ見せるためのフタの加工などを指します。
このような特殊なオプションの付いた水槽をお求めの場合はむしろ、オーダーメイドした方が安く購入できるのです。
もちろんある程度自作をして対応することも可能ですが、素材の価格感はオーダーメイド水槽と市販の水槽では大きな差はありません。
自作するときの仕上がりや手間などを考えると、特殊なオプションの付いた水槽であればオーダーメイドの方が断然おすすめです。
価格=水槽の板厚!
オーダーメイド水槽の価格を大きく左右するもの、それが「板厚の厚さ」です。
板厚は水槽の素材やサイズによって増減し、長期間安全に使えるような耐久性をもたせるためには適切な板厚の厚さが必要です。
板厚が薄ければ薄いほどメリットが大きくなるということではありませんので、オーダーメイド水槽を安く発注したい場合は、ある程度の板厚の厚さでも済むような素材選び・サイズ選びをしましょう。
アクリル水槽とガラス水槽のサイズや価格を比較した記事もありますので是非読んでみてくださいね。60cm水槽であればアクリル水槽よりもガラス水槽の方が安く済むという、意外な結果にも注目です。
アクリル水槽のイメージ別発注テクニック
ここからは、90×45×45cmの水槽を基準にして、理想的かつ耐久性の高い水槽をなるべく安く発注するポイントを解説していきます。
アクリル水槽とガラス水槽の2パターンのうち、まずはアクリル水槽の発注テクニックを見ていきましょう。
フランジをスッキリさせたい!
アクリル水槽は耐水圧の関係から、フランジの取り付けが必須です。
どうしてもフランジをなくしたい場合はアクリルのつなぎ目を特殊な方法で接着した重合接着がおすすめですが、水族館の大型水槽にも取り入れられる方法とあってかなり高額になってしまいます。
そのようなとき、フランジをなくすのではなくスッキリ見せる方法として、「天板くり抜き加工」を試してみるのはいかがでしょうか。
この加工ではアクリルの一枚板をくり抜いてフランジ部分を作成するため、複数のアクリル板を組み合わせて作成する通常のフランジよりもスッキリときれいに仕上がります。
フランジについて詳しく解説した記事や、ご紹介した「天板くり抜き加工」の制作事例についてはこちらの記事でも詳しく解説してますので、ご覧になってみてくださいね。
背面を色付きにしたい!
水槽の背面やサイドを黒や青っぽくすると、シンプルなレイアウトでも生き物や水草が良く映えて美しく見えますよね。
そのような理由から水槽にバックスクリーンを貼り付けるという方は多いと思いますが、実はアクリルの色板を使った方が安く発注できる場合があるのを存知でしたか?
黒やブルーなどさまざまな色味のアクリル板から好みのものを選び、色を付けたい面だけ、選んだカラーアクリルで作成します。
厚さ15mmまで用意されているので、大型水槽でも対応可能。複数の側面を加工したい場合は絶対にお得です!
カラーアクリルを使った水槽の制作事例については、こちらのブログをご覧ください。
ガラス水槽のイメージ別発注テクニック
続いてはガラス水槽の発注テクニックについて、サイズは同じく90×45×45cmの水槽を基準にして解説します。
価格を安くしたい!
ガラス水槽を安くオーダーメイドするには、シンプルにサイズを見直してみるのが一番です。
その理由は、水槽の奥行きや高さによって水圧が変わり、必要となる板厚の厚さが変わる可能性があるためです。
水槽の横幅など、ここだけは変えたくないという辺は極力そのままにして、高さや奥行きを調節してみましょう。
実際に見積もってみると、W900×D600×H450mmの水槽では10mm厚のガラスを使用するため75,000円(税込) なのに対し、W900×D400×H450mmの水槽では8mm厚のガラスで済むため35,000円(税込)となった事例があります。
奥行きを20cm変更するだけで倍以上の価格の差がつくのは結構驚きですよね。
高透過ガラス水槽が欲しいけど高い!
ガラス特有の緑みを抑えた、高透過ガラス水槽。ガラスの厚みが増しても透明度が保たれるため観賞性に優れた水槽と言えますが、その反面、非常に高価でなかなか手の出せない価格帯だということがネックです。
それでも高透過ガラスで水槽を作成したい場合、東京アクアガーデンでは指定の側面だけ高透過ガラス仕様にする「コンビガラス水槽」を提案しています。
たとえば底面や背面などを通常のガラス、その他の面を高透過ガラスで作成すると、全面を高透過ガラスにするよりも価格をグッと抑えることができるのです。
コンビガラス水槽を実際に制作したときの事例や、ガラス水槽の観賞性を左右する「シリコン」について解説した記事もありますので、是非参考にしてください。
まとめ:オーダーメイド水槽って高いの?値段が決まる条件・発注のポイントをご紹介
今回はなるべく費用を抑えつつ、理想の水槽を手に入れるための発注テクニックについて解説してきました。
高いという先入観から敬遠されがちなオーダーメイド水槽ですが、板厚を意識して素材やサイズを調節するだけでも大幅に価格を抑えることが可能です。
アクリル水槽であればフランジの加工方法を変えてみたり、ガラス水槽であれば高透過ガラスを使用する面を指定するなど、今回ご紹介したポイントを意識して、見栄えの良い水槽を手に入れましょう。
また、円形や多角形などの特殊な形状をした「特殊水槽」について解説した記事もありますので、水槽をオーダーメイドする際はこちらも是非参考にしてみてくださいね。

トロピカライターの井上あゆみです。
金魚から熱帯魚・海水魚まで、全部で20種類程度のお魚を飼育してきました。
お気に入りはイエローヘッド・ジョーフィッシュ。怒ったような顔をしているのに、実はかなり臆病というなかなか憎めない海水魚です。アクアリウム初心者の方でも楽しく読めるような記事を書いていくので、よろしくお願い致します!