金魚水槽といえば投げ込み式や上部フィルターが一般的で、外部フィルターを目にする機会は多くありません。
外部フィルターは浄化能力が高く、水が汚れやすい金魚水槽に向いているはず。それなのに出番が少ないのは“酸素供給量”と“メンテナンスのしやすさ”が関係しています。
今回は、金魚水槽に外部フィルターを使うメリットとデメリットを解説しつつ、管理法をご紹介します。
目次
金魚水槽を外部フィルターで管理するのは難しい?
金魚水槽を外部フィルターのみで管理するのは正直、難しい面があります。
それは、メリットに対してデメリットが目立つのが原因です。ただ、状況によってはそのメリットが活きることもあるため、使用する場面を選ぶことが重要といえます。
金魚飼育での外部フィルターのメリット
金魚水槽で外部フィルターを使用するメリットをご紹介します。
なかには外部フィルターならではのメリットもあるので、水槽の問題点を解決するのに効果的であれば導入するのも一つの手です。
水流・水音が穏やか
外部フィルターは水流や水温が穏やかなのが特徴です。
琉金やランチュウなど、ヒレが長いタイプの金魚は強い水流を好まないため、その点では金魚に優しい設計といえます。
また、水音が静かなので就寝時に気になる人にもおすすめです。投げ込み式と比べると泡が弾けることで起こる水しぶきの心配がないのも良い点でしょう。
生物ろ過が強力
外部フィルターは高いろ過能力が最大のメリットと言っても過言ではありません。
豊富なろ材による生物ろ過は投げ込み式や上部フィルターにはまねできない芸当です。フンの量が多く水が汚れやすい金魚水槽では大きなメリットになります。
その特徴を活かして、大型の金魚水槽では上部フィルターや投げ込み式フィルターのサブとして使われることもあります。
水槽用クーラーなどを接続できる
水槽用クーラーや殺菌灯などを接続できるのも外部式フィルターの大きな特徴です。
立地的に夏場の水温が大きく上昇してしまう場合、水槽用クーラーは必須といえます。特に大型水槽の水温を下げたい際に冷却ファンでは性能が追い付かないため、水槽用クーラーの出番となります。
また、高額な金魚を飼育する際により安全な水質を求めて殺菌灯を使用する人も少なくありません。
これらのケースでは外部フィルターの存在意義が大きいので、導入を検討するのも良いでしょう。
殺菌灯についてはこちらの記事をご覧ください。
見た目がコンパクトに収まる
外部フィルターは見た目がコンパクトなので水槽周辺の景観を崩しません。
投げ込み式フィルターは例え小さいものであっても水槽内での存在感はなかなかのものです。また、上部フィルターは水槽の上部を圧迫してしまい、どうしても目につきます。
その点、外部フィルターは水槽台の中に収納できるので、すっきり収めることが可能です。エントランスなど、人目の多い場所であればスマートな印象を与えることができるため、おすすめのフィルターといえます。
金魚飼育での外部フィルターのデメリットと管理方法
金魚水槽で外部フィルターがあまり使われないのは「酸素供給量」と「メンテナンスの手間」が関係しています。
この2点が金魚飼育に向いていないので、投げ込み式や上部フィルターほど普及していません。
ここからは外部フィルターのデメリットを具体的に解説しつつ、管理法をご紹介します。
酸素供給がそれほど多くない
外部フィルターはその構造上、密閉性が高く酸素供給量がそれほど多くありません。
少数であれば問題ありませんが、生体の数が多いと酸素消費量が増え酸欠のリスクが高まります。
特に夏場は水中の溶存酸素量が減るため、要注意です。その点では水作フラワーなどの投げ込み式や上部フィルターのほうが理にかなっています。
外部フィルター飼育の場合は、エアレーションをつけよう
金魚水槽で外部フィルターを使用する場合はエアレーションをつけて酸素供給量を増やしましょう。
大型水槽だと水量が多いので、1個で心配であれば複数入れる、もしくはパワーの強いエアレーションを使うなどして調整します。
また、水中の溶存酸素を増やすことで、バクテリアを活性化させて病気を防ぐというメリットも。
外部フィルターを使用する場合はエアレーションも合わせて検討してみてください。
フィルター掃除が少し手間
外部フィルターは投げ込み式や上部フィルターと比べて掃除が面倒です。
金魚はフンの量が多く、フィルターがすぐ汚れてしまいます。その度に水流を止めたり、定期的にホースを外したりと作業量が多く、他のフィルターと比べると倍以上の時間がかかることも珍しくありません。
また、初心者の方にとっては接続パーツが多いので少し複雑です。メンテナンスのしやすさで考えると大きなデメリットと言わざるを得ません。
メンテナンスはこまめに行おう
金魚を飼育するのであれば面倒だからといって、メンテナンスを怠ってはいけません。
金魚はフンが多いため、フィルターにフンが入りやすいです。なので水が汚れやすいのでフィルターをこまめに掃除してろ過能力を維持する必要があります。ろ過能力を過信して掃除の頻度を下げると汚れがろ材に詰まり、流量が低下してしまうことも。
外部フィルターのメリットである高いろ過能力が発揮されないだけでなく酸素供給量の少なさも相まって、水質が悪化してしまうのでこまめなメンテナンスを心がけましょう。
掃除する際はバクテリアの量が減ることを気にするより「汚れがしっかり落ちたか」「汚泥が溜まっていないか」の2点を重視して行いましょう。
まとめ:金魚水槽に外部フィルターってどうなの?!メリットとデメリットと管理法
外部フィルターのメリット・デメリットを考えると、
- 金魚の数が多い大型水槽で他のフィルターと併用する
- 水槽用クーラーや殺菌灯を使いたい
- 寝室に置くので水音を抑えたい
- 水槽周辺をコンパクトに収めたい
といった場合は導入する価値があるでしょう。
しかし、小~中型水槽であれば、投げ込み式や上部フィルターのほうがメンテナンスしやすく冷却ファンを使うことで高水温対策もできます。
また、大型水槽で金魚の数が多い場合でも水換えの頻度を上げることで補うことが可能です。そう考えると、どうしてもデメリットのほうが目立ってしまいます。
外部フィルターのメリットが大きく活きるような環境であれば検討してみてください。そうでなければ、投げ込み式や上部フィルターをおすすめします。

トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。
コメント
はじめまして、昨日から金魚を飼いはじめた者です。こちらのサイトを参考にさせてもらい上手く水槽を立ち上げる事が出来たようです。金魚がエサを食べ排泄をきちんとしている事が確認出来ている為。
命有るものを飼うという事は大変な事ですが、金魚の一生の水域である水槽を綺麗に保ち、家である土管を綺麗に保ち、快適に過ごせるように面倒を面倒臭がらず面倒を見て飼っていきます。サイトを見はじめてまだ1週間程度ですが、これからも魚達と飼い主の為の参考になる記事を発信して下さい。
コメント・ご感想ありがとうございます!
金魚は本当に可愛いですし、飼い主の顔も覚えます。
これからも大切に育んでくださいね。
私たちもレイアウトや、飼育のうえでの素朴な疑問などを追及していきます。