水槽内の水温が高くなりすぎるのを防ぐために水槽用クーラーを使用するのは一般的ですが、効率よく冷やすことや、希望の水温まで下げるためには以下のポイントが重要になります。
- フィルターの循環ポンプと接続する
- クーラーの容量は水槽の水量よりも十分な余裕があるものにする
これらのポイントは水槽用クーラーを運用する上で基礎知識といえるものですが、きちんと理解していないとせっかくクーラーを導入しても思ったように温度管理ができず、水草やサンゴに悪影響が及んでしまうことも。
今回は水槽用クーラーを導入する前に知っておきたい基礎知識や、水槽用フィルターとクーラーの組み合わせ例などをご紹介します。
水槽用クーラーの基礎知識
水槽用クーラーは名前のとおり水槽に取り付ける冷却装置で、「水を冷やす」のが大きな役目です。
サンゴや水草など温度管理が大事になる場合や、熱帯魚などを飼育する場合も外気温が高く水温も上がりやすい夏場を中心に必需品といえるアイテムですが、どういったものを選ぶべきなのかや、稼働のさせ方といった基礎知識がないとせっかく水槽用クーラーを用意しても意味がないものになってしまいます。
まずは水槽用クーラーを導入する前に知っておきたい基礎知識についてお話します。
稼働にはポンプ接続が必要!
水槽用クーラーは外気温が30度を超えたりすることで、水槽内で飼育している生体や水草が耐えられない水温になってしまうことを防ぐために使うことが多い機材ですが、これを使って効率的に水を冷やそうとする場合はろ過フィルター(=循環ポンプ)に直接接続するやり方がいいです。
これは一般的な水槽用クーラーにはポンプがついていないことや、クーラーだけでは水槽の水を循環させられないため、水の汲み上げとろ過をフィルターにやってもらい、クーラーで冷やすといった相乗効果が得られることが大きな理由になっています。
希望する水温のためには、十分な容量を確保しよう
淡水魚や水草、サンゴなどの水槽で飼育する生き物たちは25℃付近が適温なことも多いですが、希望水温を決めて水槽用クーラーを使う場合、クーラーの容量(冷却能力)に余裕があるものを選ぶことも重要。
容量に余裕がないものを選んでしまうと、通常の状態で冷やすだけでもいっぱいいっぱいになってしまい、外気温が高くなるなどの急な水温変化に対応できず、希望水温まで下げられないことが起きてしまうためです。
近年は真夏を中心に35℃を超えるような猛暑日も多く、私たちも暑さに対応しきれないことも少なくないため、サンゴや水草など温度管理が重要な生き物を水槽内で飼育している場合は心配になることも多いことから水槽用クーラーもしっかり選んであげましょう。
水槽用クーラーの種類や選び方が気になる人はこちらの記事をチェック!
水槽用クーラーとエーハイムフィルターの組み合わせ例
ここまでは水槽用クーラーの基礎知識について見てきましたが、効率よく冷やすためにフィルターと組み合わせるといってもどんな大きさのフィルターにどれくらいのパワーを持つクーラーを組み合わせればいいかわからない、と悩んでしまうことも少なくありません。
外部フィルターの中でもポピュラーなエーハイムと、水槽用クーラーの中でも実績と信頼のゼンスイのクーラーとの組み合わせ例を水槽の大きさごとにご紹介します。
なお今回の組み合わせは室温が30~35℃で水温を25℃程度にする場合を想定した組み合わせです。それ以下の水温にしたい場合はクーラーをワンランク上のものにするようにしましょう。
30cm水槽:エーハイム2213+ゼンスイTEGARU
30㎝水槽の場合はゼンスイのチラー式水槽用クーラーの中でも最も小さいTEGARUとエーハイムの2213との組み合わせで問題ありません。
エーハイム2213は本来45~75㎝水槽用のフィルターなのでサイズが大きいと考える人もいるかもしれませんが、ただフィルターを使う場合と比較して流量を多く確保する必要があるため、意図的にフィルターもワンランク上のものにすることでいい結果が得られやすいです。
60cm水槽:エーハイム2215+ゼンスイZC-100
一般家庭だとやや大きめの水槽となる60㎝の場合はフィルターが2215、水槽用クーラーがZC-100の組み合わせが適しています。クーラー自体も大きめのものになりますが、チラー式なので冷却能力も高くそれでいて音も比較的静かなのは嬉しいところ。
暑い日でもしっかり温度をキープできるので中型水槽なら安心して使うことができる組み合わせです。
90cm水槽:エーハイム2217+ゼンスイZC-200α
しっかりとした大型水槽といえる90㎝水槽の場合は大型水槽向けの2217にZC-200αを組み合わせることで希望水温をキープすることができます。コストパフォーマンスも高く、温度調節も1℃単位で調節できますし海水水槽でも対応可能です。
120cm水槽:エーハイム2217+2213+ゼンスイZC-500α
規格水槽として最も大きい120㎝水槽の場合、ZC-500αを2217のフィルターに直付けする形になりますが、それだけだと対応しきれないため小型のフィルターである2213をサブで回すことでいい結果を得ることができます。
水槽が大きくなった場合はこのようにフィルターとクーラーの組み合わせとは別にサブのフィルターを用意することでフィルターの流量を補うことができるので、手持ちのフィルターとクーラーを使う場合にも役立てることができますよ。
まとめ:水槽用クーラーと外部フィルターの組み合わせ!接続で効率よく冷却しよう
水槽用フィルターは水槽内の生き物に適した温度を保つために重要なアイテムですが、効率よく冷やすためにはフィルターなどのポンプに接続することが重要だったり、十分な容量を持つものを選ぶ必要があるなど基礎知識を持つことがとても大事です。
水槽用クーラー選びでお悩みの際は今回の記事を参考に、フィルターとの組み合わせも考えて適した水温をキープできるようにしてあげてくださいね!

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