「アクアリウムに接着剤」と聞いて、どの場面で使用するのか疑問に思う人も少なくないでしょう。
主に流木や岩、サンゴといったレイアウト素材を固定したり水槽の配管を接着したりする際に使いますが、「使わなくても問題ない」という意見もあります。
たしかに、頻繁に使用されるものではありませんが、固定しにくい形状の素材や小さなものをつなげて1つのレイアウトを作る際に、あると非常に便利なアイテムです。
今回は、レイアウトや配管の接着といった用途に分けて、アクアリウム専用接着剤を5つご紹介します。
アクアリウムでも接着剤を使うことがある
アクアリウムで接着剤を使用する機会は多くないものの、
- 流木・岩を固定
- サンゴを固定
- 配管を固定
といった場面で重宝します。
レイアウトでは美観を損なわずしっかり固定できますし、オーバーフロー水槽の配管を接着すると水漏れを防ぐことが可能です。
ここからは、アクアリウムで接着剤を使用する場面を具体的に解説していきます。
流木・岩を固定
レイアウトで流木や岩を固定する際に使用します。
多くの場合は崩れないようバランスを取りながら組んでいくため、あまり無理な状態で固定することはできません。もし、岩などが崩れてしまえば、水槽の破損につながることもあります。
その点、接着剤を使うと、多少アンバランスな組み方でもしっかり固定できるので、より安全です。
「この岩の上にもう1つ置きたいけどバランスが少し心配」そのような場面では接着剤を活用すると良いでしょう。
また、小さめの流木を合わせて、より立体的に組み上げることもできます。使い方によってレイアウトの幅がグッと広がるアイテムです。
サンゴを固定
接着剤はサンゴの固定に使うこともあります。
サンゴは通常ライブロックのくぼみや隙間に配置しますが、不安定な場所だと落ちてしまうことがあります。長時間そのままの状態が続くと、サンゴが弱ってしまうこともあるため、落ちないに越したことはありません。
心配なようであれば、接着剤を使ってしっかり固定しましょう。ただし、一度固定すると基本的には移動することができないので、固定するかどうか慎重に考えた方が良いです。
配管を固定
レイアウト以外にも、オーバーフロー水槽の配管を固定するために接着剤を使用します。
一見、接着剤を使わなくてもしっかり固定できているように見えますが、時間の経過とともに水漏れすることも珍しくありません。
水漏れの場所によっては、水槽内の水が漏れ続ける可能性もあるので、ちょっと手間ですが、接着剤でしっかり固定することをおすすめします。一度固定すると、取り外すことが不可能なので、慎重に作業しましょう。
アクアリウム用接着剤5選
アクアリウム用の接着剤を、
- 流木・岩などレイアウト用
- サンゴ用
- 配管接着用
といった用途別に5つご紹介します。それぞれ特徴が異なりますので、目的に応じて使い分けましょう。
流木・岩などレイアウト用
流木や岩などのレイアウトに使う接着剤は、「シアノアクリレート(水や湿気によって秒単位で固まる接着剤成分)」を使います。すぐに固まるため、エビがいる水槽でも硬化状態に気を付ければ使用できます。
特性上、保存がきかないため、使いきりサイズのものが多いです。レイアウト素材の接着を目的として作られていることもあって、岩や水草流木など目的のものを接着しやすいテクスチャー(グルーやゼリーなど)と、水槽内で目立たないカラーになっています。
カミハタ ゼリー状接着剤
ゼリー状の接着剤で、主に水草と流木・石、もしくは流木同士を接着する際に使います。
糸やビニタイよりも短時間で接着できるのは、大きなメリットと言えるでしょう。通常の接着剤のように扱えるうえに、一度配置した水中のレイアウトパーツにも接着することが可能です。
その場合は、あらかじめ水草や流木に接着剤を付けておいて、水中の目的の場所に接着します。
カミハタ 液状接着剤
先ほどご紹介した接着剤の液状タイプです。
こちらは石・流木同士を接着する場合に使用します。
接着したいものの間に補助剤(綿)を挟み、そこに接着剤をしみ込ませるように付けます。固定するまでに少し時間はかかるものの、表面が平らではないものにも接着できるので、レイアウトの幅が広がる接着剤です。
アズー アクアスケーピンググルー
水草水槽用の接着剤で、水草を流木や岩といったレイアウトパーツに接着することができます。
また、小型の流木・岩同士を接着することも可能です。水槽外で接着しても良いですし、水槽に直接入れて水中で接着しても問題ありません。
デルフィス ゼリー状瞬間接着剤 クィックジェル
素早く接着できるゼリー状瞬間接着剤で、流木や岩などに水草を手軽に接着できます。
水槽外で接着しますが、水中に入れると白くなるため、あまり付けすぎると目立つので注意しましょう。水草以外にもサンゴの接着に使用することもできます。
サンゴ用
サンゴ用の接着剤もシアノアクリレートが使われているので、水分に反応して短時間でしっかり接着することができます。
トゥーリトルフィッシュズ コーラフィックス 液状タイプ
サンゴの接着を目的に作られた接着剤です。
水槽外でサンゴに付けてから、岩やライブロックに接着します。強力なものの、接着するまでに少々時間がかかるので、しっかり押さえて待ちましょう。
配管接着用
オーバーフロー水槽などの配管の接着に使用する接着剤です。
接合部に付けてつなげることで、しっかり固定することができます。
これまでご紹介したレイアウトに使うタイプとは別物なので、配管の接着のみに使うようにしましょう。
タフダイン 青
オーバーフロー水槽の塩ビ配管接着用です。グレー色のパイプに使用します。
塩ビ配管に付けて接着すると、しっかり固定出来て水漏れの心配がありません。強力に接着することから、一度接着すると外すことができないので、作業は慎重に行いましょう。
また、使用する際は、火気のない場所でよく換気しながら作業してください。
エビがいる場合はシアノアクリレートを使おう
エビがいる水槽では接着剤の成分に気を付ける必要があります。
エビは水質に敏感なので、専用のものでないと溶け出した成分によって悪影響を与えてしまうことにもなりかねません。
ただ、ここでご紹介したシアノアクリレートの接着剤であれば、水で即硬化するため安心して使用できます。それでも硬化状況や使用量によってはダメージを与えてしまう可能性があるため、慎重に使用しましょう。
ビーシュリンプなど特に小型で繊細なエビは注意です。
まとめ:アクアリウム専用接着剤5選!活着など用途別!エビも安心な接着剤とは?
アクアリウム専用接着剤は、必要不可欠なものではありませんが、あるとレイアウトの幅が広がったり時間を短縮できたりするおすすめのアイテムです。
効率良くレイアウトしたい、もしくはしっかり固定したい場合に重宝しますので、よろしければ使ってみてください。

トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。