水草水槽をこれから設置しよう。
または、現在水草水槽を管理していてこれから熱帯魚を導入するといった場合は、水草に害を与えない、または与えにくい熱帯魚を選定する必要があります。
もし、水草育成にとって逆効果となる熱帯魚を選び泳がせてしまうと、導入した翌日から水草にダメージを与えてしまったり、水草を底床から抜いてしまうなど、育成が困難となる可能性がでてきます。
ここでは、残念ながら水草水槽とって相性の悪い熱帯魚をいくつかご紹介していきます。
目次
水草水槽に不向きな熱帯魚の特徴
水草水槽に不向きな熱帯魚の特徴として、水草をかじってしまうこと、そして底床を荒らして水草を引き抜いてしまうことです。
簡単そうに聞こえそうな話しかもしれませんが、熱帯魚の特徴をしっかり把握していなければ失敗する可能性があります。
しかし、特徴を知って考えるということは、水草水槽へはじめてチャレンジする方にとってハードルが高いでしょう。
そこで、最低限下記生体だけでも導入は注意していきましょう。
アフリカンシクリッド
アフリカンシクリッドと水草の相性は良くありません。
アフリカンシクリッドは縄張り争いや、自身の住処を作るために底床をほじる習性もあり、水草を植栽していたとしても、水草が抜けてしまい長期育成に向いていません。
また、アフリカンシクリッドは弱アルカリ性を好みますので、水草の好む水質と異なることから、このようなところからもマッチしないと言えます。
アヌビアスナナやミクロソリウムなど、底床に植栽しなくても育成できる水草だとしても、水質が合わない、水草をクリーニングするメンテナンスフィッシュがシクリッドと相性が悪いため、長期的に美しく共生させることは非常に難しいと言えるでしょう。
プレコ類
中型以上のプレコはとくに、水草をかじりやすいとされています。
小型プレコも水草をかじるとされていますが、筆者の経験上アヌビアスナナやミクロソリウムなどの水草をボロボロにかじられるといった経験はしたことがありません。
たしかに、プレコ類は植物性のエサを好みますので、エサが不足してくれば水草をかじられる可能性はあります。
しかし、毎日給餌をする環境であれば深く気にする必要はないとおもいますが、筆者は少しでもリスクがあることはしませんので、水草水槽にプレコは絶対に導入しません。
また、どちらかと言えば、20センチ以上と大きく成長した場合、暴れて水草を引き抜いたり底床を荒らしたりする方が問題だと考えています。
エビ類
ヤマトヌマエビやミナミヌマエビは水草に生えるコケ食べますが、水草をかじることもあります。
ヤマトヌマエビよりコケ取り能力が弱いミナヌマエビ、繁殖し数が多くなると柔らかい水草の新芽をかじることはあります。
対処法は、水草に生えるコケのスピードとエビの量を適正にすることです。
これだけ十分です。
もし今現在、水草の食害にあって困っている方は、別の水槽にエビを移動させると良いです。
また、水草の生長スピードが早ければ食べられてもどんどん新芽が出てきますので、水草の生長に期待しましょう!
グリーンネオンテトラ
グリーンネオンテトラに関しては、昔から水草を食べてしまうと言われています。
たしかに、食べることはあるとおもいます。
ただ、多くの熱帯魚は水草に少なからず悪さをする可能性があり、筆者はグリーンネオンテトラを今現在も飼育していますが、水草の食害は気になりません。
結局のところ、毎日餌を与える、そして水草を元気に生長させるといったことが、何よりも大切な食害防止策です。
水草の食害がもし気になるのであれば、水草の生長や給餌について改めて問題が無いか確認するようにしましょう。
ミドリフグ
基本的にフグ類は、葉が鋭く水草水槽との相性はあまり良いとは言えません。
その中でも、ミドリフグは水草をかじってしまう可能性がありますので、原則水草水槽で飼育するのは控えることをおすすします。
そもそもミドリフグは、最終的に海水で飼育するとより鮮やかな姿で鑑賞できますので、水草水槽にはあまり向いていないかとおもいます。
ディスカス
ディスカスは、水草水槽で長期的に維持管理することが非常に難しく、できれば底床を敷かないベアタンクをおすすめします。
pHの急激な変化をさせない、できるだけpHを操りやすい環境作りをするために、最低限の機材で運用管理することが望ましいです。
ベテランアクアリストのなかには、水草水槽でディスカスを飼育している方もいますが、はじめてディスカスを飼育する場合は、ベアタンクでの飼育挑戦からチャレンジすることをおすすめします。
番外編: 金魚
熱帯魚ではありませんが、金魚は水草との相性がよくありません。
金魚藻と呼ばれる水草は、金魚の格好のエサとして食害に遭いやすい他、水草を綺麗な状態で維持管理するためのメンテナンスフィッシュとの相性も良くありません。
そして、金魚と水草の好む水質が異なりますので、金魚飼育の場合は水草を入れないで飼育することをおすすめします。
とは言え、どうしても水草を入れたいと思う場合は、食害にあうことは覚悟の上導入しましょう。
まとめ: 導入に注意!水草水槽に向かない熱帯魚6選!水草と相性の悪い魚種とは?
水草水槽へ入れる時は注意、または導入するとトラブルの原因となる熱帯魚をいくつかピックアップしました。
どんなに綺麗で一目ぼれした熱帯魚だとしても、性質をしっかり理解し購入することがとても大切です。
水草水槽で熱帯魚を飼育する場合は、参考にしてみてください。

熱帯魚業界歴もうすぐ20年!
海水やアクアテラリウムなど、さまざまな水槽を担当してるアクアリストです。
アクアリウム専門のYouTubeチャンネル『アクアリウム大学』も配信中!
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