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淡水魚、海水魚、どうしてその水じゃないと生きられないの?浸透圧を解説!

アクアリウムで飼育できる魚には、淡水と海水で生活するものがそれぞれいますね。

淡水魚と海水魚は何がどう違うのでしょうか?海水魚を飼育する場合、塩分濃度を換えると生きられないのでしょうか?

病気の治療で行う「塩水浴」は淡水魚にとって問題はないのでしょうか?

今回は、魚と塩分濃度について解説します。魚のからだの仕組みを正しく理解し、安定した環境で飼育してあげましょう。

淡水魚と海水魚の違い

はじめに、淡水魚と海水魚の違いについてご説明します。

淡水魚は普段、塩分濃度がほぼ0%の淡水の中で暮らしています。淡水魚の体液濃度は0.7%ほどと言われていますので、体液よりも周囲の水のほうが濃度が低いことになります。

反して海水魚は、塩分濃度がおよそ3.5%の海水の中で暮らしています。一般的な海水魚の体液濃度は1.5%ほどですので、体液よりも周囲の水の方が濃度が高いことになります。

この差が、淡水魚と海水魚のからだの仕組みの違いに繋がっています。

からだの周りの水と、体液濃度に差があるとどんなことが起こるのでしょうか。それを知るためには「浸透圧」について知っておく必要があります。

浸透圧とは

では、浸透圧とはいったいどういったものなのでしょう。

地球上では、濃度の異なる液体同士を触れ合わせると、濃度を一定にしようとするはたらきが生じます。これを「拡散」と言います。

液体同士なら、どんどん混じり合って濃度が一定になるのですが、生き物のからだはそうはいきません。膜につつまれているからです。

膜を間においた状態で濃度の異なる液体同士が触れ合うと、低濃度な液体側の水が、高濃度側に移動して濃度を一定にしようというはたらきが生じます。この水の移動する圧力を「浸透圧」と呼びます。

淡水魚も海水魚も、体液濃度と生活する水の濃度が異なるため、常に浸透圧が生じ、水が自動的に移動してしまいます。

  • 淡水魚:体内の方が高濃度なため、水がどんどん入ってくる 放置するといつか破裂してしまう
  • 海水魚:体外の方が高濃度なため、水がどんどん出て行ってしまう 放置するといつか水が全て失われてしまう

という状態になっています。

これを防ぐため、淡水魚は尿を多く排泄し、水を減らしています。海水魚は口から積極的に海水を飲み、えらから余分な塩分を排出し、尿はできるだけ出しません。

普段こういった生理現象を行って生きているため、濃度が大きく異なる水の中に入れられるとうまく生きていくことができなくなってしまいます。

淡水魚が生きられる環境

では淡水魚が生きていくことができる環境はどういったものでしょうか。

塩分濃度が0.5%以下の淡水

淡水魚がダメージを負わずに、長期間生きられる環境は塩分濃度が0.5%程度の水です。

病気の治療に用いられる「塩水浴」の時に塩分濃度を0.5%とするのはそのためです。

他にも地層から染み出した養分などが水中に存在する場合もありますので、腐食酸を得意とする魚も多く見られます。ブラックウォーターなどはそれに似た水質を再現した水です。

水流は穏やかな環境が多い

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淡水の環境は、川、湖などが代表的です。

そのため、水流が穏やかである場合が多いですね。よって、淡水魚にはベタのように水流がほとんどない状態のほうが良い魚種もたくさんいます。

海水魚が生きられる環境

では、海水魚が生きられる環境はどういったものでしょうか。

塩分濃度が3.5%程度の海水

自然の海の水は塩分濃度が3.5%程度なので、それに近い濃度でないと生きていけません。

海水魚の場合、寄生虫を落とすために淡水浴を施すことがありますが、それも5~8分が限度です。また、淡水と海水ではpHが大きく異なるため、pH調整剤を使う必要があります。

強い水流の環境が多い

海は波が打ち寄せる環境ですから、水流が絶えずあるのが普通です。よって、飼育下でも同じような環境を再現してあげるために、水流ポンプが必要な魚種が多くなっています。

汽水魚は海水でも大丈夫なの?

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ミドリフグに代表される、汽水域で生活する魚たちは海水でも問題なく生活できるのでしょうか。

汽水域とは、河口などに見られる「海水と淡水が一日の中でも入れ替わるエリア」のことを指します。こういった場所で生活する魚たちは、海水でも淡水でも上手に体内の塩分濃度、水分量を調節するしくみを持っていますので、海水でも淡水でも生きられます。

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ですが、何度も調節を切り替えることは魚にとっては体力を削ることでもありますので、海水か淡水か、どちらかに決めて飼育した方が長生きしてくれます。魚の種類にもよりますが、海水で飼育するのが望ましいものが多いです。

塩水浴は浸透圧を利用した治療法

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塩水浴は浸透圧の違いを利用した治療法として広く使われています。

淡水魚を体内の塩分濃度に近い塩水で泳がせてやると、水分調節機能をあまり使わずに済みます。そうさせることで、体力を温存=自己治癒力を高める、という治療法です。

また、塩分は魚の粘膜(ぬめり)を剥離させる効果があるので、粘液の交換も促してくれます。細菌や寄生虫、繊毛虫を粘液ごと多少なりとも引き離せるので、エラ病にも効果があります。

病気の原因と一緒に粘液をはがすわけですから、塩水浴の水は症状に合わせて、毎日換えてやるなど清潔に保つことが一番大切です。

ごく短時間だけ高濃度(0.6%)にして寄生虫を浸透圧で殺す方法もありますが、魚にとっても負担となるため判断が難しい治療法で、一般的には使われません。

まとめ:淡水魚、海水魚、どうしてその水じゃないと生きられないの?浸透圧を解説!

淡水魚と海水魚、それぞれの塩分調節について解説しました。

やはり普段生活しているのと同じ塩分濃度の水で飼育するのが一番です。水質調整は時に面倒に感じることもありますが、非常に大切な作業ですのでキチンと調整し、居心地の良い環境を作ってあげましょう。