マリンアクアリウムは自宅にいながら南国の海の雰囲気を味わうことができる、とっても素敵な趣味の一つです。
この夏は海水魚の飼育を始めようと計画している方も多いと思います。
しかし、水槽を置くスペースや予算の都合で小型水槽しか用意できない場合、マリンアクアリウムを楽しむことは難しいとお考えではないですか?
確かに小型水槽では飼育する魚の種類や数に制限はありますが、海水魚を飼うこと自体はあまり難しくはありません。
それどころか、サンゴやイソギンチャクも小型水槽で飼うことができるんです!
今回は小型水槽でも飼いやすいおすすめのサンゴ・イソギンチャクと、飼育する場合のコツについて解説をしていきます。
小型水槽でもサンゴ・イソギンチャクは飼育できる!飼育のコツ
小型水槽の中でも幅30cm以上のものであれば、サンゴやイソギンチャクの飼育ができます。
まずは小型水槽で飼育するコツとして、
- 水換え頻度を増やす
- 海水魚の数を制限する
- 水槽用クーラー・プロテインスキマーをつける
- 照明は強いものを選ぶ
- サンゴとイソギンチャクの混泳は要注意!
これら5つのポイントについて解説していきます。
水換え頻度を増やす
もっとも大切なポイントは、こまめに水換えを行なうことです。
サンゴやイソギンチャクは魚以上に水質に敏感で、特にサンゴは水槽内に蓄積した硝酸塩によってかなりのダメージを受けてしまいます。
水を常に新鮮な状態に保てるよう、水換えの頻度を増やしましょう。
小型水槽でのサンゴ飼育で一番難しいのが、硝酸塩対策です。
水槽内の硝酸塩濃度はソフトコーラルでは25ppm以下、ハードコラルでは可能な限り0に近い数値にした方が良いので、以下のような試験薬で正確な数値を測定しましょう。
慣れないとなかなか適正な水質に保ちにくいので、始めはこまめ過ぎるくらいに水換えを行うのがおすすめです。
海水魚の数を制限する
魚の数が多ければ、当然ながら硝酸塩も増えます。
小型水槽では魚がサンゴにぶつかったり物理的なダメージを与えやすいので、なるべく数を抑えて飼育しましょう。
このサイトではあまり紹介されていませんが、個人的には単独飼育が基本の小型魚「イエローヘッド・ジョーフィッシュ」がおすすめです!
水槽用クーラー・プロテインスキマーをつける
大体のサンゴは27℃以上の高水温で弱ってしまうので、水温が上昇しやすい小型水槽では水槽用クーラーの導入が必須と言えます。
硝酸塩対策としてプロテインスキマーも設置しましょう。
必要な設備をきちんとそろえておけば、水量の少ない水槽でも長期的にサンゴを飼育できるようになります。
パワーは実際の水量よりも強めのものを選んでおくと、安定して運用しやすいです。
小型水槽にぴったりのコンパクトなプロテインスキマーも販売されていますし、プロテインスキマーを設置していればエアレーションが不要なので、水槽内をよりすっきりと見せることができます。
照明は強いものを選ぶ
サンゴやイソギンチャクの飼育には十分な光が必要なので、水槽用ライトも必ず用意しましょう。
カミハタのヴォルテスや、コトブキ フラットLEDツインなど、光量があり実績が多い照明を選ぶと失敗が少ないです。
小型水槽でヴォルテスを使用する場合は、このようなスタンドも用意しましょう。
問題はイソギンチャクです。
イソギンチャクは種類によっては強力なメタハラなどの光が必要なので、飼育予定のイソギンチャクがどのくらいの光量を必要とするのかよく調べた上で、必要なライトを購入しましょう。
サンゴとイソギンチャクの混泳は要注意!
サンゴとイソギンチャクは同じ水槽で飼育できますが、小型水槽での混泳には注意が必要です。
というのも、イソギンチャクは好みの場所に移動する生き物なのですが、サンゴが自ら移動することは滅多にありません。
そのためイソギンチャクが動いた結果、サンゴにぶつかり触手の毒でダメージを受けることがあるのです。
混泳させたい場合はまずイソギンチャク水槽に入れて好みの場所に定着させ、後からサンゴを干渉しない場所に配置するといった方法があります。
しかしこの方法でも、イソギンチャクが後日動いてしまう可能性がないとは言い切れません。
広い水槽であればイソギンチャクとサンゴが接触する確率は低いのですが、スペースが取りにくい小型水槽での混泳はやはり難易度高めです。
小型水槽飼育におすすめのサンゴ・イソギンチャク5選
ここからは小型水槽での飼育におすすめのサンゴやイソギンチャクということで、
- スターポリプ
- ディスクコーラル
- マメスナギンチャク
- サンゴイソギンチャク
- ウメボシイソギンチャク
こちらの5種類についてご紹介していきます!
スターポリプ
スターポリプはソフトコーラルの中ではかなり丈夫で人気なサンゴです。
芝生のようにたなびくポリプがとても美しい姿をしています。
水温は25℃前後に保ち、水流が程よく当たる場所に配置しましょう。
毒性が強いので、他のサンゴとは少し離れたスペースに配置すると良さそうです。
ディスクコーラル
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名前の通り円盤のような形をしたディスクコーラル。
毛の生えたような見た目のヘアリーディスクや触手の先端が風船のようにふくらんだバブルディスク、色も定番のレッドやオレンジ、グリーンなどさまざまな種類があります。
水温25℃前後、弱~中程度の水流が当たる場所に配置しましょう。
ディスクコーラルは若干ですが動くことがあります。
マメスナギンチャク
エキゾチックな見た目のマメスナギンチャク。
グリーンやオレンジ、ピンクなどカラーバリエーションが豊富なサンゴの一種です。
水温25℃前後、弱~中程度の水流を当てて育てましょう。
適した環境で育ててやるとかなり速いスピードで増殖し、色も濃くなります。
サンゴイソギンチャク
サンゴなのかイソギンチャクなのか迷ってしまいそうな名前ですが、サンゴイソギンチャクはイソギンチャクの仲間です。
カクレクマノミが共生するイソギンチャクとしても有名ですね。
水温は27℃前後、弱めの水流がランダムに当たる場所に置いてやると定着することが多いです。
強い光は苦手なため、青系のLEDを使うのがオススメです。
ウメボシイソギンチャク
本州沿岸でも見ることのできる、ウメボシイソギンチャク。
触手を縮めた状態が真っ赤な梅干しに見えることからこの名が付きました。
丈夫な種類なので初心者にもおすすめのイソギンチャクです。
水温23~25℃程度、滞らない程度の水流に、弱めのライトで飼育しましょう。
ウメボシイソギンチャクは無性生殖を行なうため、環境が良いと子株を増やします。
まとめ:小型水槽でサンゴ・イソギンチャク飼育は可能?おすすめ種類と飼育のコツ
サンゴの飼育というと大きな水槽で大掛かりな設備が必要そうなイメージがありますが、要点を抑えた機材さえそろえれば、実は小型水槽でもサンゴやイソギンチャクの飼育ができます。
丈夫で育てやすい種類を選びつつ、ちょっとしたスペースでサンゴ水槽を作ってみるのはいかがですか?
サンゴやイソギンチャクだけ育ててみるのも良いですし、その中に小さな海水魚を1~2匹泳がせてみるのも可愛らしくて素敵ですね。
ぜひこの機会に、小型水槽でのサンゴや海水魚の飼育にチャレンジしてみましょう!

トロピカライターの井上あゆみです。
金魚から熱帯魚・海水魚まで、全部で20種類程度のお魚を飼育してきました。
お気に入りはイエローヘッド・ジョーフィッシュ。怒ったような顔をしているのに、実はかなり臆病というなかなか憎めない海水魚です。アクアリウム初心者の方でも楽しく読めるような記事を書いていくので、よろしくお願い致します!