メダカを繁殖させるなら、「産卵床」は欠かせないアイテムです。
産卵床とは、メダカが卵を産み付ける際に使用する水草や人工的に作られたウキ付きのスポンジなどを指します。これがないと、産卵しても卵が飼育容器の底に沈んで回収することができません。
ただ、繁殖にはとても重要なものですが、水草・人工産卵床ともに種類が多く、どれを選べば良いか悩んでしまう人も少なからず見かけます。
そこで、今回はおすすめの産卵水草・人工産卵床を7つご紹介してその特徴を解説します。
メダカにおすすめの産卵床とは
メダカのおすすめの産卵床には、「水草・浮草」と「人工産卵床」の2種類があります。
どちらも特徴とメリット・デメリットがあるので、その特性を把握して使用することが重要です。
水草・浮草
水草や浮き草は柔軟でメダカを傷つけることがないうえに、見栄えが良く観賞性を維持できる産卵床です。
水中の栄養を吸収するので、水質の浄化も期待できます。その反面、生きているだけに環境が合わなければ枯れてしまうことも珍しくありません。
また、形状によっては卵が産み付けにくく採卵効率が良くない種類もあるため、水草や浮き草を産卵床にするのであれば、種類選びがとても重要です。
人工産卵床
人工産卵床は、スポンジや繊維などを使って作られていて扱いやすいのが特徴です。
枯れたり、水質に影響を与えたりしないので、初心者の方にもおすすめします。ただ、人工物ということもあってとても目立ち、メダカの雰囲気に合わないと気になってしまうことも少なくありません。
その場合は、乾燥させたシダやシュロなど天然素材を使用したタイプが向いています。また、少し価格が高めなので、たくさんの飼育容器で使い回す場合は値が張ってしまいます。
メダカの産卵床おすすめ7選
ここでは、おすすめの産卵水草・人工産卵床から7つピックアップしてご紹介します。
合わせて特徴も解説するので、産卵床選びでお悩みの方は参考にしてみてください。
ホテイソウ
「ホテイソウ」はホテイアオイとも呼ばれ、メダカの産卵水草としてとても有名です。
水面に浮かぶ浮草で、水中に広がる根は身を寄せやすく産卵しやすい形状をしています。根が黒いこともあって、産み付けられた卵が目立ち採卵しやすいことも産卵床としておすすめの理由です。
さらに水質浄化能力が高いので、産卵床としてはもちろん、きれいな水質を維持するために導入する人も少なくありません。ただ、頻繁に殖える種類ではないため、たくさんの飼育容器で使い回す場合は繁殖しやすい他の水草が向いています。
寒さには弱いことから、越冬させるのであれば屋外に移した方が良いです。
マツモ
アクアリウムでは一般的な「マツモ」もおすすめの産卵床です。
光量や栄養にうるさくないうえに丈夫で殖えやすいことから、メダカの数や飼育容器が多くても殖やしながら使い回すことができます。また、見た目がメダカとよく合うので、産卵床に使いつつレイアウトとして活用したい人にも最適です。
浮かせたり、重りを巻いて沈めたりと、目的に応じて使い分けることもできます。
GEX メダカ元気 卵のお守り産卵床
スポンジにウキが付いたタイプの人工産卵床です。
スポンジが緑色をしているので、産み付けられた卵がよく目立ち効率良く採卵できます。また、浮くタイプということもあって、産卵後に隔離しやすいのも大きなメリットです。
抗菌作用のある特殊繊維が用いられていて、卵にカビが発生するのを防ぐ効果も期待できるうえにウキからスポンジを外して掃除できるため、衛生面も心配ありません。
アナカリス
「アナカリス」はオオカナダモとも呼ばれる水草で、とても丈夫で殖えやすい点が特徴です。
適応力が高く、
- 光量
- 水質
- 栄養
などに気を遣わなくても繁殖するので、枯れて産卵床として使えないといった心配もありません。
産み付けやすさや採卵のしやすさではホテイアオイがうえですが、扱いやすさを重視する場合におすすめです。屋外でも容易に越冬させることができます。
スドー メダカの浮く産卵藻
乾燥させた天然のシダにウキが付いた産卵床です。
ウキが付いていることもあって、産み付けられた卵をスムーズに隔離できます。メダカが身を寄せて産卵しやすいうえに、素材が柔らかいので体を傷つけることもありません。
丈夫で長期間使用できるのも嬉しい点です。
GEX メダカ水景 天然産卵草
重りが付いた沈むタイプで、素材には天然のシダが採用されています。
単体で使っても良いのですが、浮くタイプと併用することでこぼれ落ちた卵をキャッチできるため、採卵率が上がります。
自然できれいな色合いをしているので、水槽の景観をくずすこともありませんが、重りのみで土台は付属していないため、底砂に植え込む方が見栄えは良いです。
スドー メダカの棕櫚産卵床
天然素材の「シュロ(植物の繊維)」を使用した産卵床です。
茶色いので、産み付けられた卵がよく目立ち効率良く採卵することができます。天然素材でメダカにやさしく丈夫ということもあって、好んで使う人も少なくありません。
また、通水性が良くカビの発生を抑える効果も期待できます。
産卵床は使いやすさで選ぼう
産卵床を選ぶ際は、目的と使いやすさを考慮して選ぶと良いでしょう。
水草の場合は、
- 観賞性が高い
- 殖えやすく使い回しできる
- 水質浄化能力が期待できる
といった特徴があるので産卵床としてだけでなく、水槽の景観を保ちたかったり、きれいな水質を維持したかったりなどするときにおすすめします。
一方、人工産卵床は水質を変化させたり、枯れたりすることがないので、扱いやすさを求める人に最適です。採卵もしやすいため、品種改良など効率良く繁殖を進めたい場合に向いています。
まとめ:メダカの産卵床特集!おすすめの産卵水草・人工産卵床7選と特徴を解説!
メダカを効率的に繁殖させたい場合には産卵床が必要不可欠です。
ここでご紹介した産卵水草と人工産卵床は、メダカの繁殖で実績があるものばかりなので、ベテランの方はもちろん、初心者の方でも安心して使用することができます。
産卵床の特徴を把握して、目的に合った種類を選んでみてください。

トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。