メダカは品種改良が盛んで、さまざまな体型の品種が作出されています。
なかでも「ダルマメダカ」は、コロンとした体形がかわいらしく人気が高いメダカです。ただ、その特徴的な体型から、泳ぎが下手だったり繁殖をするうえで受精率が低かったりと、注意した方が良いことも少なくありません。
普通の体型のメダカのように飼育すると、短命になってしまうことさえあります。
そこで、今回はダルマメダカの飼育の基本と上手な育成ポイントを解説します。
目次
ダルマメダカとは
「ダルマメダカ」は、その特徴的な外見と独特な泳ぎ方に愛嬌があり、好んで飼育する人も少なくない人気の品種です。
その魅力は体型だけにとどまらず、カラーバリエーションが豊富だったり模様がきれいだったりと観賞魚としても見応えがあります。
ここでは、ダルマメダカの特徴や魅力をご紹介するので、飼育を検討中の方はご覧になってみてください。
丸い体形の改良メダカ
ダルマメダカの最大の特徴はなんといっても、その「丸い体型」です。
ダルマ体系のメダカを交配して固定率を高めた品種で、背骨が短いことからこのような寸詰まりに見えます。
ダルマメダカと普通のメダカの中間的な体型の「半ダルマメダカ」も存在して、同様に人気が高いです。
ダルマメダカの魅力
名前の由来にもなっているダルマのようにコロンとした体は、とてもかわいらしく見る人を癒してくれます。
また、泳ぎが不得意ながらも一生懸命泳ぎ回る姿に愛嬌を感じる人も多いです。体が短いことでヒレが際立って見え、普通のメダカとは違った美しさもあります。
ダルマメダカといっても、
- 体色
- 模様
- ヒレの形状
- 目の大きさ
- アルビノ
など、さまざまな特徴を持つ品種がいるので、飽きることもなく観賞しても楽しいです。
その魅力にひかれて、たくさんある品種のなかでも「ダルマが好き」という人も少なくありません。
ダルマメダカは普通のメダカからも生まれる?!
意外かもしれませんが、普通のメダカからダルマメダカが生まれることもあります。
独特な体型は単なる奇形というわけではなく、本来メダカが持っている遺伝子によるものなので、普通体型のメダカ同士から生まれるのは不思議なことではありません。言い換えると、「大半のメダカから生まれる可能性がある」ということです。
この特徴は高水温(約30度程度)で現れやすいため、殖やしたい場合は繁殖時の水温に配慮した方が良いでしょう。もちろん、ダルマメダカ同士を繁殖させた方が高確率でダルマメダカが生まれます。
ダルマメダカの育成ポイント
ダルマメダカは体型や遊泳力の違いから、育成のポイントが普通のメダカと少し異なります。
とはいっても、飼育が難しいわけではないので安心してください。順を追って解説していきますね。
ダルマメダカは単種飼育が良い
ダルマメダカを飼育する場合は、単種飼育をおすすめします。
泳ぎが上手くないので、普通のメダカと混泳させると餌を食べ損ねることがあります。長期化すると栄養状態や体型にも関わってくるため、避けた方が無難です。
また、けんかになった際も素早く泳ぐことができず、一方的にいじめられてしまうことも。ストレスを少なくして長生きしてもらうためにも、単種飼育した方が良いです。
卵・稚魚は28度以上で育成する
先ほど少しお話ししましたが、高水温で飼育・繁殖させるとダルマメダカになりやすいです。
卵や稚魚を28度以上で育成すると、体型の良いダルマメダカに育ちやすくなります。ただ、水温が高いと水が悪くなりがちなので、水換えをするなど水質管理に気を配りましょう。
未受精卵はすぐに取り除こう
ダルマメダカを繁殖させる場合、未受精卵はすぐに取り除くようにしましょう。
寸詰まりの体型によって受精率が悪く、普通のメダカと比べると未受精卵が多いです。未受精卵は白く濁りカビが生えやすく、近くにある正常な受精卵にまで移ってしまうことも少なくありません。
発見次第、手やピンセットで取り除きましょう。
水草は必ず入れよう!
水草は必ず入れるようにしましょう。
- 水質改善効果が期待できる
- 産卵床になる
- 隠れ家に最適
といったように、飼育・繁殖ともにメリットが少なくありません。
種類としては、「ホテイソウ」や「マツモ」、「アナカリス」が丈夫で育成しやすいです。
餌は栄養価の高いものがおすすめ
ダルマメダカに与える餌は、栄養価の高いものがおすすめです。
餌を食べるスピードがゆっくりで食べ損ねることもあるため、少量でも栄養を摂取できるタイプが良いでしょう。また、転覆病を起こしやすいことから、消化の良い餌が最適です。
特に冬場は、代謝が落ちて消化不良を起こしやすいので、エサの種類には配慮してあげましょう。
ダルマメダカのおすすめ飼育環境
ダルマメダカは一般的なメダカの飼育環境でも十分飼育することが可能です。
ただ、その特性を考慮した環境を整えてあげると、負担も少なく長寿につながります。おすすめの飼育環境をご紹介するので、ダルマメダカの飼育に挑戦される方は参考にしてみてください。
小型~中型水槽やビオトープ
水槽や飼育容器は、極端に小さかったり大きかったりなどしなければ問題なく飼育できます。
小型~中型水槽が扱いやすくおすすめです。もちろん、軒下やベランダにビオトープを作って飼育することもできます。
ただ、高水温の方が調子が安定しやすいため、冬場は室内飼育に移す、もしくは飼育容器を発泡スチロールにしたり水量を多めにしたりして、急な水温の低下を防ぎましょう。
ろ過フィルターは水流の穏やかなものを選ぼう
泳ぎが上手くないので、ろ過フィルターは水流の穏やかなものが良いでしょう。
投げ込み式フィルターや外掛け式フィルターが扱いやすくおすすめです。外掛け式フィルターの場合は流量を調整できるタイプが向いています。
水槽用ヒーターは温度調整機能付きがおすすめ
ダルマメダカの飼育・繁殖では高水温(28~30度)にすることが多いため、水槽用ヒーターは温度調整機能付きをおすすめします。
成魚の場合も28度で飼育する方が調子が安定しやすいです。温度を高めに保つと消化不良を防ぎ転覆病の予防にもなります。
まとめ:ダルマメダカとは!飼育は難しい?基本と上手な育成ポイントを解説します
ダルマメダカは、可愛らしい体型と泳ぎ方が魅力的なメダカです。
ただ、その体型だからこそ泳ぎが上手くなかったり受精率が低かったりと、気を付けなければならないポイントがあります。
飼育に挑戦される方は、その点に配慮して世話や飼育設備を整えてあげましょう。

トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。