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カダヤシとメダカ!採取したメダカが稚魚を産む?外来種との見分け方とは

「カダヤシ」という魚をご存知ですか?

日本の河川や池、水路などに生息している外来種ですが外見がメダカとよく似ているので、知らない人は間違えて連れ帰る可能性があります。

しかし、この魚を飼育すると「間違えちゃった」では済まずに、法律違反として処罰されてしまうことも。そんな大きなリスクを抱えているカダヤシを持ち帰ったり飼育したりしないためには、メダカとは違った外見や生態を知っておかなければなりません。

そこで、今回は外来種であるカダヤシと在来種のメダカの見分け方や違いをご紹介します。

カダヤシとは

「カダヤシ(蚊絶やし)」は、カダヤシ目カダヤシ科カダヤシ属の魚で、北米原産の外来種です

大きさは4cm前後と小さく、その名の通り蚊の幼虫であるボウフラを駆除するために日本に持ち込まれました。しかし、その適応力と繁殖力の高さから、現在では東北から沖縄まで分布を広げています。

小さいのでオオクチバスのように多種多様な大きさの生き物を捕食することはありませんが、小さな水生昆虫や魚の稚魚を食べてしまいます。特に同じ生息環境に住む魚、なかでもメダカと競合してしまうことから、問題視される存在です。

カダヤシの問題は日本だけではなく世界的にも確認されていて、その影響の大きさから「世界の侵略的外来種ワースト100」にも選定されています

ただ、メダカほど低温に強くないため、極端に水温が低い環境に適応することはできません。また、沖縄では同じ卵胎生の「グッピー」に干渉され、生息数を減らしているという研究結果も報告されています。

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カダヤシとメダカの違い

※魚種を確認するのため、手に乗せています

見た目がそっくりで混同されがちなカダヤシとメダカですが、違いは下記の通りです。

  • 繁殖方法
  • ヒレの形状
  • 目の色や顔つき
  • 背中の黒線の有無

詳しく解説していきますので、採取した魚がどちらなのか迷った際に参考にしてみてください。

カダヤシは稚魚をメダカは卵を産む!

カダヤシとメダカの最も大きな違いは「繁殖方法」です

卵を産む卵生のメダカとは違い、カダヤシは卵胎生なので直接稚魚を産みます。繁殖期(春~秋)にはメスのお腹がとても大きくなるため、丸みを帯びた体型が際立つことも多いです。

また、ある程度成長するとお腹が透けてたくさんの稚魚の目が見えることも少なくありません。ただし、この判別方法は成熟したメスの場合しか使えないので、小さな個体やオスの場合は他の特徴で判別する必要があります。

カダヤシとメダカではヒレの形状が違う

形態的な違いでは「ヒレの形状」を確認しましょう

カダヤシの尾ビレは丸みがあるうちわ状をしているのに対して、メダカの尾ビレは少し角ばっています。

尻ビレに関しては、カダヤシは小さく基底部(体に接している部分)も狭いですが、メダカは大きく広いのが特徴です。また、カダヤシのオスの尻ビレはゴノポディウム(交接脚)といって、交尾に適した形状をしています。

目の色が違う!カダヤシとメダカの顔つき

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体型やヒレの形状で判別にしにくい場合は、「目の色」も判断材料になります

メダカの目の上部には青い光沢があるのに対して、カダヤシにはありません。また、顔つきを見ても、メダカの方が目が大きいです。

カダヤシは背中に線がない!メダカは黒い線が入る

カダヤシとメダカは上から見るだけでも判断できます

カダヤシの背中には線がありませんが、メダカには頭部から背中にかけて黒い線が入ります。素早く泳ぐため、確認することは簡単ではありませんが、採取しなくても判断できる特徴です。

カダヤシを飼育したらどうなるの?

カダヤシとメダカの違いを解説してきましたが、その理由は単に間違えやすい、というだけではありません。

メダカと間違えてカダヤシを飼育すると罰金や懲役が発生する可能性があるからです

ここからは、カダヤシを飼育するとどうなるのか具体的に解説していきます。

罰金や懲役が発生することがある

カダヤシは「特定外来生物」に指定されているため、扱いを誤ると法律によって処罰されることがあります

誤って飼育すると「3年以下の懲役、または300万円以下の罰金刑」が課せられることも。法に触れてしまわないためには、「外来種被害防止法」について知っておく必要があります。

外来種被害防止法とは

外来種被害防止法は外来生物法とも呼ばれ、日本の生態系や農林水産業に被害を与える危険がある生物を「特定外来生物」に指定して規制を行う法律です。

規制を下記に示します。

  • 飼育
  • 移動(運搬)
  • 保管
  • 放出・放流
  • 輸入
  • 無許可のものへ譲渡

特定外来生物は無許可で飼育や移動することはできません。一時的とはいえ、保管も同様です。

もちろん、屋外へ放すことも禁止されています。個人の場合は当てはまらないことが多いですが、輸入することもできません。また、当人が許可を得ていたとしても無許可の人へ譲渡すると罰せられます。

採取した場所に戻すのは絶対にNG!

「飼育は禁止」ということを前提としてお話ししますが、採取したカダヤシを元の場所に放流してはいけません

かわいそうですが、殺処分する必要があります。ただし、偶然採取したものをその場に放すことは規制の対象外です。

飼育許可を申請することもできるが…

特定外来生物とはいっても、飼育許可を申請して許可が下りれば飼育することができます。

指定される前から飼育していたり研究に使用したりなどする場合に申請するケースが多いです。しかし、屋外へ逃げ出すことがない厳重な設備を用意したりさまざまな書類を提出したりと、審査に通ることは簡単ではなく労力を要します。

生半可な気持ちで飼育することは難しいでしょう。

まとめ:カダヤシとメダカ!採取したメダカが稚魚を産む?外来種との見分け方とは

カダヤシとメダカはよく似ていますが、片や特定外来種、片や在来種です。

法律で処罰されないためにも、

  • 繁殖方法
  • ヒレの形状
  • 目の色や顔つき
  • 背中の黒線の有無

といった特徴で確実に判別しましょう。1つの特徴で判断できない場合は、いくつかの特徴を考慮すると答えを出しやすいです。

自然の河川や池でメダカを採取して飼育したいと考えている方は、カダヤシとメダカの違いを念頭に置いて採取するようにしましょう。