アクアリストなら誰もが一度は悩む水質維持問題。飼育環境などによっては上級者でさえ悩むこともある水質は、アクアリウム初心者ならなおのこと頭を悩ませることでしょう。飼育水槽の水をきれいに保つには、ろ過フィルター選びや水槽掃除で注意すべきポイントがあります。
【ろ過フィルター選びのポイント】
- 水槽にあったスペックのものを選ぶ
- ろ過フィルターはケチらない!
【水をきれいにするための掃除ポイント】
- 1~2週間に1度のペースで行う
- お掃除生体の数を適正な数にする
- 成長スピードが速い水草を植える
- 照明時間と餌の量を決める
- 活性炭を利用する
さらに飼育している生き物にあった水槽管理をおこなうことで、きれいな水を維持しやすくなりますよ。今回は水槽の水をきれいに保つ秘訣について、お話ししていきます。
目次
水槽の水をきれいに保つ秘訣を動画で解説!
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アクアリウムをきれいに保つための水質管理方法を音声付きで解説します。
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ろ過フィルター選びは大切!
ビオトープのように自然環境に近い状態での飼育や、ボトリウムなど小瓶などでの飼育ではろ過フィルターを使用しませんが、一般的な水槽での飼育では水質維持のためにろ過フィルターを使用することが多いですよね。
水槽セットなどに付属しているろ過フィルターは水槽サイズにピッタリなものが多いですが、中には処理能力が弱い商品もあります。そんなときは買い替えを考える必要がありますし、自分でフィルターを選ぶときは次の2つのポイントを考えて商品を選びましょう。
水槽にあったスペックを選ぼう
これは基本中の基本ですが、ろ過フィルターは水槽サイズや飼育している生き物などにあったものを選ぶ必要があります。実際に商品を手に取って見ることができるのであれば、商品パッケージに記載されている内容を見る・通販の場合は商品ページに記載されている内容などを確認して購入しましょう。
水槽サイズよりも小さいサイズ向きのろ過フィルターなら、必然的にろ過能力も落ちます。適正サイズでもろ過形式が飼育している生き物や水草などに合うかも重要なチェックポイント。同じろ過形式でもメーカーによってはパワー不足ということもあるので、購入時は複数商品を比較して購入を検討することをおすすめします。
ろ過フィルターだけはケチっていけない?!
アクアリウムを始めると、水質維持や生き物の健康管理などで色々と機材などを買い揃えたりするので、何かとお金がかかってしまうからろ過フィルターの費用を抑えてしまいがちですよね。
でもろ過フィルターだけはケチってはいけません!!
経年劣化するため永久に使用することはできませんが、長期間にわたって水をろ過することで水槽全体のコンディションを左右するアイテムです。ここをケチってしまうことで、ろ過能力不足などできれいな水を維持しにくい状態になりやすいです。
水をきれいにする水槽掃除術
ろ過フィルターは水槽内のゴミなどを濾し取ってくれるアイテムです。しかしろ過フィルターだけに頼っていては、水質維持を極めたとはいえません。きれいな水を作りたいのであれば、水槽掃除もしっかりとおこなう必要があります。
掃除は毎週~2週に1度行ってみる
水槽掃除はゴミ取りだけでなくコケ取りや水換えなども含めてのことを指します。水槽掃除は定期的におこなうことで水質管理をしやすくなりますが、頻度としては一般の水槽では1~2週間に1度程度。
ボトリウムや25cm以下の水槽の場合は水量が少ないため、水質悪化しやすいのでゴミは見つけ次第取り除き、3~7日に1回くらいのペースで水換えを行います。しかし水槽掃除はケースバイケース。汚れがひどい場合は頻度を上げて掃除を行なう必要がありますよ!
水槽掃除に関してはこちらのページを参考にしてくださいね!
お掃除生体を適正数にする
飼育水槽にお掃除生体を入れている場合には、水槽サイズに対して適正数いるかの確認をしましょう。お掃除生体は次のようなものがいます。
【淡水魚水槽】
- ドジョウ
- プラティ
- ブラックモーリー
- ヤマトヌマエビ
- オトシンクルス
- コリドラスなど
【海水魚水槽】
- スカンクシュリンプ
- ヤエヤマギンポ
- ヒフキアイゴ
- マガキガイなど
お掃除生体に関してはこちらのページで紹介していますよ!
水槽サイズに対する全体の適正飼育数に関してはこちらのページを参考にしてくださいね。
成長の早い水草を植える
水草は水中に含まれている栄養素を吸収してくれるため、水槽内に水草を入れることで水質悪化の原因となる富栄養化を防ぎやすくなります。
水草と一口にいっても栄養素の吸収能力はそれぞれ異なるので、水質管理の一環として水草を入れるのであれば水質浄化能力の高い水草を入れるようにしましょう。水質浄化能力の高い水草にはアナカリスやマツモなどがあります。
水質浄化に関しては、こちらのページでも解説していますよ。
照明時間と餌の量を決める
水質悪化の原因のひとつとして「餌の食べ残し」があります。これは飼育している生き物の嗜好に合わなかったり体調が悪く食欲が落ちているなどして残している場合や、一度に与える量が多すぎて起こるもの。そのため餌を与えるときは、しっかりと食べているか、食べ残しの量なども見て1度に与える餌の量を管理する必要があります。
水槽用の照明の使用時間が長く餌の食べ残しやフンなどのゴミが水槽内にあると、水質悪化を招くだけでなくコケの発生につながるので、照明の使用時間も決めて使用しましょう。
鑑賞のために水槽用の照明を使用している飼い主もいますが、太陽光の替わりにもなる水槽用照明は水槽内の生き物の体内時計に大きな影響を与えます。そのため照明時間やライトの強さは生き物に合わせた設定にすることも大切ですよ。
水槽用の照明については、こちらのページを参考にしてくださいね。
活性炭を利用する
市販されているろ過フィルターはろ材が決まっているものもありますが、自分でいろいろなろ材を組み合わせて使用することのできる商品もたくさんあります。ろ材を複数組み合わせることができるのであれば、ゴミや飼育水の汚れの原因となる微細な成分の吸着能力に優れた活性炭を使用しましょう。
ろ材としての活性炭については、こちらの記事で詳しく解説していますよ!
水槽内の生き物に合わせた管理がベスト
トロピカだけでなく、アクアリウムを扱う個人サイトやショップのサイトではさまざまな水質管理方法が紹介されていますが、飼育環境によって管理方法が異なることも多いです。
基本的な水質管理やメンテナンス方法は同じですが、自宅の飼育環境や飼育している生物にあった水質管理方法やメンテナンス方法を行なうというのが、きれいな水を維持する大きなポイントとなります。
ネットなどで質問しても実際に飼育環境や水の状況を見て見ないとアドバイスが難しいこともあるので、さまざまなサイトや飼育者の情報を参考に自分で自宅の環境やメンテナンス方法を考えてみることも大切なことですよ。
まとめ:【アクアリウムの基本!】水槽の水をきれいに保つ秘訣をすべて公開します
アクアリストなら誰でも悩むことのある飼育水をきれいな状態で維持するポイントについて、今回はお話ししてきました。ろ過フィルター選びは重要ですが、ろ過フィルターに負担をかけるほど水を汚さないようにすることも重要なことです。
ろ過フィルターだけに頼らずに、なるべく人の手を入れない状態できれいな水を維持するのが理想の水槽と言えるのではないでしょうか。
ろ過フィルターをパワーの強いものにしても水質悪化が早い・水が濁るといった状況であれば、数が適正か、メンテナンスの頻度や餌の量・飼育数、水槽の置き場所なども見直してくださいね。

水槽のプロ トロピカライターの杠葉 狼です。
アベニー・パファーやバジスバジスなど小さくて綺麗な熱帯魚やベタ、ブラックゴーストなどちょっと変わった熱帯魚が好きです。
熱帯魚飼育初心者さんにお役に立つ記事を書いていきます。