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水量別!水槽用ヒーターの選び方!適合水量にあわせて正確に機種を選ぼう

アクアリウム初心者向けの他サイトの記事などでは、「水槽のサイズ別」で水槽用ヒーターをおすすめしているものばかりですよね。

トロピカでも過去にヒーターに関する記事をいくつか作成していますが、水槽サイズを基準に作成しているものばかり。しかし水槽サイズで選ぶより、水槽に入る「飼育水の水量」で選ぶほうが、水温を維持しやすいです。

「どうして水槽のサイズではなく、水量で決めたほうがよいの?」と疑問に思うアクアリウム初心者さんは多いでしょうか。なぜなら、水槽の表記サイズは「水槽の幅」で表記しているだけで、高さや奥行きが異なるものがあるから。

「この水槽サイズならこれが適切と言われたのに、水温が保てない」そんな悩みを持っている人もいますよね。そんな人は、今現在自宅で使っている水槽用ヒーターが、水量にあったものではないかもしれませんよ。

今回は水量別にどれくらいのW数の水槽用ヒーターが合うのかを解説しつつ、機種選びの基準についてもお話ししていきます。

水量別!水槽用ヒーターの選び方!

昨今のアクアリウム人気で、水槽のヒーターを水槽サイズでおすすめしているサイト、結構ありますよね。過去のトロピカ内の記事でも、水槽サイズで適切なヒーターをご紹介している記事もあります。しかしひとくちに「60m水槽」などといっても、一般的な規格水槽とキューブ型、ハイタイプなどで使用する水量が変わってきます。

そのため水槽のサイズよりも、飼育水の水量で選ぶほうが、適切な温度を保ちやすいんです

まずはどれくらいの水量で、どれくらいのW数が最適なのかについてみていきましょう

水槽サイズでヒーターを選びたい!」、という人はこちらをチェック!

「水槽に水や機材などをプラスしたときの総重量」を知りたい人はこちらをチェック!

「水槽サイズに合った適切な生き物の数」についてはこちら!

水槽の水量別の適合W数

今回は水量を、「~20L」、「~60L」、「~150L」、「200L以上」の4つに分けて、水温設定は26℃でお話ししていきます。ヒーターを購入するときは、商品パッケージに適切な水量が記載されているので、自宅水槽の水量に合っているものかしっかり確認して購入しましょう。

これから本格的な冬に向けて水槽用ヒーターの購入を検討している人や、ヒーターの買い替えを考えるときの参考にしてくださいね。

~20Lの水槽用ヒーターは50Wまで

テトラ (Tetra) 水槽 26℃ミニヒーター 100W 安全カバー付 熱帯魚 金魚 メダカ アクアリウム

コロナウイルスによる自宅待機などで、おうち時間が増えたという人は多いですよね。その影響もあってか、ボトリウムや卓上サイズなどといったコンパクトな水槽で飼育を始める人が、最近増えています。

しかし、飼育を始めた初めての冬にヒーターを設置したくても、飼育容器が小さすぎて適切サイズがなかなか見つからない・わからない、といったアクアリウム初心者さんは多いのではないでしょうか。

小さな水槽で水量が20Lなら、ヒーターのW数は50Wのものが目安。これくらいのW数なら必要以上に温度が上がりにくく、小さい水槽でも水温を一定温度に維持しやすくなります。

さらに20Lまでの水量別で、適切なヒーターのW数を見ると以下のようになります。

  • 4Lまで:~15W
  • 4~8Lまで:20W
  • 8~12Lまで:36W
  • 18~20L:50W 

水量のだいたいの目安ですが、27cmのキューブタイプで約19L、30cmの規格水槽では約13Lです。

ボトルなど容器の内部にヒーターを入れることができないものは、ペット用のマットタイプのヒーターを使いましょう

~60Lの水槽用ヒーターは150Wまで

寿工芸 セーフティヒートセットSP160W

60Lの水槽に最適なヒーターのW数は、150W。60Lまでの水量で水槽用ヒータ―の最適なW数は、以下のようになります。

  • 21~26L:80W
  • 27~40L:100W
  • 41~48L:120
  • 49~60L:150W

水量の目安ですが、60cmの規格水槽で約65Lになります。サイズが小さくても45cmのキューブタイプだと約91Lもの水が必要になるので、水槽サイズで選んでしまわないように注意しましょう。

~150Lの水槽用ヒーターは300Wまで

ニッソー NEWプロテクト ICオート300W NHA-068

150Lの水槽に適切なヒーターのW数は、300Wが目安です。150Lまでの水量別の最適なW数は、以下のようになります。

  • 61~100L:200W
  • 101~150L:300W

水量が150Lとなると、120cm以上の水槽を想像する人が多いかもしれませんね。実は120cmの規格水槽になると、水量は200Lを超えてしまいます。75cm(W75×D45×H45cm)の水槽で、水量が約152Lになります。

200L~の水槽用ヒーターは500W以上

ニッソー プロテクトヒーター R-500W

水量が200L以上の水槽に適切なヒーターとなると、最低でも500Wは必要になります。しかし500Wでも、しっかりと保温するとなると250L以下が最適な水量です。

水量の目安ですが、120cmの規格水槽で約243Lです。そのため120cm以上の水槽を使用しているときは、1000Wタイプなどを使用するか、水量に合わせて水槽用ヒーターを複数本併用して水温を保つことが多いです。

水槽用ヒーター機種選びの基本

自宅水槽の水量を基準に水槽用ヒーターを選ぶときには、水量以外にも「水槽内の設置スペース」や「水温の誤差」などがあります。また大容量の大型水槽になると、1本では保温しきれないことがある等と言ったことがあるので、次の3つのポイントも水槽用ヒーターを選ぶときの基準にプラスしましょう。

大型水槽は複数本を組み合わせて使用する

水量が300Lなどの大型水槽の場合、水槽用のヒーターを1本だけ使っている状態だと、水槽内の飼育水に水温のムラができてしまうことがあります。またなかなか水温が上がりにくい、といった欠点が出てきてしまうことも。

そのため水量が約640Lにもなる180cmの規格水槽のような大型水槽では、1本ではなく複数本設置するのが基本です。

例えば、水量が300と450Lの場合だと次のような組み合わせになります。

  • 水量が300Lの水槽:300W×2
  • 水量が450Lの水槽:300W×3

複数本設置する場合は、水槽内の端っこや中央などで水温の差が起きないよう、水槽の端や中央などに分けて設置するようにしましょう。

水槽用ヒーターは消耗品です。トロピカ内の記事でヒーターの寿命について記載している記事がありますが、メーカー側でもだいたい一年で交換するよう推奨しています。1本しか使っていない状態だと、故障したときの水温保持が難しいですよね。しかし複数本組み合わせて使用すると、1本だけ故障したときでも、急激に水温が下がるのを防ぎやすくなります。

またW数の高いものは価格も高くなりがち。水槽維持にかかるコストをさげるためにも、W数の高いものを1本買うよりも、複数本組み合わせたほうが安くなることが多いですよ。

ヒーターの寿命などについては、こちらの記事をチェック!

設置予定のスペースに収まるか

W数や水槽サイズに合わせて購入しても、使用している水槽のタイプによっては内部に収まらない、なんてこともあります。 

また水槽レイアウトで水草を多く入れている場合は、「ヒーターの設置場所が水草に近くなりすぎないか」といったことも大切なポイントになります。何故かというと、水草がヒーターに近すぎると、枯れてしまうことがあるからなんです。

そのため水量が適切かどうかだけでなく、購入予定の機種が入るスペースがあるかを確認しましょう。設置スペースが狭いなら、水槽レイアウトを変える、水草の位置を変更するなどといった調整も必要になってきます。

こちらの「水槽用ヒーターの使い方」の記事も参考にしてくださいね。

オートヒーターでも水温差が出ることがある理由

これはベタ専用のものや、小型水槽向けのオートヒーターで起こりがちな現象です。購入した機種や、使用する環境によって、温度固定タイプのものでも温度差が生じてしまうことがあります。

例えば26℃に水温が固定されている水槽用ヒーターの場合でも、実際に使うと28℃になっているということが起こることがあるんです。

温度の誤差については、商品パッケージに「±1~2℃」と記載してあることが多いです。記載がない商品でも1~2℃の誤差を考えて購入しましょう。

ヒーターによる水温の誤差は、使用している水槽内の水流の強さ・水槽の形状によるものが大きいです。水流が弱い・水面が細長いタイプの水槽ほど、水温上昇しやすい傾向にあります。

また、水槽は外気温に水温を左右されるので、水槽を設置している(または設置予定)場所の気温や、希望する水温設定で、近いW数で考えてみるのもよいでしょう。

例えば、4L水槽の場合で考えてみましょう。温度の低い場所や高めの水温設定にしたいのであれば15W、26度に固定したいのであれば10Wのものと比較するなどといった感じです。

まとめ:水量別!水槽用ヒーターの選び方!適合水量にあわせて正確に機種を選ぼう

今回は水量別による適切なヒーターのW数について、そしてヒーターの機種選びのポイントについてお話ししました。

水槽サイズで選んでしまいがちなヒーターですが、水槽のデザインタイプによって水量は異なるので、水量で選ぶことで水温が上がりにくいといった悩みを解決しやすくなりますよ。

しかし水槽を設置している(または設置予定)場所の気温や、水槽内の水流の強さ、水槽の形状、水面の面積などといった使用環境により、水温固定タイプのものでも1~2℃の誤差が生じてしまうことも珍しくありません。使用環境などを考慮して、今回お話しした目安のW数に近いものを選ぶのも大切なポイントになります。

自宅で使用している水槽の水量にピッタリな水槽用ヒーターを選んで、魚やエビなど生き物が冬でも快適に過ごすことのできる環境を作ってあげてくださいね。