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エアコンVS水槽用ヒーター!暖房だけで水を保温することは可能なのか?

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「水槽の水温は室温の影響を受けるため、水槽用ヒーターを使って管理する必要がある」というのがアクアリウム業界の常識です。

しかし、近年は在宅勤務などで一日中エアコンを使っているという方も増えており、以前ほど室温が変化する環境ではなくなりました。
このようにエアコンで空調管理をしている場合、水槽用ヒーターは無くても大丈夫なのでしょうか?

結論から申し上げますと、エアコンの暖房機能だけで水槽の水を保温することは可能です。
ただし、水槽の大きさや飼育している生体によっては水槽用ヒーターでないと適切な水温を維持できない>ことがありますので、注意しましょう。

ここではエアコンと水槽用ヒーター、それぞれで水温を管理した場合のメリットやコストについて解説します。

※このコラムはアクアリウム情報サイト・トロピカの記事に、最新の情報を加えて再構成したものです。

プロアクアリストたちの意見をもとに水温管理する上でのエアコンと水槽用ヒーターそれぞれの特徴を解説


このコラムは、東京アクアガーデンスタッフであるプロのアクアリストたちの意見をもとに作成しています。

エアコンで室温を管理することで、水槽の水温もある程度は一定に保つことができます。
しかし、細かい温度設定や水温を維持するという点に関しては、水槽用ヒーターに軍配が上がりますので、飼育している生体や水槽の大きさに合わせて使い分けることが大切です。

ここでは、実務経験から得た知識をもとに、水温管理する上でのエアコンと水槽用ヒーターそれぞれの特徴を解説します。

エアコンと水槽用ヒーターでの保温についてを動画で解説!

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効率の良い水槽の保温法を音声付きで解説します。

東京アクアガーデンではYouTubeチャンネル『トロピカチャンネル』を公開しています。

熱帯魚の飼育法や環境別の水槽運用法などを動画で解説しています。

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暖房だけで水槽は保温できる


冒頭でもお伝えしましたように、エアコンの暖房機能だけでも水槽の水を保温することは可能です。

ただし、以下のような場合は水槽用ヒーターを使った方が水温が管理しやすいでしょう。

  • 水量の多い大型水槽を管理している
  • 高水温を好む生き物を飼育している
  • 水温の変化に敏感・繊細な管理が求められる生き物を飼育している

エアコンの暖房機能で管理するか、水槽用ヒーターを使うかは水槽の大きさや飼育している生体によるところも大きいです。

このコラムでは、エアコンと水槽用ヒーターそれぞれのメリットや、どちらか片方だけ使用して水を保温する場合のコストなどをお話していきますので、ぜひ内容をご確認の上、ご自分の水槽に合った管理の仕方を探す参考にしてみてください。

エアコンVS水槽用ヒーター!それぞれのメリット


まずはエアコンと水槽用ヒーターそれぞれのメリットということで

  • エアコンのメリット1:は室温と水温を同時に管理できる
  • エアコンのメリット2:急な故障がほとんどない
  • 水槽用ヒーターのメリット1:確実な水温管理ができる
  • 水槽用ヒーターのメリット2:設置が簡単

以上4つの項目に沿って解説をしていきます。

エアコンのメリット1:室温と水温を同時に管理できる

エアコンで水槽を保温するメリットとしてまず挙げられるのが、室温と水温を同時に管理できるという点です。

私達人間が快適に感じる室温は大体25℃前後なことが多いですが、実は多くの熱帯魚の適水温も24~28℃程度と、同じくらいの温度を好みます。

つまり室内が快適な温度になるようエアコンで管理していれば、同じ部屋に置いている水槽の水温も魚たちに快適な温度に保つことができるというわけです。

ただし、アロワナなど大型で高めの水温を要求する生き物を飼育している場合は、肌寒い季節になる前から暖房を少し強めに、夏の時期は冷房をやや控えめに設定することをおすすめします。

エアコンのメリット2:急な故障がほとんどない

続いてエアコンで水温管理する2つ目のメリットとして挙げられるのが、急な故障がほとんど無いという点です。

水槽用ヒーターは保証期間が長くても2年間と短く、定期的に交換することを前提として作られています。
また、誤って水面から露出した状態で作動させる(空焚き)と発熱し火災につながる危険性もあるため、取り扱いには十分な注意が必要です。

一方、エアコンの寿命は10~15年で、新しいものを購入すればかなり長い期間使い続けることができますし、上記のような空焚きで事故につながるような危険性もありません

水槽用ヒーターと比較すると安全性が高く故障も少ないというのが、エアコンを使用する大きなメリットと言えます。

水槽用ヒーターのメリット1:確実な水温管理ができる

ジェックス GEX AQUA HEATER 熱帯魚元気オートヒーター 80 26℃自動保温 縦横設置 安全機能付 SP規格適合 約26L以下の水槽用 80W

水槽用ヒーターを使用する利点として挙げられるのが、確実に設定したい水温に保つことができるという点です。

エアコンだけで水温を管理するとなると、日の当たり具合や空気の流れなど、室温以外の要因で多少なりとも水温が変動します。
さらに、水温と室温は常に同じというわけではないので、希望の水温に合わせるのにはコツがいることも。

水温の変化をあまり気にしない生体なら問題ありませんが、ボルケーノオトシンなどのように水温の変化に弱くかなり厳密な管理が求められる魚だと、些細な温度のズレや変化も体調不良の原因になりかねません。

また、高水温が要求されるアロワナなどをエアコンで水温管理する場合、魚にエアコンの温度を合わせると、人間にとっては快適な室温にならず本末店頭になってしまうことも考えられます。

このように、確実に水温を保ちたい、高水温を要求されているなどの場合には、水槽用ヒーターを使用した方が手っ取り早く、また確実に水温を管理することができるので安心です。

水槽用ヒーターのメリット2:設置が簡単

ニッソー シーパレックス V-1000

水槽用ヒーターは、エアコンを設置するよりも初期費用がはるかに安く、簡単に設置できるというのもメリットでしょう。

水槽用ヒーターの価格は性能にもよりますが大体、数千~一万円前後、一方エアコンは数万円以上はするため、水槽を置いてる部屋にエアコンが無いような場合は、水槽用ヒーターを購入した方が断然お得です。

また、水槽用ヒーターは小さいので購入した物を持ち帰るのも手間ではありませんし、通販でも入手できます。
設置するのにも大変な工事などは必要ありませんし、初めて使用する方でも自分で接続して使用を始めることができるのもポイントです。

一点注意が必要なのが、水槽用ヒーターは単品では使用できないということ。
水槽用ヒーター自体には加熱する機能しか付いていないので、単体だと際限なく水を加熱し続けてしまいます。そのため使用する際は必ず、水温を感知してヒーターの電源を切り替えてくれるサーモスタットに接続してください

小~中型水槽限定ですが、サーモスタット不要の固定式オートヒーターやサーモスタットが一体となった水槽用ヒーターも販売されていますので、初めての場合はこちらがおすすめです。

エアコンと水槽用ヒーターそれぞれのデメリット


エアコンと水槽用ヒーター、それぞれのメリットを見てきましたが、デメリットも確認しておきましょう。

  • エアコンのデメリット1:24時間稼働が必須
  • エアコンのデメリット2:水温に合わせた室温にしなければならない
  • 水槽用ヒーターのデメリット1:故障の可能性がある
  • 水槽用ヒーターのデメリット:2設置場所によって水温にむらができる

の4つについて解説していきます。

エアコンのデメリット1:24時間稼働が必須

エアコンの暖房機能だけで水槽を保温することは可能だとお伝えしましたが、これは24時間休みなく暖房を稼働させ続けた場合です。

例えばリビングに水槽を設置していて、夜寝室に移動するときに暖房を切ってしまったとすると、夜中~朝方にかけて室温が下がり、水温も一緒に冷え込んでしまう可能性があります。

エアコンで水温管理をするならば、水槽のある部屋のエアコンは常に稼働させておく必要があることを覚えておきましょう。

エアコンのデメリット2:水温に合わせた室温にしなければならない

アロワナなどを飼育している大型水槽では、実際のところ暖房だけで水温を管理するのはなかなか大変です。
水温は室温よりもやや低めになることが多く、水量が増えれば水温も上がりにくくなるため、水温を28℃にしようとすると室温は常に30℃以上を維持しないと水温を保てないということも起こります。

いくら冬場とはいえ30℃の部屋にいるのは大変ですし、室温を高く設定すればそれだけ電気代も多くかかることもデメリットとなるでしょう。

水槽用ヒーターのデメリット1:故障の可能性がある

水槽用ヒーター最大のデメリットは、故障の可能性があることです。
繰り返しになりますが、水槽用ヒーターの保証期間は1~2年、つまりそのぐらいの期間で壊れてしまう可能性がある消耗品といえます。

「ある日突然壊れていて気づいたら水温が下がっていた」ということもありますので、突然の事態に備えて予備のヒーターを用意しておくと良いでしょう。

水槽用ヒーターのデメリット2:設置場所によって水温にむらができる

水槽用ヒーターを設置した付近の水温はすぐに上がりますが、ヒーターから離れた位置程水温は上がりづらいため、水槽内で水温にむらができてしまうことがあります。

水槽が大きいとむらが顕著に出てしまうので、大型水槽の場合は複数のヒーターを設置して多方面から水温を温めてあげる必要があるでしょう。

エアコンと水槽用ヒーターのコスト


続いては、エアコンと水槽用ヒーターのコスト面について比較していきます。

水槽環境によってエアコン管理の方が安く済む場合と、水槽用ヒーターの方がお得になる場合がありますので、ここでしっかりと確認しておきましょう。

小型~中型水槽を複数台管理するならエアコンがお得!

小型~中型の水槽を複数台、同じ部屋に設置している場合は、水温管理はエアコンに頼った方が断然お得です
もちろん、お部屋にエアコンが設置されていることが前提になりますが、水槽ごとにヒーターを設置して水温を管理するより、エアコンで一括管理してしまった方が電気代は安くすみます。

ただし、先述したように高い水温での管理が推奨されている魚や、水温の変化に敏感な生き物を飼育する場合、もしくは120cmを超える大型水槽を保温するような場合は、水槽の水量に合わせた水槽用ヒーターを使用した方が良いでしょう。

水槽用ヒーターは消耗品

ジェックス GEX AQUA HEATER NEW セーフカバー ヒートナビ 160 サーモスタット+ヒーター一体型 縦横設置 安全機能付 SP規格適合 約64L以下の水槽用 160W

大型水槽用のチタンヒーターであればかなり長持ちするのですが、それ以外の一般的な水槽用ヒーターは使用開始から1年を過ぎると劣化による故障で、温度が上がらなくなったり、電源が入らなくなったりといったリスクが高くなってしまいます。
そのため1~2年に一度は買い替えが必要です。故障に備えて、予備のヒーターを前もって購入しておく必要もあります。

また、大型水槽をチタンヒーター以外のヒーターで管理する場合、ヒーターの故障によるリスクを最小限に留めるために、複数のヒーターで保温するのがおすすめです。

エアコンよりはずっと安く購入できる水槽用ヒーターですが、継続して使用を続けるにはそれなりにコストがかかります

使用範囲や用途で決めよう


飼育している生体にもよりますが、普段から24時間エアコンをつけている部屋に水槽を置くのであれば、水槽用ヒーターは設置しなくても大丈夫な場合が多いです。

しかし家を留守にすることが多く、エアコンをつけている時間が短いようなときは、水槽の大きさや数・飼育する生体にとっての適水温・部屋の広さなどによって、エアコンと水槽用ヒーターどちらで水温管理するべきかが異なります。

例えば水槽を1台しか設置しない場合や、大型水槽を設置するようなときは水槽用ヒーターを使用した方が良いですし、小型~中型の水槽を複数設置するのであればエアコン管理の方がお得です。

このようにコスパの良い水温管理の方法は水槽を置いている場所や水槽環境によって異なりますので、ご自分の状況に照らし合わせながらベストな管理方法を探してみてください。

まとめ:エアコンVS水槽用ヒーター!暖房だけで水を保温することは可能なのか?


今回はエアコンの暖房機能だけで水槽を保温することは可能なのか?水槽用ヒーターとエアコンではどちらの方がお得に水温管理できるのか?という疑問について解説してきました。

結論としてはエアコンだけでも水を保温することは可能ですが、水槽環境や水槽を設置するお部屋の環境によってベストな水温管理方法が異なります

ボトルアクアリウムや小型水槽を複数台設置しているような場合は、エアコンで室温ごと管理した方がコスパが良いです。
一方、繊細な水温管理が必要な生き物や、高めの水温を好む生き物を飼育しているときや、水量の多い大型水槽では、水温をエアコンでは管理しきれないので水槽用ヒーターを使うことをおすすめします。

今回の記事を参考に、皆さんの水槽はエアコンと水槽用ヒーターどちらを使うのが良いか確認してみてください。

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執筆者 アクアガーデン

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