小さな金魚鉢や、きちんとした水槽設備でベタ飼育を始める人が最近増えています。アクアリウム初心者さんでもベタ飼育を始めた、という人もいますよね。しかし育て方がわからず、ネットや書籍を参考に飼育してみても、うまくいかないという声も多いです。
ベタ飼育でやるべきことはあちこちで書かれているのに、やってはいけないことについて言及がないと思いませんか?
ベタ飼育でやってはいけないことは、次の7つです。
- 強い水流で飼育する
- 餌を欲しがるだけ与えてしまう
- 飼育水の保温をせずに飼育する
- 粘膜保護剤を入れすぎる
- 水換え間隔が1週間以上空いている
- 小型すぎる容器で飼育する
- 枯れた水草を放置する
今回は、アクアリウム初心者さん・ベタ飼育初心者さんに向けて、ベタ飼育でやってはいけないことと、飼育のコツについてお話ししていきます。
ベタ飼育でやってはいけないことを動画で解説!
この記事の内容は動画でもご覧いただけます。
アクアリウム初心者にも人気のベタですが、実際に飼育してみると上手くいかないと思うこともあるかと思います。そんなベタ飼育で「実はやってはいけないこと」や失敗しないコツを動画で解説しています。
トロピカではYouTubeチャンネル『トロピカチャンネル』を公開しています。
アクアリウム運用のコツやメンテナンス方法、熱帯魚の飼育方法を動画で解説しています。
ベタ飼育でやってはいけないこと7個
ベタ飼育でやるべきことはあちこちで見かけますが、やってはいけないことがあるの知っていましたか?
アクアリウム初心者さんは特に今回お話しする「やってはいけないこと」をやってしまいがち。またある程度飼育経験がある人でも、ベタ飼育が初めてでうまくいかない場合には、以下の7つのポイントをチェックしてみましょう。
ベタの基本的な飼育方法については、こちらでおさらいしてくださいね。
強い水流で飼育する
トロピカ内で執筆した記事で何度も記載していますが、ベタに強い水流はNG!
一番やってはいけないことが、この「強い水流で飼育する」ことなんです。ベタは元々タイの流れが緩やな池や沼・河川の水溜まりといった場所に棲息している熱帯魚で、ヒレも大きいため強い水流は苦手。飼育環境下は常に人の目にさらされるのでただでさえストレスが溜まるのに、ベタに合わない強い水流の水槽に入れることでさらにストレス度がUPします。
また水流が強いとベタは体力が落ちてしまうので、病気にかかりやすい状態になって短命になってしまうこともあるんです。
餌を欲しがるだけ与えてしまう
金魚やモーリーなど、大食漢な魚の飼育経験がある人は、初心者あるあると思うかもしれませんね。
ベタは餌を与えてもすぐに欲しがって、おねだりする傾向があります。でもベタは体内の消化機能や肛門がそれほど強くないので、与えすぎると脱腸や消化不良などを起こしてしまいます。
単純に消化不良で終わればよいのですが、そこから菌に感染してしまい腹水病を発症してしまうこともあるので、餌は少な目を意識しましょう。
ベタの病気については、この記事をチェック!
飼育水の保温をせずに飼育する
ボトルや小さな金魚鉢で飼育している人にありがちな、「保温せずに飼育する」のも実はNG要因のひとつ。
人間の場合、気温が低くなると体内の血のめぐりが悪くなったりして体調が悪くなったり、風邪やインフルエンザといった病気にかかりやすくなりますよね。ベタも同じで水温が低いと体内の動きも弱くなって体力や食欲が落ち、病気になりやすくなります。
同じベタでも寒さに対する耐性が異なることもありますが、一般的には水温は冬でも26~28℃を維持してあげることで、健康に育ちます。実際に飼育している人に聞いた話だと、27℃くらいまでが病気になるリスクを抑えやすいようです。
ヒーターを入れられない場合には、ペット用のパネルヒーターや、エアコンで水温を一定に保つようにしましょう。
ベタにおすすめなヒーターについては、こちらをチェック!
エアコンの水槽保温効果については、こちらをチェック!
粘膜保護剤を入れすぎる
ホームセンターやアクアショップで最近よく見かけるようになった、「粘膜保護剤」。種類問わずオールマイティなものから、ベタ専用のものまで販売されています。水質調整剤に粘膜保護作用が含まれているものもありますよね。
ベタは身体を保護する粘膜(体の表面のぬめり)が薄く体表が荒れやすいので、粘膜保護剤を使用すること自体は問題ありません。
問題になるのは粘膜保護剤の量です。
「保護してくれるなら多く入れれば、粘膜が厚くなるのでは?」と思う人もいることでしょう。
しかし粘膜保護剤を入れ過ぎてしまうと水面に泡が発生したり、水中の溶存酸素量を減らしてしまう原因になってしまうことがあるんです。そのため、粘膜保護剤や、保護剤入りの水質調整剤を使用する場合には、しっかりと容器に記載されている容量を守って使いましょう。
粘膜保護剤については、こちらをチェック!
水換え間隔が1週間以上空いている
大きな水槽でろ過フィルターを使用している場合や、水温が低く水質が悪化しにくい冬などでも、水換えは週に1度は行うのが望ましいです。水温上昇が激しい夏や室温の高い場所で飼育する場合、また小さな容器で飼育している場合には水が汚れやすくなるので、様子を見て週に2~3回水換えをおこなう必要がある場合もあります。
「ベタは丈夫な魚」という人もいますがやはり水質が悪化してしまうと体力が落ちたり、病気が発生する原因菌なども増えてくるので、普段から小まめな水換えをおこなう習慣をつけましょう。
水換えについては、こちらをチェック!
小型すぎる容器で飼育する
ベタはコップでも飼える熱帯魚として一時期話題になりました。お店でも小さな瓶に詰められて販売されているのを見たことがあるのではないでしょうか。
そのため、小さな容器で飼育できると思われがちですが、実はこれはNG。短期間だったり、水質を見極めてこまめなメンテナンスができるのならば小さな容器でも飼育できますが、基本的にベタ1匹の飼育でも最低10L以上の水量が望ましいです。
特にアクアリウム初心者さんの場合は、小さくても25~30cmのキューブ水槽でベタ飼育を始めたほうが失敗しにくいですよ。
ベタの飼育容器については、こちらをチェック!
枯れた水草を放置する
ベタ飼育水槽には、ウィローモスやマツモのような、葉の柔らかい水草を入れることができます。しかし枯れ落ちた葉や、傷んだものを入れたまま放置していると、水質悪化を招いてしまう原因になってしまうんです。
変色してしまったり、枯れて溶けてきてしまっているものは、きちんとトリミングをする、水槽の底に落ちている水草や茎は取り除くようにしましょう。
水草については、こちらもチェック!
ベタ飼育を失敗しないコツ
ここからは、ベタ飼育を失敗しないコツを2つほどお話ししていきます。2つとも簡単なことですし、他の魚を上手に飼育するポイントと共通するものなので、しっかりと覚えましょう。
水換えは水温を合わせて、こまめに行う!
ベタは体を守るためのぬめりが薄いとお話しましたが、薄いということは防御力が弱いということ。体の防御力が弱いということは、急な水温や水質の変化に対して他の熱帯魚と比べると弱いということになります。
そのため水換えは定期的にこまめにおこなって水質を一定に保つことと、ヒーターなどを使用して水温を一定にすることで、長期飼育しやすい環境を作ることができます。
腹八分目が長生きにつながる
人間でも健康のためには、毎日の食事は腹八分目がよいといわれますよね。これは他の生き物にも当てはまることで、ベタも餌はやや少なめにしたほうが長生きしやすいです。
餌を多く与えれば、成長が早くなることも多いですが、短期間でより大きく成長させようとすると寿命はその分短くなる傾向にあるんです。
ベタを少しでも長生きさせたいと思うのなら、1回の餌の量は少な目にしましょう。
まとめ:ベタ飼育でやってはいけないこと7個!水換え・餌など長期飼育の基本とは
ベタ飼育でやってしまいがちなNG行為についてお話ししましたが、該当するものがあったでしょうか?
もしも該当するものがあったのなら、今日から改善していきましょう。
ベタ飼育を失敗しないコツは、他の生き物でも共通することですので、しっかりと頭に叩き込んでくださいね。飼育しているベタを健康に育て、楽しい癒し時間を過ごしてください。
【関連記事】

水槽のプロが所属するサイト運営チームです。
淡水魚・海水魚・水槽設備やレイアウトのことまで、アクアリウムに関する情報を発信していきます!