「金魚が餌を食べてくれない!」というお悩みはありませんか?
普段、餌をよく食べる金魚が急に見向きもしなくなると心配になりますよね。実は金魚が餌を食べなくなることは決して珍しいことではありませんが、長期化すると健康をおびやかす事態になりかねません。
病気や水質の悪化など原因によっては命に関わるため、速やかに対処することがとても大切です。
そこで、今回は金魚が餌を食べない原因と対処法を解説します!
目次
金魚が餌を食べない原因
金魚は基本的に餌をよく食べる魚なので、「食欲不振=異常事態」と考えた方が良いでしょう。
原因はさまざまですが、多いケースは次の3つです。
- 病気や体調不良
- pHが下がっている
- 餌に飽きてしまった
長引くと症状が悪化したり体力が落ちたりと、金魚にとって良くないため、原因の特定を急ぐ必要があります。
病気や体調不良
病気や体調不良の危険信号の1つとして、餌を食べなくなることがあります。
この場合は食欲不振に加え、
- 底の方でじっとしている
- 呼吸が速い
- 体表に白点やデキモノがある
といった症状を確認できることが多いので、金魚の行動や体表を念入りに観察してみてください。
餌を食べないだけでは原因がわからない場合でも、その他の症状から特定につながることがあります。
金魚の病気についてはこちらも参考にしてみてください。
pHが下がっている
金魚は幅広い水質に対応できる丈夫な魚ですが、弱アルカリ性の水質が得意な傾向があります。
水換えやメンテナンスの頻度が少なくpHが酸性に傾くと、金魚に負担がかかり餌を食べなくなることも珍しくありません。そのまま体力が落ちて体調不良につながるケースもあります。
水質についてはこちらも参考にしてみてください。
餌に飽きてしまった
病気の症状がなくpHに異常がないのに餌を食べないときは、餌に飽きてしまったのかもしれません。
今まで飛びつくように食べていたのに、口に入れても出したり食べるペースが遅かったりする場合は、与えている餌に対して興味が薄れてしまっている可能性があります。
この場合は、病気や水質の悪化とは違って食欲だけが落ち、元気に泳ぎまわることも少なくありません。ただし、長期化すると体力が低下してしまうので対処が必要です。
金魚の食欲を回復させる対処法
金魚の食欲がなくなったら、できるだけ早く対処法を試みましょう。
遅れれば遅れるほど、金魚の体力が落ちて事態が深刻になりがちです。
ここでは、先ほどお話しした餌を食べない原因の具体的な対処法をご紹介します。
体調不良なら水換えや清掃を行う
体調不良が原因であれば、水換えや清掃が効果的です。
水換えやろ過フィルター・底砂の清掃をすることで水質が改善します。メンテナンス不足で体調不良を起こして食欲が低下している場合は、これだけで餌を食べるようになることもあります。
きれいな水質を維持することで病気予防やpH低下にも効果があるので、食欲を回復させる方法の中では1番汎用性が高いでしょう。
「体調不良には塩水浴が良い」といって真っ先に試みる人がいますが、塩水浴で回復しても元の環境が悪ければ、いずれまた再発してしまうので「環境を整える」ことが優先です。活性を高めたいのであれば、飼育水を塩水浴ほどではない低い濃度の塩水(0.05%程度)にするという方法もあります。
水換えや清掃では「プロホース」など専用の器具を使うと効率が良いですよ。
掃除や水換えについてはこちらも参考にしてみてください。
病気はメーカー推奨の魚病薬を使おう
餌を食べない原因が病気であると特定できた場合は、メーカー推奨の魚病薬を使って治療しましょう。
魚病薬についてはこちらを参考にしてみてください。
薬品会社は厳しい管理と研究のうえで薬を発売しているため、民間療法よりも高い効果が期待できます。病気による食欲低下は、長引くと体力が落ちて症状が悪化してしまうので、もっとも効果的な魚病薬を使って短期で治すことが重要です。
とはいえ、
- 細菌
- 寄生虫
- 腫瘍
など、病気の原因はさまざまで、体や行動に変化があるものの、特定が難しい場合も少なくありません。
金魚の病気についてはこちらも参考にしてみてください。
pH低下にはカキガラが有効
pHが低下して食欲がない場合は、「カキガラ」を入れて対処しましょう。
カキガラにはpHを弱アルカリ性に傾ける効果があります。pHが上昇するにつれて効果が緩やかになるので、過度にアルカリ性に傾くこともなく使いやすいです。
ネットに入れて水槽に入れるのも良いですが、ろ過フィルターに入れると目立って景観をくずすこともありません。
ただし、カキガラはpHを下げる原因を吸収するわけではないです。
もしpHに異常が無くても元気がない・病気が発生するときは、大幅な水換えで水質を改善してやるのがおすすめです。
pHの状況を確認するには、試験紙や試薬を使うことをおすすめします。
水質検査薬についてはこちらも参考にしてみてください。
餌を定期的に交換する
金魚が餌に飽きているようなら、定期的に交換しましょう。
- 顆粒
- フレーク
- 乾燥餌(赤虫、イトメなど)
- 冷凍餌(赤虫など)
といったように、餌の種類をローテーションすることで飽きを防ぐことができます。複数の餌を与えると栄養バランスが偏らないメリットも期待できますよ。
また、ないがしろにされがちですが、餌にも「消費期限」があります。その期間は約3ヶ月(製品により異なります)で、古いものは酸化して金魚の健康に良くありません。
食欲低下だけでなく、消化不良になることもあるため、期限内に使いきりましょう。特に沈下性の餌は高タンパクな代わりに酸化しやすい傾向があります。
気温の高い夏などは高温多湿を避け、涼しい場所に保存しましょう。
餌の保存方法については、こちらの記事がおすすめです。
毎日の観察が一番の治療法
ここまで、餌を食べない原因と対処法を解説してきましたが、一番の治療法は「毎日の観察」です。
「水槽に近付いても餌をおねだりしない」
「弱々しく泳いでいる」
といったように、普段と違う様子に早い段階で気付くことがとても重要になります。
早ければ早いほど改善しやすく、水換えなどのメンテナンスだけで対処できる可能性が高まります。毎日の観察が食欲の低下を含む「万病の予防策」になると言っても過言ではありません。
まとめ:金魚が餌を食べない!原因と対処法を解説!毎日の観察が大切です!
金魚を長期飼育していると、餌を食べないケースに直面することもあります。
その場合は落ち着いて原因を特定して、効果的な対処法を行うことで早期改善が見込めます。ただ、金魚が餌を食べない理由を話してくれるわけではないので、ここでご紹介した内容と照らし合わせて原因を探ってみてください。
そのためにも、毎日の観察・健康チェックを忘れず行いましょう。
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トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。