大切な金魚により良い環境で過ごしてもらうためは、メンテナンスが必要不可欠です。
「たくさん掃除すると金魚も喜ぶはず!」そう考えて、水換えやろ材の交換をがんばってしまう方もいます。
しかし、あまりにメンテナンス頻度が高いと、かえって金魚が体調をくずしてしまうことも。逆効果にならないためには、メンテナンス方法によって最適な頻度を見極める必要があります。
そこで、今回は金魚水槽に手を加え過ぎたときに起こる問題点と、頻繁に行って良い・悪いことを3個ご紹介します。
金魚水槽のメンテナンスの頻度やテクニックを動画で紹介!
この記事の内容は動画でもご覧いただけます。
一言にメンテナンスといっても水換えや底砂の掃除、ろ材の交換や機材の調整など様々なことを行います。その中には頻繁に行って良いことと、実はあまり頻繁に行わない方がいいことがあるんです。
動画ではトロピカプレゼンター・ぶっちーが、金魚水槽に手を加えすぎてしまったときに起こるトラブルやメンテナンスの頻度・ポイントを解説します。
トロピカではYouTubeチャンネル『トロピカチャンネル』を公開しています。
アクアリウム運用のコツやメンテナンス方法、熱帯魚の飼育方法を動画で解説しています。
金魚水槽に手を加えすぎたら起こること
かわいいからと言って、金魚水槽に手を加えすぎると次の問題につながることがあります。
- 茶ゴケが生えやすくなる
- 金魚が消化不良になる
- 金魚がストレスを感じることがある
観賞性や健康に影響するので、金魚のためにも過剰な世話がどのような結果につながるのか把握しておきましょう。
茶ゴケが生えやすくなる
水換えの頻度があまりにも高いと、「茶ゴケの発生」につながります。
茶ゴケはバクテリアの少ない不安定な水質で生えやすいコケです。過剰な水換えによってバクテリアが激減すると、結果的に茶ゴケが繁殖しやすい環境になってしまうことがあります。
特に水槽を立ち上げて間もなかったり、ろ過フィルターを掃除したりなど、バクテリアが少ない場合は要注意。また、水換えして間もないのに濁りがとれない、白濁りするといったケースもバクテリアが少ない可能性があります。
金魚が消化不良になる
過度な水換えによって、金魚が「消化不良」を起こしてしまうこともあります。
水温合わせで飼育水と新しい水の水温が合っていれば問題ありませんが、冷たい水を入れてしまうと体調をくずしたり、消化不良につながったりなど、健康に悪影響を与えてしまうことも。
冬場は水道水がとても冷えているため、特に注意が必要です。また、水温の低下に加えて、餌の給餌量が多いと消化不良の危険性が高まります。
金魚がストレスを感じることがある
必要以上に手を加えると、金魚がストレスを感じてしまうことがあります。
ストレスは万病のもとで、
- 体調不良
- 食欲不振
- ヒレのピンホール
といったように、さまざまな問題や病気につながります。
人の場合でも部屋の気温がコロコロ変わったり、物の出入りが多かったりする場所では、落ち着かずストレスを感じてしまいますよね。金魚も同じで、頻繁に環境が変わることが負担となって体調をくずしてしまうことがあります。
金魚飼育で頻繁に行ってよいこと3選
これまで手を加えすぎたら起こる問題について解説してきましたが、「頻繁に行ってよいこと」もあります。
水質改善や健康管理に役立つので、これからご紹介する方法を実践してみてください。
水換えとフン掃除
水換えとフンの掃除は頻繁に行っても良いです。
金魚は餌をよく食べ水を汚しやすい魚なので、水換えを怠ると水質が悪くなってしまいます。
とはいえ、毎日や1日おきなど度が過ぎた水換えは、水質や水温が変化して先ほどご紹介した問題につながるため、控えましょう。水槽サイズと生体数にもよりますが、多くても週に1回のペースで問題ありません。
また、金魚はフンが多いので、こまめに掃除する必要があります。特に底床を敷かないベアタンク水槽の場合は目立ってしまうため、観賞面でも重要なことです。
それでも、週に1回程度で十分。気になる場合はプロホースで吸い出したり、網目の小さな網でサッとすくったりしましょう。
これら以外の、
- コケ取り
- ろ過フィルターやろ材の清掃
- <レイアウト物の清掃
といったメンテナンスは、金魚のストレスとバクテリアの減少を考えると頻繁には不要です。
餌を少量ずつ与える
餌は少量ずつであれば、こまめに与えても問題ないです。
1度にたくさん与えると消化不良や水質の悪化につながりますが、金魚が食べ切れる少量なら頻繁に与えることで体づくりに役立てることができます。
短期間で大きく立派に育てたり、冬眠前の体力づくりをしたりする場合には餌やりの回数を1日に2回以上与えることも少なくありません。
食べ過ぎていないかどうかはお腹の張り具合やフンの状態を見て判断します。詳しくはこちらで解説しています。
観察・体調チェック
観察や体調チェックは頻繁に行っても度が過ぎることはありません。
むしろ、泳ぎ方の違いや体表の異常など、病気の初期症状を発見する効果的な方法です。餌の食べ方も体調に左右されやすいので、餌やり後の挙動は要チェック。
とはいえ、水槽に張り付いて顔を近付けると金魚にストレスを与えてしまうため、ほどほどにしましょう。
金魚飼育で頻繁に行うと悪いこと3選
ここからは、頻繁に行うと悪いことをご紹介します。
金魚に与える影響が大きく、過剰に行うことで逆効果になってしまいます。
水槽内のレイアウトの変更
水槽内のレイアウトは1度決めたら、こまめに変更しない方が良いです。
金魚は自分で落ち着く場所や休憩場所を見つけているため、水草や石、流木などのレイアウトをコロコロ変えてしまうとストレスにつながります。
また、レイアウト素材の下にたまっているゴミが舞い上がって病原菌が広がってしまうことも。頻繁に行うのではなく、半年~1年に1度、どうしても変更したい場合にのみ行いましょう。
照明のON・OFF
頻繁に照明を点灯・消灯すると金魚がストレスを感じてしまいます。
金魚は昼行性の魚なので、昼間に活動して夜は体を休めます。そのリズムが照明によってこまめに切り替わることはストレスでしかありません。
とはいえ、仕事の都合で照明時間の管理が難しいこともあります。その場合は、タイマーを使用することで決まった時間に点灯・消灯させることが可能です。長時間点灯するとコケの発生にもつながるため、8時間程度が目安になります。
ろ材の交換
ろ材の交換はバクテリアの減少につながるので、頻繁に行う必要はないです。
ただ、ろ材が目詰まりしていると、ろ過能力が低下してしまうため掃除した方が良いでしょう。水洗いするときは水道水では塩素によってバクテリアが死んでしまうので、飼育水を使って洗い流します。
まとめ:金魚水槽に手を加え過ぎたらどうなるの?頻繁に行って良い・悪いこと3個
今回は金魚水槽に手を加え過ぎたときに起こる問題点と、頻繁に行って良い・悪いことを3個ご紹介しました。
アクアリウム全般にいえることですが、1度安定した環境であれば基本的に手を加えない方がうまくいきます。金魚もそうですが、特に餌をよく食べフンの量も多い魚なので、水換えとフンの掃除はこまめに行いましょう。

トロピカライターの高橋風帆です。
アクアリウム歴20年以上。飼育しているアーモンドスネークヘッドは10年来の相棒です。
魚類の生息環境調査をしておりまして、仕事で魚類調査、プライべートでアクアリウム&生き物探しと生き物中心の毎日を送っています。