アクアリストの悩みでもかなり上位にランクインするのが「コケの発生」です。
もう掃除するのイヤだなあ、これ放置したらどうなるんだろう…と考えたことはありませんか?
今回は、コケを放置したらどうなるか、コケはどういった一生を送るのか、コケ掃除はやはり必要なのか?!といった点に焦点を当てて解説していきます。
コケ、掃除しますか?しませんか?!
水槽のコケを放置すると?
水槽のコケを放置するとどうなるか、ご存知でしょうか。
「そのままどんどん増えて、水槽の中はコケだらけになるんじゃないの?」いえ、案外そうとは限らないのです。
こちらの項目で、コケを放置したらどうなるか解説します。
最終的には収束するコケもある
コケは、長く放置するとだんだん数が減り、いつかある状態で落ち着く…いわゆる「収束した」といえる状態になる場合もあります。
特に藍藻はそういった傾向が強いコケです。
藍藻とは、シアノバクテリアとも呼ばれる藻類の仲間で、べったりとノリのように付着する緑色のコケです。イヤな悪臭を放つこともありますので注意が必要です。藍藻について詳しく知りたい!という方は下のリンクをご覧ください。
汚く枯れることも
では他のコケではどう変化するでしょうか。
筆者の体験では、砂利に生えた茶ゴケは放置すると徐々に勢いをなくし、クリーナーで削るようにするとうまく除去できることがあります。
茶ゴケは水槽内の環境が整うと消えていく傾向にあります。ですが、筆者が一度茶ゴケを放置したところ、円形状に脱落して汚い感じに残ってしまいました。最初に生えたところだけが限界を迎えて枯れたのだと推測しています。
茶ゴケというのは珪藻という藻類の通称で、茶色く見えることから茶ゴケと呼ばれています。
コケの一生
藍藻と茶ゴケ、同じようなコケでもいろいろなタイプがあるわけですね。とは言え、一般にコケは似た生活サイクルをたどります。
こちらの項では、コケの一生について解説します。敵を倒すには敵を知ることから始めましょう。
初期:ぽつぽつと付きはじめる
コケはまず、水槽の壁面などにぽつぽつといった感じで生え始めます。この時期は色も明確でない場合も多く、小さいスポット状のためパッと見は気づかないことも。
「なんとなく最近水槽の中が濁ってきたように見えるなあ」という印象を持つ方が多いでしょう。水換えをしても濁りが改善されない…それは水槽の壁面にコケが生え始めたことが原因かもしれませんね。
最盛期:一面に広がる!
コケの発生に気づかずに様子をみているうちに、コケはどんどん勢力を広げていきます。
コケも光合成をしているので、特に光がよく当たるところから広がり始め、目で見て「うわあ、コケ生えちゃったな」と気づくようになる時期です。
照明が均一に当たっている場合は、水流が強く当たる部分に濃く生えることも多いです。コケの種類によっては、水流の強いところを好むためです。黒ヒゲゴケなどはこのタイプですね。
収束期:最初に生えたところから枯れてゆく
コケの勢いが落ち着いてくる、いわば収束期に入ると、最初に生えた箇所…例えば円形に広がったコケの中心部分からはがれるように落ちていくことがあります。
コケは植物の仲間、永遠に生きるものではないので、そのコケの寿命がきて枯れたと考えられるでしょう。
コケ掃除が必要な理由
「いつか収束するなら、コケを掃除しなくてもいいんじゃないか?」と思ってしまうような事実ですが、コケはやはり掃除した方がいいです。その理由は主に2つで、
- 水槽の鑑賞性を上げるため
- 水質を守るため の2点です。
具体的にどうしてそう言えるのか、解説します。
観賞性を上げるため
みなさんが水槽、アクアリウムを楽しんでいる一番の理由は「美しい水槽を楽しみたいから」ですね。
コケがついてしまった水槽は、魚やエビ、水草もよく見えなくなりますし、何よりも美観を損ねますね。コケで濁った水槽を美しいと感じる方はいないでしょう。
ですからせっかくの水槽、魚たちを楽しむためにもコケ掃除は必須な作業と言えます。
水槽面についたコケを掃除するには、下のようなヘラがあるととても便利です。
こちらのヘラは樹脂でできていて、かっちりとした硬さがあるのですが先端はとてもよくしなり、水槽面のコケをこそげ落とすのに最適です。ホームセンターなどでも販売されています。
また、水に手をつっこまなくても壁面のコケを掃除できるグッズもあります。
磁石の力でコケ落としを付着させ、水槽の外側から内側を拭き取ることのできるアイテムです。これがあると、ささっと掃除したいと思いついたときにすぐに使えて便利です。こまめに落とせばコケもすぐに落とせますね!
水質を守るため
コケが生え始めている水槽は、けっして管理が行き届いているとは言えない状況です。
水換え、定期的な掃除、餌の量の調節などがうまく行っていればコケの発生には至らないからです。
また、コケが水槽面に繁茂した場合、水槽の中が見づらくなります。水が濁り始めても気づかないでしょうし、ゴミが底にたまっても見えない状況かもしれません。
そういった汚れに気づかないでいると、水質もどんどん悪化してしまいます。それにより生体が命を落とすことや、悪臭を放つこともありますので、コケ掃除はとても大切な作業なのです。
ゴミが底にたまってしまった場合はプロホースがあるととても便利です。
先端を砂利などの底材につっこんで、灯油ポンプの容量でシュコシュコ押すだけでゴミを除去することができます。手を水槽に入れる必要がないので、こちらも思い立ったらすぐに使える便利アイテムです。
地道な掃除が水槽を円熟させる
水槽掃除は楽しい作業とは言えません。濡れるし、重いし、臭い場合もあります。
ですがその地道な作業を繰り返すことで、いろいろなことが見えてきます。
一口に水槽と言っても、中で飼育されている生体の数、種類、置き場所による温度や光量の差異など環境は様々です。でもずっと同じ水槽を掃除することにより、ベストの水換え時期、追肥の頃合い、必要性、魚の成長や健康度合いを知っていくことができます。
そういった小さな積み重ねが水槽を円熟させ、私たちアクアリストの知識も増やしてくれるのですね。やはり地道な作業が美しいアクアリウムを作る、それは過言ではないでしょう。
まとめ:水槽のコケを放置したらどうなるの?コケの一生と水槽掃除の必要性を解説
水槽のコケを放置する人はあまりいないので、「放置したらどうなるか、コケの一生はどうなっているか」について筆者の体験を交えてご説明しました。
やはり放置はダメです。手が付けられなくなって水槽をリセットする必要に迫られることもあります。便利な掃除グッズを使って、こまめに掃除を行い、美しいアクアリウムを楽しみましょう。

水槽のプロが所属するサイト運営チームです。
淡水魚・海水魚・水槽設備やレイアウトのことまで、アクアリウムに関する情報を発信していきます!
コメント
苔はメダカの赤ちゃんが食べるので、多少は大丈夫でしょうか?
コメントありがとうございます。
稚魚の食べるスピードでは抑えるのが難しいです。
ミナミヌマエビなど積極的にコケを食べる生き物がコケ対策にはおすすめです。
こちらのコラムもご参照ください。
・飼育生体別!おすすめコケ取り生体5選と注意点!小型魚・大型魚・エビ向け
https://t-aquagarden.com/column/algae_removing_creature
※外部サイトが開きます
よろしくお願いいたします。