ハリセンボンという魚、名前はとても有名ですし姿かたちを思い浮かべることができますが、「自宅の水槽でも飼育可能」であることを知っていましたか?
今回は、ハリセンボンの飼育に必要な設備、飼育のポイント、餌などについて解説していきます。
なつくと餌のおねだりをする姿が愛らしいハリセンボン、興味のある方は飼育にチャレンジしてはいかがでしょうか!
目次
ハリセンボンとは
ハリセンボンはフグの仲間です。
フグの仲間の特徴は
- 体が丸みを帯び、胸ビレをぱたぱた動かして泳ぐ。ホバリングする姿が愛らしい
- 歯が鋭く、他の魚のヒレをかじる恐れがある
- 動物性の餌を好む
といったところでしょう。その特徴を余すところなく受け継いでいる海水魚です。
ハリセンボンを購入する際に、最も知っておいた方がいいポイントは「最大体長30cmに成長する」ということでしょう。大人の男性の手のひらサイズ以上の大きめの魚になりますから、きちんと飼育しきれる環境を用意してあげる必要があります。
寿命は3~5年と言われていますが、環境を上手に合わせるとそれ以上長生きすることもあります。
ハリセンボンの飼育方法
飼育水槽は90cmオーバーフローがベスト!
上で紹介したように大きくなる魚ですし、スイスイとよく泳ぎ回る魚でもありますので、水槽は最低でも600mm × 450mmのサイズを用意してください。理想としては90cmのオーバーフロー水槽がオススメです。
ハリセンボンは水を汚しやすい魚ですので、大型の水槽のほうが急激な水質悪化が起こりにくいので、安心して飼育できるのです。
ろ過フィルターについて
オーバーフロータイプ、もしくは外部フィルターでも飼育可能です。
ただ、成長後のサイズを考慮するとやはりろ過能力の高い、オーバーフロータイプがオススメです。
また、動物性の餌を好むこと、フンを多くする種類であることから、プロテインスキマーは備えておきたいものです。
底砂について
底砂はあってもなくても大丈夫です。
水を汚しやすいハリセンボンですから、掃除や水質安定を考えれば、底砂なしのベアタンクがオススメです。
見た目的には底砂を入れた方が美しいですね。もし底砂を入れるのであれば、サンゴ砂がオススメです。
最適な水温・水質について
好む水温は25℃です。ですからクーラー、ヒーターともに必須アイテムです。
また白点病などの病気にも比較的かかりやすい種類です。ウロコがないためと言われています。
そういったことからも、水温・水質管理はきちんと行ってください。
水換えは最低でも一週間に一度は行いましょう。
最も病気にかかりやすいのは、水槽に導入した初期の段階です。ハリセンボンも慣れない水槽に連れてこられてピリピリしていますし、餌の食いも良くないケースがあるからです。導入してすぐは小まめに様子を観察してあげる必要があります。
もしも異変を感じたら、2日に一度くらいの水換えを行って様子をみましょう。
ハリセンボンは白点病にかかりやすい!?
導入時やpHの変化で最も症状が出やすいのが、『白点病』です。
治療には白点キラーなどの薬が有効です。
しかし、海水魚水槽でライブロックを入れていた場合、白点病の治療薬でライブロックにダメージを与えてしまうことが問題です。無脊椎動物にもダメージを与えます。
ライブロックを維持するとなると、基本的に隔離しての治療になりますが、なかなか大変です。
そこでおすすめするのが、本水槽でも使用できるサンゴ水槽用の白点キラーです。ライブロックが入っており、白点病の薬で悩んだ時には、サンゴ水槽用をおすすめします。
ハリセンボンの餌はクリルがおすすめ!
エビ類、貝類を好んで食べます。
乾燥エビクリルをよく食べてくれるので、用意しておきましょう。乾燥餌を食べてもらえると非常に飼育が楽になりますので、最初に乾燥餌を食べさせるしつけをしておきましょう。
他にも貝類の生餌がお好みですから、アサリやイカの切り身なども食べてくれます。ただし生餌は嗜好性が高いため、何度も与えると「生餌じゃないと食べない!」となってしまう可能性があります。
栄養バランス、餌の入手しやすさ、管理の容易さを考えると乾燥餌を食べ続けてもらいたいですから、生餌を与えることはよく考えてから行いましょう。
乾燥餌を食べてくれない場合は、軽く絶食期間をもうけ、生餌と一緒に乾燥餌を与えることで食べてくれやすくなります。
餌付けは難しいタイプの魚ですが、一度なつくと「餌、ちょーだい!」と近寄ってきてくれ、非常に愛らしい魚ですので、ぜひ挑戦していただけたらと思います!
餌付けについては以下のページも参考になさってください。
もし「今まで食べていた餌を食べなくなった」としたら、ハリセンボンにストレスがかかっている可能性が大です。その場合は水質をチェックし、水換えを行ってあげましょう。見た目に反してデリケートな魚です。
混泳は難しい
ハリセンボンは非常に鋭い歯を持っています。その上気が強いので、他の種類の魚と混泳させると喧嘩はもちろん、自分よりも小さな魚であれば食べてしまうこともありますので、他種の魚との混泳はかなり厳しいと言わざるを得ません。
ではハリセンボン同士の混泳はどうかというと、とにかく水が汚れやすい魚ですから、複数飼育する場合は常に水質を気にする必要があります。海水魚の水質管理に慣れているかた以外はやめたほうが無難かもしれません。
サンゴもハリセンボンにとってはかじる対象ですので、水槽内に入れるのはやめておきましょう。
まとめ:ハリセンボンの飼い方!意外に大きくなる?最適な水槽サイズから餌を解説
愛嬌のあるなつっこいハリセンボンについて紹介しました。
海水魚であり、水を汚しやすいタイプであることから初心者の方には少々難しいですが、フグの仲間は本当に可愛らしいので、慣れてきたらぜひ一度挑戦してみませんか?とりこになること請け合いの魚です!

水槽のプロが所属するサイト運営チームです。
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コメント
ハリセンボンは、とにもかくにも白点病になりやすい(というか、ほぼ必ずなる)ので、白点病の治療がてきるかどうか、が飼育の最も大事なスキルになります。
他の海水魚なら問題ない飼育方法でも白点病になってしまうので、初心者には全くオススメしません。
逆に、白点病の対処さえ出来れば非常に飼いやすくてとても飼い主に馴れてくれるカワイイやつです。
ちなみに私の中の白点病の対処方法は、今のところ白点キラー一択です。他の治療薬は全くといってよいほど効果なかった中、唯一効果があった治療薬でした。それでも用法用量では病状の進行に間に合わないので、倍量での使用をオススメします(したがってライブロックはデスロックになります)。
コメントありがとうございます。
たしかに白点病はネックですね。そして白点キラーは良い薬です。
そのあたりの記述も加筆させていただきます。
ご指摘ありがとうございます!
大人になったら飼育してみたいと思った。