海水魚が病気になった!病気の対応・治療方法と予防についてプロが解説!

金魚やメダカ、淡水の熱帯魚と同様に、海水魚も病気にかかります。

はじめに大前提で申し上げると、海水魚はとくに病気にさせないようにする水槽管理スキルが重要です。

大きい水槽でも小さい水槽でも、水槽サイズに合わせて魚種を選定をし、伸び伸び泳がせるスペースを設けて、魚にかかるストレスを最大限小さくして飼育管理することが大切です。

しかし、それでも白点病などの白い点が海水魚の体に付着してしまったり、突然餌を食べなくなったなどの症状が見られた場合は早急な対応が必要です。

ここでは、海水魚がかかる一般的な病気の症状から対応方法まで解説していきます。

 

海水魚がかかりやすい病気とは

海水魚を飼育していれば、一度は管理下の海水魚が病気にかかる経験をする方が多いとおもいます。

そして、海水魚の病気の治し方について、一般的な正しい方法から、その人の経験からくるオリジナルな方法まで様々あり、困惑してしまう方も多いかとおもいます。

ここでは、一般的な治療方法を基にわたしの経験を交えて解説していきます。

 

 

白点病

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海水魚飼育で最も悩ましい病気、そして最もかかりやすい病気の代名詞とも言えるのが白点病です。

熱帯魚や金魚でもそうですが、アクアリウムでは白点病との付き合い方を考えながら管理するのも1つのテクニックと言えるでしょう。

 

 

白点病の発症理由は

海水魚が白点病にかかるケースとして、大きく3つあります。

  • 水換え後の水温急変
  • 水の濁り
  • ストレス

白点病と言えば水温急変が原因と思われる方が多いとおもいます。

しかし、こと海水魚については、経験上、水の濁りとストレスから発症する確率が高い印象を受けます。

外部フィルターの場合、ろ過フィルターを清掃後に発症、オーバーフローろ過槽の場合は、ろ過材を清掃すると発症する可能性が高いことは覚えておきましょう。

さらに掘り下げて解説するなら、バクテリアバランスの変化や、ろ過材に蓄積した白点菌が水槽に舞ってしまうことで引き起こしていると推測されます。

また、底砂清掃やレイアウト変更などで水が濁った場合も同様に白点病が発症する可能性があります。

ストレスについては、魚同士の縄張り争いによる喧嘩や水槽が狭い場合など、ストレスによりおびえて拒食となり体力が失われてきたところで、白点病に罹りやすくなります。

まずは、相手を追いかけまわすような場合は隔離をして落ち着かせましょう。

海水魚はストレスに弱く白点病を引き起こしやすいため、よく水槽内を観察するようにしましょう。

 

白点病の治療方法

白点病の治療方法は、硫酸銅を使用した治療以外に確実な治療方法はありません。

ただし、銅を使用した白点治療は危険と隣合わせなので、経験豊富な専門店にアドバイスもらうか、硫酸銅が入っている白点病の治療薬を使用するようにしましょう。

なお、硫酸銅はサンゴやライブロック、甲殻類が入っている水槽には使用できませんので、別にトリートメントタンクを用意し治療することをおすすめします。

 

白点病に罹らないようにするには

白点病は、バクテリアバランスの変化やメンテナンス不備、そして飼育環境のストレスが主な原因です。

再発防止対策として、余裕を持ったろ過設備と遊泳スペースを設けること、そしてなるべくレイアウト変更はせずに、水槽に手を入れる回数を少なくするように心がけましょう。

 

 

ハダムシ

海水魚の病気で白点病とともに猛威を奮う可能性があるのが、ハダムシと呼ばれる寄生虫による病気です。

ハダムシに罹ると、何となく調子が悪くなったり、体をブルブルと震わせるしぐさ、岩にこすりつけたりする行動から、悪化すると目が白く濁ったりします。

 

ハダムシの発症理由

ハダムシは大抵、購入時から付着しているケースが多いです。

購入場所の水槽でハダムシが湧いていると、付着したばかりだとよく分からなくても、数日水槽で泳がせると異変に気付くことになります。

また、一回水槽でハダムシが発症し増殖すると、他の海水魚にうつることはもちろん、水槽内に定着してしまう可能性もあるので、早急な治療が必要です。

 

ハダムシの治療と予防

ハダムシは淡水浴で治療することができます。

ハダムシは淡水では生きることができないため、カルキを抜いた淡水に海水魚を3分~5分泳がせて浸透圧の変化で海水魚の体から排出させます。

淡水浴はやや荒い治療ではありますが効果は抜群です。

淡水浴中は、治療個体の変化に気を付けながら行い、もし横たわり苦しそうなら海水に戻してあげましょう。

一度に取り切るというより、淡水浴を2,3回おこない完治させるようにすることが大切です。

なお、新魚を購入した場合は、水槽に入れる前に淡水浴をすることで、ハダムシの発症を高確率で抑制することができるため、必ず実施するようにしましょう。

 

 

リムフォシスティス

リムフォシスティス、通称・リムフォと呼ばれるウイルス性の病気です。

リムフォは、魚のヒレや体に白い綿のようなものが付着します。

最近では、あまり見ることがなくなった病気ではありますが、アメリカから来るクイーンエンゼルやブルーエンゼルといった大型ヤッコが罹っているケースが多いと感じています。

 

リムフォの発症理由

リムフォが発症している水槽で飼育しているとかかる可能性があります。

とくに、アメリカから来る生体には注意が必要です。

 

リムフォの治療方法

淡水浴をしながら白い疾患部分を指の爪で削ぎ取ります。

リムフォの進行スピードはゆっくりですが、再発する可能性も高いため、じっくり気長に付き合って治療していくと良いです。

リムフォに罹ってもすぐに衰弱するといったことは低いため、よく水槽内を観察してリムフォの症状が見られたら速やかに対処しましょう。

 

 

まとめ: 海水魚が病気になった!病気の対応方法と予防についてプロが解説

海水魚でかかる可能性が高い病気についてまとめました。

他にもいくつか病気がありますが、代表的なのはこの3種類です。

まずは、病気が出ないように水槽管理をし、万が一発症しても慌てずに対処していきましょう。

そして、海水魚を購入する場合は、購入する魚が状態良く2週間以上購入先の水槽で病気無く元気で泳いでいるか確認してからお迎えすると、病気に罹る可能性が圧倒的に減ります。

それでは、楽しいマリンアクアライフをお過ごしください。

 

 

2件のコメント

  1. ひで より:

    釣った魚でも同じ事なんですかね?

    1. 中島 より:

      釣った魚はワイルド(野生種)ですので、お店で購入するようなブリード(養殖種)ではみないような寄生虫や保菌をしていることがあります。
      飼育する場合は、トリートメントや餌付けを行うことをおすすめしています。

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