熱帯魚や水棲生物というと、ペアや群れ、混泳させて飼育するといったイメージを持っている方は多いのではないでしょうか?
犬や猫のように、単独で飼育することができ、懐いてくれるものがいないと思われがちですが、実は単独飼育推奨な以下の生物はペットのような感覚で飼育することができるんです。
- ポリプテルス
- カニ
- ザリガニ
- ハコフグやハリセンボンなどのフグ類
- オスカー
- ピンポンパールや水泡眼などの金魚
- ベタ
単独飼育することで餌をたっぷり与えることができますし、ケンカすることもないので怪我の心配もなく、飼育者に懐いてくれます。
今回はペット感覚で飼育できる単独飼育に向いている水棲生物の紹介や、単独飼育のメリットについてお話ししていきます。
単独飼育に向いている生体
単独飼育といえばベタを真っ先に思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし熱帯魚や水棲生物全体で考えると、ベタ以外にも単独飼育に向いていて、飼育者に慣れてくれペット感覚で飼育できる生き物はいます。
ここからは単独飼育に向いている生き物を7種類ご紹介していきます。
ポリプテルス
ポリプテルスはシーラカンスと同じ古代魚に当たる魚で、とても硬い鱗で覆われています。自然環境下では体長が70cmを超えるものもいるようですが、水槽飼育では40~50cm程で成長が止まることが多いようです。
性格は温和ですが、餌を食べるのがあまり上手ではなく、エナメル質のような独特の鱗のせいで傷が目立ちやすいです。そのため他の熱帯魚と混泳させてケンカし怪我をすると、傷が目立ちやすいという特徴があります。
じっくりと飼い込んでいきたいのなら、単独飼育がおすすめな魚です。
ポリプテルスについてはこちらの記事でも紹介していますよ。
カニ
カニは海水浴や河川で遊んでいて、捕まえたことがあるという人結構いますよね。捕まえたカニをそのまま自宅に連れて帰り、飼育したことがあるという方も多いですが、カニはひとつの水槽に数匹入れておくと共食いしてしまいやすい生き物です。そのため単独飼育推奨ですが、飼育環境がよければ7年くらいは生きてくれますよ。
カニの飼育方法については、こちらの記事で詳しく解説していますよ。
ザリガニ
ザリガニもカニと同じく、共食いしやすい生き物です。特にザリガニの場合は脱皮直後は、殻が柔らかく無防備な状態になってしまうため、複数飼育している場合は食べられてしまう可能性が高くなるので、単独飼育することが望ましい生き物です。
ザリガニの飼育に関しては、こちらの記事を参考にしてくださいね。
フグ(ハコフグ、ハリセンボン)
淡水フグのアベニーパファーや、海水魚のハコフグ、ハリセンボンなどのフグ類は肉食系で気性が荒い種類がほとんどです。
アベニーパファーの場合は、他の熱帯魚の尾ひれをかじってしまいます。
ハコフグの場合は、外部から刺激を受けたりストレスを感じることで、毒を出すという特徴があり、最悪の場合同じ水槽内の生き物を殺してしまう危険さえあるんです。
ハリセンボンは体が鋭い針で覆われているだけでなく、肉食性が強いので、同じ水槽内の生物を食べてしまう可能性があります。
フグの種類や飼い方については、こちらの記事をご覧ください。
オスカー
中型シクリッドのオスカーは、コレクション性の高い熱帯魚としても知られています。体長は30~40cmほどになり、寿命は10~20年。視力がよいといわれていて、長期間飼育していると人に慣れるという特徴がありますが、同種同士で相性が悪ければ混泳ができないことがあります。
しかし、他種との混泳なら比較的成功しやすいです。
オスカーの飼育に関しては、こちらの記事を参考にしてくださいね。
金魚(ピンポンパール、水泡眼など)
複数飼育が基本と思われがちな金魚ですが、種類によっては単独飼育したほうがよいこともあるんです。
さまざまな種類がありますが、ピンポンパールや水泡眼のように泳ぎが苦手な種類は、和金のように泳ぎが得意な種類と一緒の水槽に入れていると、餌をしっかり食べることができないことが多いんです。
また出目金のように目が傷付きやすいといった特徴のある種類も、ケンカなどで眼を傷つけられるのを防ぐために、単独飼育が望ましいです。
そしてある程度の大きさになると、ヒレが大きく伸びる種類などは複数飼育しているとスレ傷を負ってしまう事があります。
じっくり綺麗な状態に仕上げるのであれば、ピンポンパールや水泡眼などの特徴のある金魚は、ゆとりのあるサイズの水槽での単独飼育をおすすめします。
金魚の飼育に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ベタ
単独飼育といえばベタを思い浮かべる方が多いでしょう。気性の激しい熱帯魚ですが、単独飼育すると意外に飼い主に懐き、愛嬌のある表情を見せてくれます。
寿命は短いものだと1~2年ですが、3~5年生きる品種もいます。
他の熱帯魚と混泳させると、相手によってはベタのヒレをかじってしまう事もありますし、同種同士では繁殖期でもオスがメスをぼろぼろにすることも珍しくありません。
コップやボトリウムなどの小さな容器でも飼育可能ですが、やはりストレスなく美しい状態を保つのであれば、水槽での飼育をおすすめします。
ベタの飼育に関してはこちらの記事を参考にしてください。
単独で飼育するメリット
「1匹だで飼育するのにはメリットがあるの?」
「1匹だけだと可哀そう」
そんな声が聞こえてきそうですが、単独飼育ならではのメリットは以下の3つあげることができます。
餌をたっぷり与えられる!
単独飼育の場合は同じ水槽内に他の魚や生き物がいません。特に金魚のピンポンパールや水泡眼のように、泳ぎが下手だったり、ポリプテルスのように餌の食べ方が下手な魚は、単独飼育することできちんと餌を食べられるようになります。
ケンカ・怪我の心配がない!
ひとつの水槽で複数飼育している場合、水槽内で力関係が出来上がってしまう事が多いです。同じ種類の生物でも、人間のようにそれぞれケンカの強さは違うため、お互い傷つきますし傷が深ければ最悪の場合死んでしまいます。
魚の傷の治療は難しいです。傷口から病原菌や寄生虫に感染することも珍しくなく、些細な傷でも致命傷になることも。
単独飼育の場合は、ケンカ相手がいないので傷付く原因を減らすことができます。
懐いてくれる!
単独飼育で一番喜びを感じるのは、1対1の関係を築くことができるので、生き物に信頼され懐いてくれること。
水棲生物は感情がないと思っている方もいるかもしれませんが、実際にベタや金魚などの飼育経験から、魚やカニなどでも飼育者のことを認識して懐いてくれることが多いです。
あちらから近寄ってきたり、餌の時間におねだりのダンスをする、何かいいたげに口をぱくぱくしているなど、飼い主バカと言われそうですが、単独飼育で愛情を持って育て信頼関係を気づくことで、愛らしい姿を見せてくれるようになります。
余談ですが魚類は警戒している状態だと、危険な状態になったときにいつでも逃げることができるよう、横向きでこちらを観察しているのだそうです。そのため正面を向いてこちらを見ているときは、信頼されていると考えてよいでしょう。
まとめ:単独飼育がオススメ!ペット感覚で楽しむ熱帯魚や水槽で飼える生き物7選
今回は単独飼育がオススメな、ペット感覚で飼育できる熱帯魚などの水棲生物の紹介と、単独飼育のメリットについてお話ししました。
熱帯魚などの複数飼育は華やかさや賑やかさがあって見ていて楽しいものですが、気性が激しいものだとケンカや縄張り争いでケガをしてしまうことがあります。餌を取るのが下手だったり、泳ぎが下手な場合は複数飼育だと、餌をしっかり食べることができないケースが多いので、単独飼育にしたほうがよいです。
単独飼育は生き物と1対1の信頼関係をしっかり築くことができ、じっくりと観察しながら飼育することができるので、生き物への愛情もより増していくことでしょう。
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