水槽レイアウトに水草を導入することは定番ですが、水槽底部を生活の場とするコリドラスなどの底物は、底砂を掘り返す性質を持つので種類を選ばなければなりません。
さもないと、水草が根付く前に引っこ抜かれたり、底砂の掃除がしづらくなることで不衛生になり、底物たちが病気になる恐れがあるからです。
底物と相性が良い水草レイアウトは、石や流木に水草を活着させて導入する手法です。この方法であれば、底物に掘り返される心配もなく、底砂の掃除もそれほど困難にはなりません。底物が底砂を掘るスペースの確保も容易です。
そのため、相性が良い水草の種類としては活着性を持つものが挙げられ、具体的にはアヌビアス・ナナやミクロソリウム、ウィローモスなどの種類があります。
ここでは、底物と相性が良い水草の種類や条件に加え、逆に相性が悪い水草の特徴などを解説していきます。
目次
底物の魚と相性の良い水草3選
アヌビアス・ナナ
代表的な陰性水草で、丈夫で育成しやすいため水草の入門としても最適です。活着性を持ち、強い光やCO2の添加がなくても成長する点もメリットです。丸みを帯びた深緑色の葉が特徴で、水槽内に導入すると落ち着いた雰囲気を演出できます。
ただ、成長が遅くてコケ(藻類)が生えやすいので、コケ対策にヤマトヌマエビやオトシンネグロなどのコケ取り生体を入れておきましょう。これらの生体は、大人しい底物との相性は良好です。
ミクロソリウム
細長い葉をつける水生シダの1種で、非常にポピュラーな種類です。適応力が高く丈夫なので育成しやすく、活着性に優れることもあり底物との相性は良好です。
アヌビアス・ナナと同様に日陰でも成長し、CO2の添加も必要ありません。葉が縦方向に伸びていくため、レイアウト次第で立体感を出すことが可能です。同種も成長が遅く、コケが生えやすい性質があるのでコケ取り生体は入れておきましょう。
ウィローモス
ハイゴケ科に分類されている苔の1種で、活着性が非常に高いので石や流木の他に素焼きのアイテムなど、色々な物に活着させられます。短くフサフサとした草姿が特徴で、環境適応力が高く丈夫かつ、低光量・CO2添加なしでも成長するため、あらゆるレイアウトで活躍します。
基本的に底床に植え込むタイプの水草ではないため、底物との相性も良好です。同種には糸状のコケ(藻類)が発生しやすいため、対策としてヤマトヌマエビをはじめとする、エビ類を入れておくことをおすすめします。
底物に最適な水草の条件
基本的には活着水草がおすすめ!
コリドラスなどの底物は底砂を掘り返す性質を持つものが多いので、基本的には活着性を持つ水草を、石や流木などに活着させた状態で導入することがおすすめです。底砂に植え込んで根張りを待つタイプの有茎草などは、根付く前に掘り返されてしまうことが多いです。
底物は本能的な行動でもある、掘り返す動作ができないとストレスを感じて調子を崩す恐れがあるため、そのスペースは確保してあげる必要があります。
よって、底砂に植えなくても育成できる、活着水草が向いているのです。底物水槽には、アヌビアス・ナナやミクロソリウムを石や流木に活着させて導入する例が多いです。
高い栄養分を必要としない
底物は掘り返したり潜り込めるよう、田砂やボトムサンドなどの細かい底砂で飼育することが一般的です。これらの底床材は養分が含まれておらず、ソイルのような水草の成長を助ける機能はありません。
そのため、奇麗に育成するために多くの栄養分を要求する種類の水草は、底物水槽には不向きです。そういった意味でも活着水草が有力なのです。
底物と相性の悪い水草
ロゼットの仲間は控えたほうが良い
中心から放射状に葉を伸ばす水草はロゼットと呼ばれていますが、こちらの種類は底物に向いていません。なぜなら、根張りが強い種類が多く、底砂の掃除が困難になるからです。底物は普段から底砂の上や中にいるので、底砂を清潔に保たなければ病気になってしまいます。
つまり、底物を上手に飼育するためには底砂の掃除が欠かせないため、それが困難になるロゼット型は避けた方が良いのです。また、いくら根張りが強いと言えども、定着する前に掘り返されてしまっては育成ができません。
ロゼット型であるアマゾンソードは、しばしばコリドラス水槽に導入されている例を見ますが、底砂の掃除がしづらくなるのであまりおすすめできません。
茂りすぎる水草もNG
前述の通り、底物は底砂を掘り返したり潜り込む性質を持つものが一般的です。その行動ができないとストレスを感じて調子を崩す恐れがあるため、底砂を自由にできるスペースを確保する必要があります。
有茎草の中には、上手に育成すると繁茂してボリュームが出る種類も存在し、そのような種類は底砂の大部分を覆ってしまうこともあるので、底物とは相性が悪いです。
まとめ:底物の魚と相性が良い水草3選!コリドラス水槽などに最適な水草と条件とは
底物水槽に水草を導入する時は、底物が底砂を掘り返すことと、底物は上~中層を泳ぐ種類よりも、底砂の衛生状態が重要になることを念頭においてください。これらのことを考慮すると、底砂に直接植えて育てる必要がある種類とは、相性が悪いと言えます。
よって、底物水槽に水草を導入する時は、移動が容易な活着水草を導入することが基本で、活着性を持つ水草としてはアヌビアス・ナナやミクロソリウム、ウィローモスが代表的です。
活着性を持つ水草はこれら以外にも存在し、活着された状態で販売されているアイテムもあるので、底物水槽でもこだわりのレイアウトを作成可能です。ぜひ、底物と水草の性質を理解したうえで、水草を使ったレイアウト作りに挑戦してみてください。

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