水草の美観を長期的に保つためには、トリミングが欠かせません。
しかし丈夫そうな葉をカットしたあと急に水草が元気をなくしてしまい、葉が溶けてしまったという経験はありませんか?
実はトリミングは多少なりとも水草にダメージを与える行為のため、ストレスに弱い水草はトリミングで調子を崩してしまうことがあるのです。
つまり、頻繁にトリミングする必要のある前景~中景には、トリミングに強い水草を選ぶことが重要なポイントと言えます。
今回はトリミングに強く丈夫な水草を7種類ご紹介していきますので、水草水槽を美しく維持するための参考にしてくださいね。
トリミングに強い水草のメリット
トリミングに強い水草とはつまり、管理がしやすく美観を保ちやすい水草ということです。
- レイアウトのしやすさ
- 密度の増やしやすさ
という2つの視点から、トリミングに強い水草を選ぶメリットをご紹介していきます。
水槽内のレイアウトが維持しやすい
ネイチャーアクアリウムや水草水槽では、美しいレイアウトを維持することが大変重要です。
コンテスト(ADA社の世界水草コンテストなど)に出す水槽であればなおさら、こまめにトリミングをして質の高いレイアウトに仕上げることが必要不可欠となります。
そういった水槽をつくるときに役立つのが、繰り返しのトリミングに耐えられる丈夫な水草です。
トリミングに強ければ理想のレイアウトを長期間維持することができますし、ちょっとした手直し程度であればまず枯れる心配はありません。
トリミングに強い水草は水槽内のレイアウトがしやすいため、ネイチャーアクアリウムや水草水槽をつくる際には非常に大きな役割を果たしてくれるのです。
密度を増やすことができる
密度を増やしやすいという点も、トリミングに強い水草のメリットと言えます。
トリミングにはいくつか手法があるのですが、単純に長さを整える方法の他に、カットして余った水草を植え直して増やす方法(挿し芽)があります。
カットした部分からも脇芽が出てきますので、トリミングを適度に行ない挿し芽を繰り返せば、水草の密度を上げることができるのです。
徒長した水草をカットして植え直せば全体的に光が行き届き、成長速度も早くなります。
この方法であればもともとは1本の水草を5本にも10本にも増やすことができるので、水草を買い足す必要がなくお得感がありますよね。
トリミングに強い水草7選
ここからはさっそく、トリミングに強いおすすめの水草をご紹介していきます。
今回ご紹介するのは以下の7種類の水草です。
- パールグラス
- グリーンロタラ
- ハイグロフィラ・ポリスペルマ
- ピンナティフィダ
- ミリオフィラム・マットグロッセンセ
- オーストラリアンノチドメ
- セイロンロタラ
是非、お気に入りの水草を見つけてみてくださいね。
パールグラス
葉に気泡を付けた姿がなんとも可愛らしく幻想的な水草、パールグラス。
水草水槽に興味をもった方であれば、一度は見たことがあると思います。
パールグラスはかなり成長が早く、トリミングは必須です!
見た目は繊細ですが繰り返しのトリミングにも耐えられるほど丈夫な水草なので、伸びすぎたときは適度にカットして整えてやりましょう。
ただしあまりにも頻繁にトリミングすると下の方の葉が縮れることがあるようなので、そういった場合には差し戻しをするのがおすすめです。
グリーンロタラ
グリーンロタラは育てやすく安価な上に、明るい緑色の葉がとても美しい水草です。
田んぼに自生するほど丈夫で成長速度も早いので、こまめにトリミングをして好きな形に整えてやりましょう。
トリミングによってダメージを受けることはほとんどありませんが、とにかく成長が早いので肥料切れにより縮れてしまうことがあります。
底床にはソイル系の底砂を敷いて、水草用の肥料を適宜添加するのがポイントです。
ハイグロフィラ・ポリスペルマ
ハイグロフィラの中でも特に丈夫なのが、こちらのハイグロフィラ・ポリスペルマ。
初心者から上級者まで幅広い層から人気が高い水草です。
成長が早い水草ではありますが、CO2の添加がなくても十分に育ちます。
肥料も多くは必要としませんので、様子を見ながら少量ずつ添加するようにしましょう。
光が強く当たる部分を深めにカットして光量の少ない場所に挿し芽をすると、高さがそろい奥行きも表現できます。
ピンナティフィダ
ピンナティフィダは先ほどご紹介したハイグロフィラの仲間で、かなり大型に成長します。
90cm以上の大型水槽で育てるのがおすすめです。
もともとCO2や肥料の添加があまり必要ない水草で、むしろ貧栄養状態で育てると長期的に美しい姿を保つことができます。
また、ピンナティフィダは有茎草の中で唯一、活着性をもつ水草とも言われています。
カットした節目から根を出しますので、流木や石に巻きつけて活着させてみましょう。
表現の幅が広がり、とても面白いですよ。
ミリオフィラム・マットグロッセンセ
ミリオフィラム・マットグロッセンセ(別名マトグロッセンセ)は上から見ると雪の結晶のような形をしている大変美しい水草です。
繊細な姿とは裏腹に丈夫で育てやすく、CO2と肥料を少量ずつ添加すれば初心者でも美しく育て上げることができます。
トリミングを繰り返しすぎると葉が小さくなるため、適度に差し戻しをして状態を保ちましょう。
状態の良いマットグロッセンセは先端がオレンジ色に染まるのですが、根本の緑からオレンジにかけてのグラデーションはかなり魅力的ですよ。
オーストラリアンノチドメ
オーストラリアンノチドメは別名オーストラリアン・クローバーとも呼ばれ、その名の通り野草のクローバーのような見た目をしているユニークな水草です。
こちらの水草も大変丈夫で育成しやすく、光量が強ければCO2の添加をしなくても十分に美しく育てることができます。
地面をはうように成長していくため、マット状に育てたいときは盛り上がった部分を適度にトリミングして間引いてやりましょう。
密度を均一にして光が当たらない部分を減らすのがポイントです。
セイロンロタラ
セイロンロタラは、先ほどご紹介したグリーンロタラよりもやや赤みを帯びた葉が特徴的な水草です。
CO2無添加の水槽でも育てることは可能ですが、少しでも添加しておくと美しい姿を長期的に保つことができます。
葉の赤みを出したい場合は、CO2の添加に加えて強めのライトを当てましょう。
光の当たりづらい根元の方から枯れてしまうことがあるため、こまめにトリミングをしてまんべんなく光を当ててやることが大切です。
まとめ:トリミングに強い水草7選!水草水槽を美しく維持しやすい丈夫な水草とは!
今回はトリミングに強く丈夫な水草を7種類ご紹介してきました。
水草水槽やネイチャーアクアリウム、コンテストに出すレベルの水槽の場合、長期的に美しい水景を保つためにはトリミングに強い水草を選んでおく必要があります。
特に頻繁にトリミングする必要のある前景~中景には、今回ご紹介してきたような水草を配置するのが美観を維持するポイントです。
お気に入りの水草を見つけて、理想的なレイアウトづくりにチャレンジしてみてくださいね。
トロピカライターの井上あゆみです。
金魚から熱帯魚・海水魚まで、全部で20種類程度のお魚を飼育してきました。
お気に入りはイエローヘッド・ジョーフィッシュ。怒ったような顔をしているのに、実はかなり臆病というなかなか憎めない海水魚です。アクアリウム初心者の方でも楽しく読めるような記事を書いていくので、よろしくお願い致します!