マリンアクアリウムというと、皆さんはどのようなことを想像しますか?
「オーバーフロー水槽でなければ海水魚は飼育できない」
「設備を揃えるのが難しそう」
このように、海水魚の飼育は少し敷居が高いイメージが強いですよね。
しかし実際はというと、マリンアクアリウムは人工海水や比重計などの必須アイテムを除けば、淡水魚を飼うような設備ではじめることが可能です。
今回は初めて海水魚を飼育しようと考えている方に向けて、マリンアクアリウムをはじめる最低限の設備やおすすめのアイテムなどについて解説をしていきます。
海水魚水槽に興味のある方は、ぜひこちらのページをお役立てくださいね!
目次
海水魚水槽をはじめる最低限の設備
まずは海水魚水槽をはじめるにあたって用意しておきたい、最低限の設備についてご紹介していきます。
人工海水や比重計を除くと、以下の5点が必需品です。
- 水槽
- 外部式フィルター
- エアレーション
- 水槽用ヒーター
- 照明
それぞれ詳しく解説していきますので、しっかりと確認しておきましょう。
60㎝以上の水槽がおすすめ
マリンアクアリウムを始めるにあたって、まず必要なのが水槽ですね。
海水魚の飼育が初めての場合は、60㎝以上の水槽がおすすめです。
理由は主に、以下の2点が挙げられます。
- 比重の変化を軽減するため
- 水質を維持するため
マリンアクアリウムの場合は飼育水に塩分が含まれています。
そのため、水槽内の水が蒸発すると比重が変わってしまい、魚に負担をかけてしまうことがあるのです。
小さな水槽では蒸発による比重の変化が著しいため、こまめに足し水しなければなりません。
また、海水魚は淡水魚と比べると水質の変化に弱い種類が多いため、水質を安定させるためにもある程度の水量がある水槽の方が管理しやすいです。
海水魚の飼育が初めて、もしくは飼育に慣れてない場合は、60㎝以上の水槽を用意しましょう。
外部式フィルター
続いて必要なのがろ過装置ですね。
最低限の設備で海水魚水槽を楽しみたいのであれば、ろ過装置は外部式フィルターがおすすめです。
マリンアクアリウムというとオーバーフロー水槽をイメージする方が多いと思いますが、飼育する魚の数を控えめにすれば外部式フィルターでも問題なく飼育できます。
水質の急変を防ぐために、できるたけパワーの強い外部式フィルターを選びましょう。
以下の記事では外部式フィルターでマリンアクアリウムをはじめる場合におすすめの海水魚について解説していますので、ぜひご覧になってみてくださいね。
エアレーション
もしろ過装置を外部式フィルターにするのであれば、エアレーションも用意しましょう。
実は外部フィルターだとどうしても溶存酸素量が低くなってしまうので、魚たちが酸欠になってしまうことがあります。
つまり、そんな外部式フィルターの酸素供給力の低さを補うのが、エアレーションということですね。
エアレーションの方法としてはエアストーンを使用してもいいですし、プロテインスキマーでも酸素供給することができます。
水槽用ヒーター
水槽用ヒーターも必須ですね。
アクアリウム用として流通している海水魚は、基本的には温暖な海域に生息する魚たちです。
水槽を設置する地域や季節にもよりますが、大抵の場合は秋から冬にかけて水温が下がり適水温を保てなくなってしまいます。
エアコンの暖房機能で水温を保つこともできなくはないのですが、暖房で消費する電気代の方が高くなる場合が多いので、効率よく水を保温できる水槽用ヒーターを用意しましょう。
照明
最低限の設備として見落としがちなのが照明(ライト)です。
照明は水槽の観賞性を高めるアイテムと思われがちですが、実は魚のバイオリズム(生活リズム)を整える役割も担います。
ただし水槽を設置している部屋の照明だけでは魚にとって暗すぎるので、必ず水槽用の照明を用意しましょう。
実際の海の雰囲気を演出したい場合は青い照明を使うのがおすすめです。
必須ではないけれどおすすめなアイテム
ここまで海水魚をはじめるための最低限の設備について解説してきましたが、続いては必須ではないけれどおすすめなアイテムということで、
- 底砂(サンゴ砂)
- ライブロック
こちらの2点についてご紹介していきます。
より手軽にマリンアクアリウムを楽しみたいという場合は使わなくても問題ありませんが、底砂やライブロックがあれば水質維持につながりますし、観賞性も高まります。
以下で詳しく解説しますので、検討中の方は参考にしてみてくださいね。
底砂(サンゴ砂)
まずは底砂について。
海水魚水槽で使う底砂といえば、サンゴ砂やアラゴナイト、ライブサンドなどが定番です。
これらの底砂を水槽に敷けば底砂にバクテリアが住み着き水質を安定させることができますし、底砂からミネラル分が徐々に溶け出すことで、pHが維持しやすくなるといったメリットがあります。
海水魚水槽用の底砂については以下の記事でも解説していますので、ご覧になってみてくださいね。
ライブロック
続いてはライブロックについて。
底砂もそうですが、ライブロックが水槽にあると一気に「マリンアクアリウムっぽさ」が高まりますよね。
ライブロックも多孔質な構造をしているのでバクテリアが住み着きやすく、良質なライブロックに付着している石灰藻には水質を浄化する働きがあります。
サンゴを配置するときの土台にもなるので、今後サンゴ飼育も視野に入れているという方にはかなりおすすめなアイテムです。
水槽用クーラーは設置場所によっては検討しよう
最後に水槽用クーラーについてお話させていただきます。
いくら熱帯に生息する海水魚といえど、30℃を越えるような高水温では魚たちが弱ってしまいます。
暑くなりやすい部屋に水槽を置くのであれば、水槽用クーラーを設置しましょう。
先ほど最低限の設備としてご紹介した水槽用ヒーターを水槽用クーラーに接続すれば、水温を一定に保つことができます。
なお、室内の空調を24時間エアコン管理しているのであれば、水槽用クーラーはなくても問題ありません。
水槽をどのような場所に設置するのか、水温がどのくらい上昇するのかを確認しながら、水槽用クーラーの導入を検討しましょう。
まとめ:【海水魚飼育】マリンアクアリウムを最低限の設備で始める方法とは!
今回はマリンアクアリウムを最低限の設備ではじめるポイントや必須アイテムなどについて解説してきました。
敷居が高そうなイメージの強い海水魚水槽ですが、意外と淡水魚水槽と変わらない設備でも始められるということがおわかりいただけたかと思います。
みなさんもこの機会に、マリンアクアリウムならではのカラフルでラグジュアリーな雰囲気に癒やされてみてはいかがでしょうか?

トロピカライターの井上あゆみです。
金魚から熱帯魚・海水魚まで、全部で20種類程度のお魚を飼育してきました。
お気に入りはイエローヘッド・ジョーフィッシュ。怒ったような顔をしているのに、実はかなり臆病というなかなか憎めない海水魚です。アクアリウム初心者の方でも楽しく読めるような記事を書いていくので、よろしくお願い致します!