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怪我をしてしまった魚の治療方法!薬や消毒、回復期の手当てまで解説します

お魚も怪我をすることがあります。

気づいたら、お魚が大きな怪我を負っていて、驚いた経験のある方もいるかもしれません。
小さな体で大丈夫なのかと思ってしまいますが正しく対処すれば、怪我が治って元通り元気に泳ぎだすことも多いです。

しかし、対処を間違えてしまうと体力が衰え、病気に感染して死んでしまうこともありますので、正しく怪我を治療していきたいですね

今回は、怪我をしてしまった魚の治療方法についてまとめました。
薬の使用や消毒方法、回復期の手当てなどについて解説していきます

怪我をした熱帯魚・生体の治療方法や対処方法を動画で紹介!

この記事の内容は動画でもご覧いただけます。

お魚が怪我をしてしまったときの治療方法やどんな薬を使えばいいかなど、プロの目線で解説しています。

怪我をした熱帯魚の治療方法!薬や消毒、回復期の手当てまで解説します

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魚が怪我!原因は?治るの?そのままだとどうなるの?

お魚の怪我は、ヒレが裂けてしまったり、体がえぐられたようになったりと、痛々しいものが多く、元通りに治るのか心配になってしまいます。

程度にもよりますが、怪我を負っても泳いでいるようならば、治ることも多いです

怪我は放っておいても自然治癒しますが、怪我をしているお魚は元気に泳いでいるように見えても、弱っている状態です。

怪我をしたところから細菌が入り込んで病気に感染したり、元気な時には何でもないような水温や水質の変化についていけず死んでしまうこともあります

そのため、怪我に気づいたら放っておかずに、しっかりと治療を行ったほうがよいでしょう。

また、お魚が怪我をする要因を取り除かない限り、治っても同じ怪我を繰り返してしまうことになりかねません。
治療と並行して怪我の原因を取り除きましょう

お魚が怪我をする原因には以下が考えられます。

ヒーターなどの熱を持つ機器に触れてしまった

水槽用のヒーターに触れてしまったことでお魚が火傷をしてしまうことがあります。
そのようなときはヒーターの設置方法を見直しましょう。

ヒーターにお魚が触れないようにするには、ヒーターカバーが有効ですが、稚魚や小さな魚はヒーターカバーの隙間に挟まってしまい逆効果になることもあります。
そのようなときは、ヒーターをお魚の隠れ家となる流木などから離れた位置に設置するなど、設置位置を見直しましょう。

また、ベタなどの水流を嫌うお魚は、水流から逃げる過程でヒーターに当たってしまうこともあるようです。
水流とヒーターの位置関係を確認してみましょう。

レイアウト素材に衝突した・隙間に挟まった

お魚の隠れ家として、流木やレイアウト素材を入れている方は多いと思いますが、良かれと思ったその素材にお魚が挟まってしまったりぶつかってしまったりして、怪我をしてしまうことがあります。

素材にヒレが引っかかってしまうような箇所はないか挟まってしまうような小さな隙間はないかお魚に危険がないことを確認してみましょう。

ほかの魚からのダメージ

混泳をしている場合、ほかのお魚につつかれたり追い回されたりすることで怪我をしてしまうことがあります。

混泳に絶対安全はありません
混泳できるとされているお魚でも、相性が悪いこともありますし、混泳に向かない個体がいることもあります。

水槽内をよく観察し、相性の悪いお魚がいるようならば、水槽を分けるなどの対策を行いましょう

魚の怪我の治療法

怪我をしたお魚を見つけたら、すぐに治療を開始しましょう。
治療方法について、順を追って解説していきます

手順1:隔離

怪我をしたお魚は、治療のために別の水槽やバケツなどに隔離します。

怪我をしているということは、元気そうに見えても体力的が衰えている状態です。
ちょっとしたことで感染症にかかってしまい、ほかのお魚にも移してしまうかもしれません。

すべてのお魚を守るためにも速やかに隔離しましょう。

隔離水槽についてはこちらの記事でも解説しています。

手順2:治療

怪我を負ったお魚を隔離したら、治療を開始します
といっても人間のように絆創膏を貼ったり薬を塗るわけではありません。
怪我自体は基本的には自然治癒に任せます

人間がしてあげられることは、体力回復、自然治癒のお手伝いと、怪我から病原菌が入らないようにするための消毒です。

そこで塩浴と薬浴を行います。
塩浴は、浸透圧を利用した治療法で、殺菌と体力回復の効果が期待できます。

塩浴について、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

使用する塩は食塩で構いません。
塩分濃度が0.4~0.5%になるように計算して、お魚を隔離した水槽に塩を入れます。

また合わせて行いたいのが薬浴です。
薬浴は本来は白点病、尾ぐされ症状、水カビ病などの病気の治療や予防に使用するものですが、怪我の治療にも効果的です。

病気の予防の観点からも薬浴は行うとよいでしょう
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塩浴、薬浴中は、少なくとも3日一回は水換えを行いながら、お魚の様子を注意深く観察しましょう

手順3:回復期

塩浴、薬浴は1週間~長くても10日程度で終了します。
大体の期間を書きましたが薬浴については、薬の用法用量に従って期間を設定してください

塩浴、薬浴を終えたからといって、すぐに本水槽に戻してはいけません。
特に塩浴はお魚にとって居心地の良い状態なので、いきなり真水に戻してしまうと、お魚が急な変化についていけないこともあります

3日程度かけながら徐々に塩分濃度を下げていき、真水に戻してからも数日様子を見ます
この期間は、水換えを多めに行うなど水質には気を付けましょう。

問題なく元気になったことが確認出来たら、治療は終わりです。
元の水槽に戻してあげましょう。

怪我?病気?見間違えやすい尾腐れ病について

怪我と見間違いやすい病気に尾腐れ病があります。
怪我と同じくヒレがボロボロになってしまう病気なのですが、治療方法が異なるので、間違った対応を取らないよう注意が必要です。

怪我か尾腐れ病かは、ヒレの状態からどちらなのかを判断することができます。
怪我の場合は、刃物で切ったようにスパッと裂けてしまっていることが多いですが、尾腐れ病の場合は、腐って溶けてしまったようにボロボロになります。

見間違わないように、よく確認してから、治療を開始するようにしましょう。

尾腐れ病についてはこちらの記事も参考にしてください。


まとめ・怪我をしてしまった魚の治療方法!薬や消毒、回復期の手当てまで解説します

お魚の怪我は、とても痛々しく、見ていると可愛そうになってしまいますよね。

病気と違い怪我はうつるものではありませんし、自然と治るものではありますが、自然治癒するだろうと油断して放っておくと、手遅れになって死んでしまうこともあります。

怪我に気づいたら、早く元気になるよう適切な治療を行いましょう。