これまでアクアガーデンでは、数々の水槽のリニューアルを手掛けてきました。
ただ今のレイアウトに飽きたから買えてほしいという依頼から、コケまみれの水槽、何故か死魚が頻発する水槽、謎の生物が発生した水槽など、様々な水槽をリニューアルして来ました。
今回は、アクアガーデンの長年のノウハウをギュッと凝縮した、効率的な水槽リニューアルについて、なんと写真付きで解説します!!
水槽リニューアルとは
そもそも、水槽リニューアルとは何なのでしょうか。
水槽リニューアルとは、読んで字のごとく、水槽レイアウトを一新させる作業です。
ちょこっと流木の位置を変える、とかではなく、一度水槽を空にして大々的にレイアウトを替えてしまう作業を、私たちは水槽リニューアルと呼んでいます。
では、どういった作業をしなくてはいけないのでしょうか。
そこから考えてみましょう。
水槽リニューアルに含まれる作業
水槽のリニューアル作業には、下記のような作業が含まれます。
結構、多いです…!
1.水抜き 2.生体避難 3.配管除去 4.レイアウト物除去、廃棄 5.清掃
6.再レイアウト 7.生体再投入 8.配管再接続、運転
水槽リセットだと水槽を空にして磨いてハイおしまい、といった感じですが、リニューアルになるとその作業量は倍以上。
作業中は生体も避難させないといけないので、スピードも問われます。
如何に効率よく作業するか。
それでは、そんなノウハウも交えつつ、実際のリニューアル作業を覗いてみましょう!
水槽リニューアル、やってみた
今回リニューアルするのは、こんな水槽です↓
W900×D450×H450㎜の、中型水槽。
いい水槽なのですが、残念ながらコケが生えて中が見ずらく、アオコが発生して水もぼんやりと濁っています。
また、水草も伸び放題。
中のお魚たちは元気いっぱいなのですが、これではお魚たちもかわいそうです。
お客様からSOSをいただいた私たちは、すぐに作業に取り掛かりました!
水槽リニューアル準備
まずは道具の準備です。
これらの道具を用意しました。
新しいレイアウト部材と、外部フィルターです。
現状は上部フィルターで運用されておりましたが、外部フィルターにリニューアルします。
そして、飼育水!
今回はアオコも発生しており、今の水槽の飼育水を使うのは難しいと考えました。
そのため、大量の飼育水を、アクアガーデンのストック水槽から抜いて運びました。
その重量、なんと約180L!
水槽リニューアルは、新しく水槽を立ち上げるのとは違い、すぐに生体を泳がせなければなりません。
そのため、カルキを抜いた水道水ではなく、十分にバクテリアの含まれた飼育水が必須です。
これだけの量を用意するのはなかなか難しいと思いますが、少しでもいいので確保するようにしましょう。
100%新水はNGです!
水を抜いて、生体避難
早速、作業開始です。
まずは水を抜きます。
その際、全て捨ててしまわず、生体を避難させるためのバケツに抜いた水を入れましょう!
もともといた水槽の水ですから、避難させる生体にかかるストレスを大幅に減らすことができます。
また、水を減らした方が生体を捕まえやすいという利点もあります。
水槽のギリギリまで抜いてしまってもOKです。
このとき、2~3時間程度なら問題ありませんが、さらに作業が長くなるときはバケツにエアレーションを忘れずにしましょう!
ろ過装置、レイアウト部材除去
さて、生体を全て避難させ終えたら、水槽の水を全て抜いてしまいましょう。
水を抜きつつ、ろ過装置や流木などのレイアウト部材も取り除きます。
同時並行でできる作業はどんどんやってしまう、というのも大事なポイントですね。
今回はろ過装置も取り替えるので、上部フィルターもこの時取り外します。
上部フィルターは傾けると残っていた水が給排水口からこぼれてくることがあるので、しっかり水を切って、タオルで押さえながら取り外しましょう!
ヒーター、照明、温度計など、細かいアイテムもこの時全て取り除きましょう。
この後に待っている、一番過酷な作業を少しでも楽にするために…!!
底床(ソイル)を取り除こう
水槽リニューアル作業の中で、これが一番大変!
底床を取り除く作業です!
今回の水槽はソイルだったため、細かく潰れたソイルが角に残ったり、ドロドロになってなかなか落せなかったり。。。
なによりその量です。
スコップで何回掬っても一向に減る気配を見せません。
非常に根気のいる作業ですが、なんとか終えることができました。
最後、細かすぎて取りきれない粒子はホースの水で洗い流してしまいましょう!
水槽を磨く
ようやく、本当の意味で水槽が空になりました。
次は水槽を磨きましょう!
メラミンスポンジやスクレーパーを使って、水槽壁面に発生したコケをしっかり落します。
この時点で水槽は空なので、排水口のある場所に持ち出して、ホースで流水を当てながら作業すると効率よく綺麗にできます。
普段のメンテナンスでは落せない汚れまでしっかり見つけて、ピカピカにしましょう!
↑こんなにきれいになりました!
また今回は、水槽背面に青のバックシートを張りました!
水草の緑と青は相性バッチリです。
空間がパッと明るくなるので、青のバックシートはおすすめですよー!
再レイアウト開始、まずは低床から
ピカピカになりました。
いよいよ再レイアウト開始です。
リセットと逆の手順で作業を進めることを意識すると、効率よく作業ができます!
つまり、まずは低床から敷いていきます。
今回は大磯砂をチョイスしました!
一見地味に見える大磯砂ですが、実はかなり優秀な底床です。
硬く、粒が大きいので通水性がよく、嫌気層ができにくい性質があります。
粒同士の隙間が程良く開いており、水草も根を張りやすいのです。
さらに一粒一粒が重たい為、プロホースで吸っても巻き込みにくく、ガシガシ底床掃除ができるメンテナンス性の良さもあります。
こんな感じで、敷いた後は綺麗に均しましょう!
外部フィルター設置&レイアウト
外部フィルターを設置します!
左奥に配管を設置します。
吸水口から遠くに水が吐き出されるように設置することで、ぐるぐると水槽内を水が循環します。
配管の位置が決まったら、岩と流木の位置を決めていきましょう。
ここで大事なのは、完成図をしっかりイメージすること。
配管を隠すためにはこの位置に流木を置いて、水草をどう植えて…などなど。
作業前に簡単なスケッチを用意すると良いでしょう。
今回は、水槽の左右に山を作る凹型レイアウトで組んでいきます!
水草を植える、そして注水
レイアウトの最後に、水草を植えていきます!
流木に活着させるものはそのままでもOKですが、低床に植えるものについては少し注水した方が作業がしやすいです。
今回は低床が大磯砂なので、ソイルほど多くの種類の水草に適してはおりません。
しかし、それでも鮮やかで綺麗な種類の水草は沢山あります。
成長した後の姿や全体像を見極めながら、植える場所を決めていきます。
ここはプロの腕の見せ所ですね。
水草の配置が完了したら、満水になるまで注水しましょう!
生体投入、完成へ!
そしてついに生体投入です。
いままでバケツで縮こまって待機していた生体たちを、水槽に戻しましょう。
もちろん、戻す時は、しっかり水合わせしてくださいね。
水合わせの方法についてはこちら↓
ろ過装置を回し、照明をつけて、ついにリニューアル作業が完成しました!
いかがでしょうか。
あの水槽が、これほどまでに綺麗になりました
この水槽のメリットは、美しいだけでなく、そのメンテナンス性の高さです。
ソイルと比べると低栄養環境なのでコケの発生も少なく、前述のように大磯砂自体もとても清掃がしやすいので、ゴミを簡単に取り除けます。
また選定している水草は比較的成長スピードも緩やかで、トリミングの手間も従来より大幅に削減できます。
これだけ省エネで、これだけの美しさ。
アクアガーデンの技の光る水槽が出来上がりました!
水槽リニューアル まとめ
いかがでしたか?
確かに、水槽リニューアルはとても大変で、めんどくさい作業です。
しかし、しっかりと準備をし、手順を知っているだけで、とても効率よく作業を進めることができます。
何より、リニューアル完了後の達成感と美しく生まれ変わった水槽を見た時の感動は、ひとしおです!
レイアウトのコツもこれまでにたくさんの記事で紹介してまいりましたので、是非参考にしてみてください。
それでも、リニューアルに不安が残る、自信が無い、面倒だ。。。という方は、東京アクアガーデンにお問い合わせください。
プロがその腕前を惜しげもなく発揮します!!
トロピカプレゼンテーターのぶっちーです(。-`ω-)
この記事が、皆様の素敵なアクアリウムライフの手助けになれば幸いです。
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